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『大神 絶景版』今も色褪せない名作ゲームの魅力をスクショで紹介

『大神 絶景版』今も色褪せない名作ゲームの魅力をスクショで紹介

日本神話、おとぎ話に出てくる神々や人物が登場するなじみ深い民話的世界でありながら、個性的なキャラクターや物語によって新鮮な感覚が味わえる『大神』。今作は、2006年にPlayStation®2で発売された名作『大神』をHDリマスターしたPlayStation®3『大神 絶景版』をベースに、PlayStation®4、Xbox One、PC向けにキャラクターや背景、エフェクトなどのグラフィックをさらに高精度・高解像度にし、4K描画にも対応したものとなっている。実はこれまで『大神』をプレイしたことがないのだが、今作に触れてすぐに実感した。出汁をいっぱい吸ったおいしい高野豆腐のような(最上級の誉め言葉)味わい深い描写が本当に素敵。筆で描かれたような、力強い線が生み出す陰影がなんだか懐かしくて新しい。

そんな『大神』のコラボカフェが2018年2月8日(木)~2月25日(日)の期間、カプコンカフェ新宿店で開催されている。この世界の雰囲気をゲーム外でも味わいたい人がたくさんいるってことだ。私のようにこれまで知ってはいたけどなぜか触れてこなかったという方に向けて、『大神 絶景版』の魅力をお届けしたい。そもそも『大神』は2006年度(第10回)文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門で大賞を、日本ゲーム大賞2007で優秀賞を受賞している。どれだけ多くのプレイヤーの心をつかんできたのかがよくわかる……!

さて、今回の記事では10年を経て蘇った『大神 絶景版』の序盤をプレイしながら世界の”いろは”からお伝えしたい。懐かしくて新しい世界設定、一筋縄ではいかなかった敵や味わい深いキャラクターに触れて、ゆっくりと今作の魅力を噛み締めてほしい。温かみのある水墨画のような世界をめいっぱい走り回るよ!

文 / 大部美智子


かわいさと勇ましさを兼ね備えた白きオオカミ

物語の始まりはむかしむかしの世界。白野威(シラヌイ)という真っ白なオオカミとイザナギという剣士が封印したはずの、大妖怪・ヤマタノオロチが蘇った。草木は枯れ、荒れ果てた世界で唯一無事だったのは、神木村という100年前にヤマタノオロチを封じた白野威の像がある村。その村にある神木に宿る木精・サクヤ姫の力によって、白野威の像に大神・アマテラスが宿り、蘇る。復活したアマテラスは少しずつ力を取り戻しながら荒廃した世界を救っていく……。

と、いうのが大まかなあらすじ! オープニングで語られる100年前の白野威の活躍だけでも涙腺が緩む。動物やこどもががんばる姿に弱いのだ。また、水墨画のように味のある絵でありながらリアルに動く姿はとてもかわいらしい……そしてモフモフ。癒される。

▲天を照らすと書いてアマテラス。みんなご存知の太陽神

このアマテラスがプレイヤーの操作するキャラクター。オープニングで見せた勇ましさをちょこっとだけ残した、おとなしそうな大型犬に見えるが、白い狼の姿をした大神だ。サクヤの大事な話の途中で飽きて寝てしまったり落ち着かなかったりするアマテラス……かつての雄姿は一体どこに!? というのも、100年前の戦いで傷つき実体を失い、その際に持っていた十三の能力のうち十二は國中に広がっていったらしい。そのせいなのかな、威厳よりも和みを感じるのは……。その失われた能力を司る分神(筆神)たちの力を再び借りながら、アマテラスは世界を救わなければならないのだ。

▲筆神のひとり。壊れたものや足りないものを蘇らせることができる

筆神の力を使い、奇跡を起こすことを“筆しらべ”と呼ぶのだけれど、この筆しらべが楽しい! R1ボタンで筆を持ち、□ボタンで空間に描くことでさまざまな神業が使えるのだ! 最初は蘇神が司る「画龍」しか使えないが、橋や水車を直したり、なくなってしまった物干し竿を蘇らせたり……さすが神様の力と言わざるを得ない。丸を描くことがむずかしくてギクシャクしてしまうときや、逆に真っすぐ線を引くことができないときもあるけど、回数を重ねるとだんだんと慣れてくる。上達するとやっぱりうれしい。あとで知ったが、△ボタンを押しながらだと線が太くなり、Xボタンを押しながらだと線が早く引けるそうだ。

あ、違った! アマテラスが最初から持っている能力がひとつあった! それは、空に太陽を描くことができる“光明”。実体を失ってもなお失われなかった太陽神の能力。このあたりのくだりは胸に来るものがあるので、ぜひ自身でプレイして確認してほしい。

▲星が足りていない星座に……

▲ちょんちょんっと星を書き足すと……

▲妖怪に封じられていた筆神を解放できた! ちなみにこの咲ノ花神は、枯れ木に丸を描くと花を咲かすことができる

個性あふれる登場人物

この作品は個性的でぶっとんだキャラクターたちが物語を高速回転させてくれる。非常にアグレッシブなキャラクターたちで、ときたま「おいおい」と思うようなことがあるけれど、どこか憎めないキャラクターたちなのだ。プレイを進めながら順次紹介していこうと思う。まずは物語の初めに出てくるふたりを紹介。

イッスンは旅絵師として全国行脚している小さな妖精。アマテラスの使う筆しらべに魅せられ、旅についてくるが、その体の小ささを活かしてサクヤの懐で昼寝するなどやりたい放題。でも旅のアドバイスをくれるよき相棒でもある。筆しらべがうまくいかないときや、ダンジョンの謎に詰まったときに的確なアドバイスをくれる。

▲ちなみにイッスンは虫扱いされると怒る

▲イッスン画のサクヤ。どのぐらいのサイズで描いているのだろうか

神木村の神木”コノハナ”に宿る木精・サクヤは、ヤマタノオロチが復活した世界でアマテラスを蘇らせ、荒廃する世界から神木村を守ったすごい人(精?)。イッスンの扱いもそうだけど、懐の大きさを感じる。いや、変な意味ではなく。

▲ヤマタノオロチが復活し、木の精であるサクヤもただでは済まなかった。世界を救うことをアマテラスに託すと、元の神木の姿に戻ってしまう

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