『モンスターハンター:ワールド』が引き出すハンターのチカラ  vol. 1

Review

『モンスターハンター:ワールド』ハンティングアクションが最高に魅力的になった理由

『モンスターハンター:ワールド』ハンティングアクションが最高に魅力的になった理由

2018年1月26日。日本が誇るアクションゲームの最高峰、『モンスターハンター:ワールド』(以下、『MH:W』)が全世界同日発売となった。大胆かつ精緻に描きこまれた大自然と、そこに棲む生き物たちの生態を肌で感じ取れる本作は、まさに“世界”を冠するにふさわしい狩猟体験をプレイヤー(ハンター)にもたらしてくれる。

あるときはひとりで黙々とフィールドを探索し、またあるときは全世界のハンターと協力して屈強なモンスターと対峙する。この記事は、そんな幅広いプレイスタイルが味わえる本作の魅力を“ハンティングアクションの可能性”に注目し、全4回にわたって深掘りする。第1回では、大きな変革を遂げた『MH:W』が起こす変化を、筆者のファーストインプレッションを交えて語っていきたい。

文 / wodnet


快適! 流れるように遊び続けられる仕掛け

言うまでもなく圧倒的に美麗なグラフィックで大自然の凄さを見せつけてくれる本作。木々や草花は揺れ、波は寄せては返し、天候も刻々と変化して、まるで匂いまで伝わってくるかのような臨場感がある。『モンスターハンター』(以下、『モンハン』)シリーズはこれまでも、いくつかのエリアの集合体によってひとつのフィールドを作り、エリアとエリアの間を省くことでエリアごとの違いを鮮明に表現してきた。エリア移動時にはローディングもあったため、ひと息入れると景色の異なるエリアが目に飛び込んできた。『MH:W』にもこのエリアの概念は存在するのだが、その境目は一切なく、いわゆるシームレス(継ぎ目がない)。ハンターは足を止めることなく、時間の許す限りいつまでも大自然を駆け回ることができる。

▲古代樹の森は、巨大な古代樹を中心に生き物たちが生息している。大自然の空気感を満喫できるフィールド

▲生態マップを開くとエリア番号と区分けは確認できるが、その境目はシームレスに繋がり、エリア移動時にローディングも発生しない

フィールドでできることが増え、より拠点での準備が少なくなった。これはあくまで筆者の体感的な数字だが、『MH:W』のプレイ時、“狩猟:非狩猟”の割合を“9:1”くらいに感じるほど、ひたすらフィールドに出て狩りをしているように思える。ここでの “非狩猟”とは、拠点や集会エリアでつぎの狩猟の準備をしているときのことだ。これは決して、非狩猟時の楽しさをないがしろにしているわけではない。

▲同じ集会エリアにいるほかのハンターがあとからクエストに参加する予定でも、気にせず先行できる。現地で先に素材やモンスターの痕跡を集めておけば後続の助けにもなる。ただし、出発から一定時間経過後に途中参加したプレイヤーは、クエスト報酬の水準が低くなるので注意

▲クエスト開始後のキャンプでも食事が摂れるようになった。時間経過で再び利用できる

写真で紹介したものはほんの一部だが、ほとんどのクエストは、他のプレイヤーが途中参加できるようになったので必ず足並みをそろえる必要がなく、“誰かを待つ”という場面が比較的少なくなっている。手強いモンスター相手に不可欠な食事、アイテムや装備の入れ替えもクエスト中にキャンプで行えるので“忘れ物”を気にせず気軽に出発できる。こうしたことも手伝って、これまで以上に狩猟に没頭・集中できるようになったのだ。

▲作りたい武器や防具をウィッシュリストに登録しておくと、それらを生産・強化するために必要な素材を入手したとき、自動的に知らせてくれる。加工屋で素材とにらめっこする時間も短縮されているのだ

感じる! 怒涛のごとく押し寄せる刺激と反応

狩りに出るまえの準備や下調べが効率よく進められることで、より多くの時間を狩猟にあてられる『MH:W』。さらに目標物へ案内してくれる導蟲(シルベムシ)の登場で、これまでの『モンハン』シリーズでは自分の目で探していた素材の採取ポイントや、ペイントボールを当てて追いかけていた大型モンスターの居場所に、スムーズに向かえるようになっている。

▲防具のハンターシリーズなどには、導蟲の活動をサポートするスキルが備わっている部位がある。導蟲反応距離UPや追跡の達人といったスキルがそれだ

導蟲のおかげで、クエストの始まりから終わりまで、すべての行動が滑らかに連結していくのを体感できる。採取をしていたら自然とモンスターの痕跡(足跡など)が見つかり、流れの中で大型モンスターを発見して迫力の大型モンスター狩猟へとなだれ込む。リズミカルとも表現できてしまうくらい、狩猟中はテンポよくつぎからつぎへと“何か”が起こっていく。

▲生態マップでは、導蟲に案内してほしい目標にピンを立てることも可能。大型モンスターだけでなく小型モンスターも、さらには採取ポイントや仲間のハンターにも設定できる

ほかにも、移動しながら採取やアイテム使用ができるハンターアクションの向上もテンポを生み出すきっかけのひとつかもしれない。そして何より“作り込まれた生態系”の存在が大きい。このゲームにおいてハンター(プレイヤー)はもちろん主人公といえる。だが、この世界の住人という意味では、すべての生き物や環境がそれぞれの存在意義を背負って等しく”そこにいる(ある)“。大型モンスターが小型モンスターを目の前で捕食するなど、生き生きとしたモンスターの活動に目を奪われ、見入ってしまうこともしばしばだ。ハンターは、それらの環境からつねに”刺激“を与えられ、”反応“を求められる。その刺激と反応の連鎖に身を委ねることで、自分自身も生態系の一部であるという実感が湧いてくるのだ。

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