Interview

【インタビュー】酸欠少女さユり、『Fate/EXTRA Last Encore』ED曲で再び“月”を舞台にした理由。「セイバーたちの姿勢にすごく惹かれる自分がいる」

【インタビュー】酸欠少女さユり、『Fate/EXTRA Last Encore』ED曲で再び“月”を舞台にした理由。「セイバーたちの姿勢にすごく惹かれる自分がいる」

デビュー・シングル「ミカヅキ」(TVアニメ『乱歩奇譚 Game of Laplace』EDテーマ)以降、「それは小さな光のような」(TVアニメ『僕だけがいない街』EDテーマ)「平行線」(TVアニメ『クズの本懐』EDテーマ)とアニメ・タイアップ曲を発表している“酸欠少女”さユり。彼女の最新シングルであり、現在放送中のTVアニメ『Fate/EXTRA Last Encore』のEDテーマとなっている「月と花束」がリリースされる。これまでも彼女がモチーフとして選んできた「月」が舞台となった本作のテーマ曲として、どのような想いで楽曲を作り上げたのか、話を聞いた。

取材・文 / 森 朋之


1stアルバムをリリースしひと区切りついて、次に進むべき新たな場所を探したいなと

2017年は5月にリリースした1stフルアルバム『ミカヅキの 航海』はオリコンウィークリーアルバムチャート3位を記録。多くの音楽ファンに浸透するきっかけとなりましたが、さユりさんにとってはどんなアルバムになったと思いますか?

さユり これまでの集大成というか、デビューからの2年間はもちろん、これまで生きてきた20年間をひとつにまとめたアルバムだと思います。

アルバムを出してみてどうでした?

さユり アルバムまでは自分自身との向き合いの中で音楽を紡いできた気がします。アルバムをリリースして全国ツアーを行ったことで「この後、どうやって進んでいくか?」という思いも生じたというか、次に進むべき新たな場所を探したいなと。その思いは今回のシングル(「月と花束」)に繋がったと思います。「Fate/EXTRA Last Encore」のEDテーマの話をいただいて、曲を作る作業を通して自分自身の思いともシンクロしました。

「セイバーたちの姿勢にどうしてこんなに惹かれるんだろう?」というところから出来たのが「月と花束」

「月と花束」はアニメ『Fate/EXTRA Last Encore』のEDテーマ。アニメの世界観とさユりさん自身の思いがリンクしたということですが?

さユり ストーリーのなかで描かれる必要とする者、必要とされる者の関係から生まれる光を描きたいと思って。サーヴァント・セイバーたちの姿勢にすごく惹かれる自分がいて、“どうしてこんなにも惹かれるんだろう?”というところから出来たのが「月と花束」だったんです。

サーヴァント・セイバーに強く惹きつけられた理由は見えましたか?

さユり 見えてきたと思います。曲を作っているときに考えていたのは「他者との関わりの中で見えるもの」ということなんです。アルバムをリリースして自分と向き合いながら作った曲が遠く離れた人とつながることで“自分は無意味じゃない”と思えてきて。そこで気付いたのは「他者と関わるときも自分と向き合うことが必要なんだ」ということなんですよね。

他者と関わるために自分と向き合うというのは、すごくエネルギーが必要な行為ですよね。

さユり そうなんです。ずっと自分が抱えてきたものを曲にして、それを誰かに共感してもらったり、理解してもらうことで救われてきたんですが、今は「すべてをわかってもらうことをゴールにしてはいけない」と思っていて。

なるほど。さユりさんのデビューシングルは「ミカヅキ」。1stアルバム以降も「月」は大事なモチーフなんですか?

さユり はい。ただ、月に対する見方が変わってきたんです。月はずっと憧れの象徴だったんです。何かが欠けている自分と三日月を重ねたり。でも、月は太陽の光を反射して光っていると思うと、「私自身も周りの方々の思いを反射しているのかもしれない」と思うようになって。「月と花束」を作ったことで、他者との関係性のなかで生きていることの意味がさらに強くなってきたと思います。

私のライブが、自分の強さや生き方と向き合うきっかけになってくれたら嬉しいです

リスナ―と直接対面できる場所といえば、やはりライブ。1月には“リスアニ!LIVE 2018”に出演、5月には“JAPAN JAM 2018”にも出演しますが、ステージに立つことに対する意識も変わってきてますか?

さユり 自分のライブではお客さんと一緒に歌ったり、同じ動きで盛り上がることがほとんどないんですけど、ライブに来てくれる方にも一人ひとりのやり方で楽しんでほしいなって。自分の強さだったり、生き方と向き合うきっかけになってくれたら嬉しいです。

さユりさんも常に1対1で歌っている?

さユり そうですね。それはずっと変わらないし、これからもそういう気持ちで歌いたいです。“リスアニ!LIVE 2018”で武道館に1万人の方が集まっているというのも、当たり前のことではないと思うんです。出演者の皆さんが(リスナーと)心と心で会話して、繋がってきたからこそ、あの場所に1万人の方が集まったんだなって。そのことは忘れないようにしたいですね。

今までにない思いも曲にすることで新しい何かが生まれる気がする

「月と花束」以降のさユりさんの活動も楽しみです。新しい曲も書いてますか?

さユり はい。これまでは、「共感してもらえるんじゃないか?」という意識で曲を書いていたところもあったと思うんですが、今はそれだけではない曲も出来ていて。それを形にすることで、新しい何かが生まれる気がするんです。

楽曲のテイストも広がりそうですね。

さユり これは「月と花束」でも歌っていることなんですが、今までにやっていないことをやろうとすると何かを失うかもしれないですが、新しいものを得られるかもしれない。そこはずっと模索ですね。

最後にもうひとつ。様々な表現方法があるなかで、さユリさんが音楽を選んだのはどうしてなんですか?

さユり 音楽がいちばん合ってるとか、「私には音楽しかない」という感じではなかったんですよね。歌うのはずっと好きでしたけど、すごく下手だったし、曲を作るのが得意というわけでもなかったので。ただ、音楽が自分の居場所だという感覚はずっとあったんです。いつも側にいてくれたし、キラキラ輝いていて。それを追いかけているような感じなのかもしれないですね、もしかしたら。だから、こうやって音楽をやっていることにビックリしてるんですよ(笑)。歌手って言われるのも不思議だなって。今の状況は奇跡に近いし、すごく素敵なことだなって思います。

関連リンク

さユり「月と花束」特設サイト

さユり オフィシャルサイト

『Fate/EXTRA Last Encore』オフィシャルサイト