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“女性声優アーティストだけ”の貴重なライブ。水瀬いのり、中島 愛、茅原実里が武道館を沸かせた!【リスアニ!LIVE 2018 アフターレポート】

“女性声優アーティストだけ”の貴重なライブ。水瀬いのり、中島 愛、茅原実里が武道館を沸かせた!【リスアニ!LIVE 2018 アフターレポート】

アニメ音楽誌、リスアニ!がプロデュースする毎年恒例のライブイベント“リスアニ!LIVE”。昨年と同様に今年も“リスアニ!LIVE 2018”として、日本武道館にて3日間の公演が行われた。ここではその初日となる1月26日(金)の“FRIDAY STAGE”の模様をお届けする。出演アーティストは水瀬いのり、中島愛、茅原実里(出演順)。いずれも劣らぬ人気・実力を持つ女性声優アーティスト3名による三者三様の華やかなステージとなった。

取材・文 / 金子光晴


昨年、初めて3日間開催された“リスアニ!LIVE”。昨年の初日“CROSS STAGE”は、LiSAとKalafinaの対バンという形で行われたが、今年の初日となる“FRIDAY STAGE”は女性声優アーティストだけのステージという試みで、水瀬いのり、中島愛、茅原実里という異なる個性を持った3名が武道館を沸かせた。

まずトップ・バッターとして登場したのは水瀬いのり。昨年の“リスアニ!LIVE 2017”で初出場した水瀬だが、2017年はファースト・アルバムの発売、初のソロ・ライブを開催するなど飛躍の年となり、十分な経験を積んだうえでの出演となった。

ポニーテールの髪型で登場した水瀬は、まず1曲目に「Ready Steady Go!」を熱唱。この曲は前述のソロ・ライブのタイトルにもなっており、まさにライブのために作られた曲だ。それだけに観客からは大きな歓声とコールが起こり、トップ・バッターとして最高の滑り出しを見せてくれた。

また、“リスアニ!LIVE”の大きな特徴であり、こだわっている部分が、すべての曲が生バンド演奏で届けるということ。水瀬のステージでは、黒須克彦がベース&バンマスを務める「リスアニ!バンド」が演奏を行った。「Ready Steady Go!」はロック要素が強くバンド演奏との相性も良い曲で、幕開けにふさわしい曲だったといえる。

その後も様々な楽曲を披露し、曲調や歌詞の内容に合わせて表情もくるくると変えていく。こうした表現力の高さは、やはり声優としても演技力に定評のある彼女ならではのものだろう。ちなみにアーティストとしてはまだデビュー1年ちょっとの彼女だが、声優デビューは14歳のときで、すでにキャリア8年目を迎えている。

そんな彼女の表現力が特に発揮されたのが6曲目の「星屑のコントレイル」。これはアルバムに収録された1曲で、全身で曲を表現する圧巻のパフォーマンスを披露してくれた。ただ、大人っぽいポーズを決めて歌い終えたあと、微笑んだ表情に年相応のあどけなさが残っていたところも、たまらなくキュートだったと付け加えておきたい。

最後の曲は「自分にとって大切な楽曲」であるという「Innocent flower」。この日の衣装は黒を基調とした花柄だったが、十人十色で咲くさまざまな花のように、「私らしさ」を込めた歌で全7曲のステージを締めくくったのだった。

曲が終わるとMCによるインタビューが行われるのも、“リスアニ!LIVE”の特徴のひとつ。今年もMCは「リスアニ!」のスタッフでもある音楽評論家の冨田明宏が担当。「1年でアーティストってここまで成長できるんだと思った」というと冨田の言葉に、水瀬は「今年は7曲を選ぶのにどれを歌おうか悩むぐらい、1年かけて歌をうたうことを頑張ってきたので、それをすごく実感しました」と、昨年と比べて持ち歌が格段に増えた今年のステージを振り返った。

続いて2番手で登場したのは中島 愛。真っ白な衣装を着た彼女が姿を現すと、会場はグリーンのペンライトの光に染まった。2008年放送のTVアニメ『マクロスF』のランカ・リー役で声優デビューし、アーティスト活動も行っていた彼女。2014年から一時期活動を休止していたが、2017年に3年ぶりのシングル「ワタシノセカイ」で活動を再開。今回は5年ぶりの“リスアニ!LIVE”登場となった。

そんなファンにとっても待望のステージで、最初に歌ったのはアニメ『劇場版 マクロスF 恋離飛翼~サヨナラノツバサ~』の主題歌「放課後オーバーフロウ」。やはり印象深い『マクロスF』の楽曲からスタートした。

その後、活動休止前の懐かしい曲から最新アルバムの曲まで新旧織り交ぜたセットリストで7曲を披露。クラップで会場一体となった「サブマリーン」は2月14日発売の最新アルバム『Curiosity』収録の新曲で、作詞をポルノグラフィティの新藤晴一、作・編曲をラスマス・フェイバーが手がけている。また、「Transfer」は2012年に“livetune adding 中島愛”として歌った楽曲。そしてラストに歌った「サタデー・ナイト・クエスチョン」はフジファブリックとのコラボによる曲ということで、今回披露した楽曲はそうそうたるアーティストとの共同で生まれたものだった。

それだけ多くのアーティストを引き寄せる魅力がある彼女のステージ。当然、元気に盛り上がる曲もあったが、アコースティック・ギターとハーモニカの演奏で歌ったノスタルジックな雰囲気の「神様のいたずら」では優しい歌声で観客を魅了した。今回初めて彼女のライブを観るという観客も少なくなかったようだが、そんな人たちにも『マクロスF』の楽曲だけでなく、様々な表情を持ったアーティストとして印象付けるステージとなったに違いない。

ライブ後のMCパートでは、アルバム『Curiosity』について、「休止期間も含めると制作期間3~4年といってもいいぐらい。その期間も吸収するものがいっぱいあったので、ぜひみなさんに音楽を通して感じてもらえたらいいなと思っております」と語っていた。

そしてこの日のトリを務めたのが茅原実里。2016年の“リスアニ!LIVE”にトップ・バッターで出演して以来2年ぶりの登場で、「武道館行くぞー!」と最初から絶好調で飛ばしていく。代表曲のひとつである「Paradise Lost」では会場を揺るがすほどの大きなコールで熱く盛り上がった。

2017年は通算100回目となる単独公演ステージを行った茅原。一般のアーティストやアイドルにとっては“単独ライブ通算100回”というのは珍しい数字ではないが、声優として第一線で活躍し続けながらのこの記録は立派な勲章だ。今回のMCでも原宿のアストロホールで行われた最初のライブから現在に至るまでの思い出を語っており、ファンにとっては感慨深いものがあっただろう。

茅原実里のライブはキラーチューンといえる曲が次から次へと出てきて、観客と一体となったパフォーマンスを楽しめるのが特徴。コールやジャンプはもちろん、「Lush march!!」という曲ではフラッグを振って盛り上がっていた。

トドメともいえるのが「今日は茅原実里ライブを楽しんでもらえる選曲」というMCの後に歌った「輪舞-revolution」だ。奥井雅美が歌うアニメ『少女革命ウテナ』主題歌のカバーだが、バンド・アレンジがされていることもあって見事に茅原実里の色に染まっていた。曲の終盤で観客の「revolution」という歌詞の大合唱が起きたのも、実に彼女のライブらしい光景だった。

そして、「次が最後の曲、一緒に跳ぶよー!」と呼びかけ、彼女の中でも切り札ともいえる曲「Freedom Dreamer」でラストを飾ったのだった。

出演者が少ない分、各アーティストの曲数が多かった“FRIDAY STAGE”。アニメのタイアップ曲だけでなく、アルバム収録曲も含めた、そのアーティストの音楽性が伝わる選曲になっていた。まさにソロ・コンサートをコンパクトにしたような贅沢な構成で、リスアニ!のこだわりが詰まったステージだった。

リスアニ!LIVE 2018
1月26日(金)“FRIDAY STAGE”セットリスト

水瀬いのり
M01:Ready Steady Go!
M02:MELODY FLAG
M03:アイマイモコ
M04:Winter Wonder Wander
M05:Starry Wish
M06:星屑のコントレイル
M07:Innocent flower

中島 愛
M01:放課後オーバーフロウ
M02:そんなこと裏のまた裏話でしょ?
M03:サブマリーン
M04:ワタシノセカイ
M05:神様のいたずら
M06:Transfer
M07:サタデー・ナイト・クエスチョン

茅原実里
M01:Contact
M02:Paradise Lost
M03:Lush march!!
M04:SELF PRODUCER
M05:みちしるべ
M06:輪舞-revolution
M07:Freedom Dreamer

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