LIVE SHUTTLE  vol. 245

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寺岡呼人 人と人のつながりを編み合わせ、そこから素敵な音楽をたくさん生み出してきた彼ならではのバースデーライブ

寺岡呼人 人と人のつながりを編み合わせ、そこから素敵な音楽をたくさん生み出してきた彼ならではのバースデーライブ

寺岡呼人 バースデーライブ 50歳/50祭
2018年2月7日 日本武道館

寺岡呼人のバースデーライブ『50歳/50祭』が彼の50歳の誕生日である2月7日の武道館と2月12日の大阪城ホールの2日間に渡って開催された。ここでは2月7日の武道館公演の模様をレポートしていこう。さだまさし、桜井和寿(Mr.Children)、ゆず、Kという交流の深いミュージシャンがゲストとして参加し、さらに佐藤健治(G)、林由恭(B)、林久悦(Dr)、ミトカツユキ(Key)、松本圭司(Key)という気心の知れたバンドのメンバーも集結。

幼少期から現在までの寺岡の写真がフォトアルバムをめくるように映し出されたオープニング映像に続いて、寺岡、桜井、ゆず、Kによる「ミュージック」での始まり。寺岡主催のイベント、『Golden Circle』から生まれたこの曲はこの日のオープニングにもぴったりだ。寺岡が「私事ながら、本日をもって、五十路を迎えました。今日は最後までおつき合いよろしく〜」と歌ってのフィニッシュ。2曲目はさだまさしが登場して、出演者全員で「北の国から」が披露された。ステージ上だけでなく、観客も一緒に“ラララ”と声を合わせていく。この日の武道館はステージの後ろも客席になっていて、360度、歌声が響き渡っていた。「寺岡呼人くん〜、誕生日、おめでとう。まだはな垂れ小僧だ。世界制覇をめざせ」というフレーズをさだが付け加えて歌って、さらにバイオリンの演奏も披露。その隣で寺岡が感極まる姿が印象的だった。北川の音頭で全員で「Happy Birthday to You」が歌われて、寺岡がバースデイ・ケーキのろうそくの炎を吹き消す場面もあった。

豪華なオープニングで始まったこの日のライブ、サプライズの連続となったのだが、最大のサプライズは音楽そのものだった。寺岡と桜井のよる「秘密戦隊☆ゴジュウレンジャー。」では50歳になりたての寺岡と数年後に50歳を迎える桜井がアグレッシヴな歌声を披露した。この曲では寺岡はベースも演奏して、バンドマンとしての持ち味も発揮した。「こんな幸せな50歳はいないと思います」という挨拶に続いては、しばし寺岡のソロ・ステージ。この日発売のニュー・アルバム『LOVE=UNLIMITED』収録曲の「僕は、君にもう一度恋をする」、40歳になった時に作った「大人」などを披露した。50歳になった今だからこその説得力を備えた歌声が真っ直ぐ届いてくる。続いてKが登場して、寺岡が作詞しプロデュースした曲「春の雪」を一緒に披露。ちなみにこの曲は一昨年の『Golden Circle』でKが尾崎豊の「I LOVE YOU」を歌ったことがきっかけで、“Kにとっての「I LOVE YOU」を作るという裏テーマ”のもと、寺岡が制作した曲だ。Kのキーボードの弾き語りで始まり、Kの声の魅力が堪能できる曲となっていて、プロデューサーとしての寺岡の手腕も見えてくる。

「30年の音楽人生の中には自分のターニング・ポイントがいくつかあったんですが、その中でもこのふたりとの出会いはとても素晴らしいものでした」という紹介で、ゆずが登場して、いきなり「贈る詩」のサビを歌うサプライズもあった。“呼人の心にこの唄が届きますように”という歌声に盛大な拍手が起こった。さらに寺岡とゆずで一緒に作った「星がきれい」では3人のハモりが温かく響いた。続いては50歳になった寺岡を交えての「少年」。ゆずのライブでは“YUZU”の人文字の振り付けが入るのだが、この日は特別バージョンで“YOHITO”という人文字の振り付けを入れて、祭りのムードが一気に盛りあがっていく。さらに「栄光の架橋」へ。観客の歌声も加わっていく。北川が“呼人の空へ”と付け加えて歌っている。思いのこもった歌声によって、会場内が感動に包まれていく。

桜井和寿が登場して、「Everything (It’s you) 」のイントロが流れると、熱烈な歓声が起こった。桜井はエレキギターを弾きながらの歌。さらにふたりの人間味あふれる歌声による「バトン」、「everybody goes-秩序のない現代にドロップキック-」で熱狂的な空間が出現した。続いて、「僕が生まれて初めて観たコンサートがさだまさしさんでした。その日から約40年目にして、同じステージに立つことができました」との紹介で、さだまさしが登場。寺岡がうながして、観客が着席すると、「寺岡君の誕生日なので、彼が選んだ曲を歌います。それはいいんだけどさ、俺だってうるさい曲があるんだよ」とぼやきつつ、「雨やどり」と「親父の一番長い日」を披露して、さだと寺岡の40年の時を越えての共演が実現した。本編最後は寺岡、桜井、ゆず、Kの組み合わせで、「音楽人生30年の中で大事な大事な仲間との絆がずっと続いていけばいいなという思いで昔、作った曲を」という言葉に続いて「フォーエバーヤング」が演奏された。

アンコールでは寺岡とゆずの「夏色」、さらに寺岡と桜井とが27年前に一緒に作った曲、「星になれたら」も演奏された。寺岡とゲスト全員での歌われたのは寺岡が大好きだというさだの曲「いのちの理由」だった。ラストは寺岡ひとりで、ニュー・アルバムから新曲「仕舞支度」で『50歳/50祭』の幕を閉じた。この日、寺岡は何度か「私事ですが」という言葉を使っていたが、その“私事”を会場内の全員が共有することで、ハッピーで温かな空間が出現した。人と人との繋がりが素晴らしい音楽を生んでいく。そして素晴らしい音楽が人と人との繋がりをさらに深めていく。そんな音楽の連鎖のパワーを再確認した夜でもあった。

取材・文 / 長谷川誠 撮影 / 田中聖太郎写真事務所

寺岡呼人 バースデーライブ 50歳/50祭
2018年2月7日 日本武道館
セットリスト

1.ミュージック w/桜井和寿、ゆず、K
2.北の国から w/さだまさし、桜井和寿、ゆず、K
3.秘密戦隊☆ゴジュウレンジャー 桜井和寿
4.僕は、君にもう一度恋をする
5.大人
6.スマイル
7.春の雪 w/K
8.星がきれい w/ゆず
9.少年 w/ゆず
10.栄光の架橋 w/ゆず
11.Everything(It’s you) w/桜井和寿
12.バトン w/桜井和寿
13.everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-
14.雨やどり w/さだまさし
15.親父の一番長い日 w/さだまさし
16.フォーエバーヤング w/桜井和寿、ゆず、K
[ENCORE]
1.夏色 w/ゆず
2.星になれたら w/桜井和寿
3.いのちの理由 w/さだまさし、桜井和寿、ゆず、K
4.仕舞支度

その他の寺岡呼人の作品はこちらへ

ライブ情報

3月24日(土)  心斎橋 JANUS
「寺岡呼人とK〜新曲披露もしちゃいます」 ※プレミアムゲスト K
3月28日(水)  渋谷Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
3月31日(土)  鹿児島 Club Cave
4月01日(日)  福岡 Gate’s7
「寺岡呼人とK〜新曲披露もしちゃいます」 ※プレミアムゲスト K
4月03日(火)  下関Live & Bar RedLine SHIMONOSEKI
4月04日(水)  福山 cable ※プレミアムゲスト 森恵
4月06日(金)  松江 AZTiC canova ※プレミアムゲスト 門脇大樹、homme…
4月07日(土)  岡山 image
4月08日(日)  高知 X-pt.【クロスポイント】
「寺岡呼人と浜端ヨウヘイ〜新曲披露もしちゃいます」 ※プレミアムゲスト 浜端ヨウヘイ 
4月11日(水)  京都 磔磔
「寺岡呼人と浜端ヨウヘイ〜新曲披露もしちゃいます」 ※プレミアムゲスト 浜端ヨウヘイ
4月22日(日)  札幌 COLONY
「寺岡呼人とK〜新曲披露もしちゃいます」 ※プレミアムゲスト K

寺岡呼人

自身のアーティスト活動と並行してプロデュース活動を行い、ゆず、矢野まき、ミドリカワ書房、植村花菜、グッドモーニングアメリカ、はなわ、八代亜紀など多彩に手掛ける。また、自身を中心とした3世代が集うライブ・イベント”Golden Circle”を2001年に立ち上げ、松任谷由実、小田和正、仲井戸麗市、桜井和寿、奥田民生、斉藤和義、back numberなど多くのアーティストが参加。現在、再結成を果たしたJUN SKY WALKER(S)ベーシストとしても活動中。

オフィシャルサイトhttp://www.yohito.com/

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