Interview

【インタビュー】アニメの2代目OPに課せられた難しさも初経験。May'nが『魔法使いの嫁』で手にした“私の伝えたかったメインテーマ”とは?

【インタビュー】アニメの2代目OPに課せられた難しさも初経験。May'nが『魔法使いの嫁』で手にした“私の伝えたかったメインテーマ”とは?

May’nの通算15枚目となるニュー・シングル「You」は、そのタイトル通り聴き手である〈あなた〉の心に真っすぐ入り込んでくるひたむきさを持った、エモーショナルなアップ・チューンだ。TVアニメ『魔法使いの嫁』第2クールの新OPテーマとして作品世界にしっかりと寄り添いつつ、May’n名義に改名して10周年を迎えた彼女の今の心境が歌や言葉の隅々から伝わってくる。〈たったひとりのあなたに届けたい〉――そのシンプルな想いに貫かれた彼女の新しいメインテーマとなる本楽曲について、May’n本人に話を聞いた。

取材・文 / 北野 創


たったひとりのあなた=“You”は自分自身のことでもあった

久々のニュー・シングルは「You」ということで、清々しいほどシンプルなタイトルになりましたね。

May’n たしかにすごくシンプルなタイトルになりました。ただシンプルに“たったひとりのあなたに伝えたい思い”ということを歌いたかったんです。この世界にはいろんなものが溢れていて、たくさんの人が暮らしているけど、“あなた”という存在はたったひとりしかいない――そういうすごくシンプルな想いを、あらためて音楽と言葉にして伝えられたらという気持ちがありました。

「You」はTVアニメ『魔法使いの嫁』第2クールの新OPテーマですが、タイアップのお話をいただいたときのお気持ちはいかがでしたか?

May’n 実は、私が主題歌を担当させていただけることが決まる前から、「ぜひこの作品の曲を歌いたい!」と思い、原作も読ませていただいてたので、実際に決まったときはすごくうれしかったです。『まほよめ』は登場するキャラクターそれぞれが魅力的ですし、みんないろんなものを抱えながら今を生きていて、そこから自分の力で立ち上がってどんどん成長していくという物語だと思うんですよ。そのみんなの強さにすごく惹かれましたね。

ちなみに『まほよめ』の中で共感できるキャラはいますか?

May’n 共感という意味ではやっぱりチセですね。私はチセみたいにめちゃくちゃ辛い過去があるわけではないんですけど、昔は自分自身のことを信頼することができなくて、強い一歩を踏み出す勇気が出ないことが多かったんです。だけどこの数年でたくさんの人に支えてもらって、私はもっと自分のことを信じてあげたいと思えるようになったので、この楽曲は自分自身に対しても歌っているところがあって。チセもお話が進む中でいろんな愛情を受けて、自分の足で立ち上がって走り出していく物語なので、そこはすごく感情移入しました。

では、推しキャラは?

May’n えーっ! 推しキャラで言うとルツです。もうイケメンすぎてヤバいですね(笑)。ああいう普段はちょっとぶっきらぼうだけど、辛いときにただ横にいてくれる男性キャラが好きなので、ルツはめちゃくちゃ魅力的だと思います。

初経験となった“2クール目からのテーマ曲”

ルツは男の僕からみてもズルいぐらいカッコいいキャラだと思います(笑)。そんな『まほよめ』の新OPテーマを担当するにあたって、まずどんな楽曲にしようと思われたのでしょうか?

May’n 私は今までにたくさんの作品とご一緒させていただいてるんですけど、2クール目から途中参加させてもらうのは今回が初めてなんですよ。1クール目のOPテーマだと大体は作品全体の世界観や主人公の今の気持ちからスタートできるんですけど、2クール目からの参加の場合はまずどこから組み立てていけばいいのかが難しかったですね。『まほよめ』はヨーロッパ的な美しい世界観ですけど、物語が進むにつれて展開が過酷になって走り抜けていくような印象があったので、私はそこを盛り上げられたらと思って。なので1クール目とはガラリと変わったオープニングになったと思います。

2クール目からの参加ということで、プレッシャーはありましたか?

May’n プレッシャーというよりも、「May’nが歌う『まほよめ』らしい曲とは?」と悩んだところはありますね。

『まほよめ』という作品に寄り添いつつ、いかに“May’nらしさ”を表現するかを考えたと。

May’n そうですね。物語が進むにつれて前を向き始めて、間違えながらでも生きていたい、走っていたいって思うようになるキャラクターたちの願いを歌にしたいと思ったんです。その『まほよめ』の世界観は絶対に崩したくなかったので、(「You」の作詞を担当した)岩里(祐穂)さんにはキャラクターの心情を歌詞に書いていただきました。

実際に岩里さんが書かれた歌詞をご覧になったときの印象はいかがでしたか?

May’n 胸をギュッと掴まれるというか、本当にそうだなって思えるような歌詞でした。私からチセに伝えたいメッセージでしたし、チセからエリアスに伝えてほしいことだし、私が自分のことを支えてくれてるみんなに伝えたいメッセージですし。それから過去の自分に対して「自分を信じていくことがいちばん大切なんだよ」って伝えてあげたいとも思ったし。誰に向けて歌いたいのかが、すぐにイメージできる歌詞だと思いましたね。

「過去の自分にも歌ってあげたい」というお気持ちは、これまでのキャリアを積んできたからこそ思えた部分ですよね。

May’n 私は今年でMay’nとして10周年になるんですけど、シェリル(シェリル・ノーム。May’nが歌唱を担当した『マクロスF』のキャラクター)から始まっていろんな出会いがあって、いろんな景色を見させていただいて、いろんな葛藤や悩みを経たからこそ辿り着けた今があって。過去にどれだけ悩んできたとしても、すべてが自分自身の歩んできた道だし、そのすべてを認めてあげたいと自分の中でずっと思ってたんです。やっぱり力強い一歩を踏み出すには、自分自身が自分を愛してあげないとぶれてしまうと思うし。「You」の歌詞は“君が君を愛せたらちゃんと走り出せるんだよ”という内容になっているので、私自身もここからまた走り出していこうという気持ちになれて、10周年のタイミングで出会うことのできたすごく大切な楽曲です。

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