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『ドラゴンファングZ』リアルガチ&マジすぎるローグライクゲームの魅力

『ドラゴンファングZ』リアルガチ&マジすぎるローグライクゲームの魅力

いま、Nintendo Switch™が熱い。その熱さのひとつは、何と言ってもインディーゲームの豊富さだ。良質インディーが新旧問わず、たくさん配信されている。ぶっちゃけ、ニンテンドーeショップをぼんやりと眺めてウインドウショッピングしてるだけでも楽しい。『ドラゴンファングZ 竜者ロゼと宿り木の迷宮』(以下、『ドラゴンファングZ』)を買ったのも、いつものようになんとなくニンテンドーeショップをチェックしていたときだった。「スマホで出ていたゲームだっけ?」くらいの印象だったのだが、何だか無性にローグライクゲームを遊びたい心境だった筆者は、本能の赴くままにポチった。仕事の忙しさもあってしばらく触れなかったのだが、1月某日、「今日はNintendo Switch™のデジタル積みゲーを消化しよう!」と思い立ち、最初に遊んだのが『ドラゴンファングZ』だった。結果、この日は『ドラゴンファングZ』を遊ぶだけの一日となってしまい、他の積みゲーにまったく手をつけられないほど夢中になってしまった。配信から2ヵ月経った今も本作の後味が忘れられない。今回は、筆者を虜にした理由を語ってみたいと思う。

文 / 松井ムネタツ


そもそもローグライクゲームって何? の復習

同じくNintendo Switch™で発売されているローグライクゲームについて、以前もアレコレ書いているのだが、今一度その魅力について説明しておくと、個人的には以下に集約されると思っている。

「遊ぶたびにどんどんうまくなっていく俺、かっこいい!」

ローグライクゲームはジャンルとしてはRPGなのだが、ダンジョンに潜るときはいつもレベル1からスタートする。武器もアイテムも何も持ってないので、すべてダンジョンで調達しながら進んでいく。

最初のうちは地下3階くらいでゲームオーバーになってしまうのだが、やり込んでいくうちにコツがわかってくる。この行程がじつに楽しい。筆者がローグライクゲームを好きなポイントはまさにココだ。アイテムは惜しまず使ったほうがいいとか、一歩一歩慎重に行きつつ、ときには大胆に攻めるとか、モンスターに囲まれたときの対処法は……とかとか、プレイヤー自身に経験値が貯まってどんどん奥まで進めるようになっていくあの感覚。これこそが「俺、かっこいい!」の部分と言えよう。

▲『ドラゴンファングZ』は、王道のローグライクゲームだ

スマホゲームとして展開が始まった『ドラゴンファング』

では、『ドラゴンファングZ』はそのあたりどうなのか。本作は前述のとおり、オリジナルはスマートフォンで配信されている『ドラゴンファング ~竜者ドランと時の迷宮~』(以下、『ドラゴンファング』)だ。2014年に配信され、200万ダウンロードを突破したスマッシュヒットタイトルである。いわゆる基本無料のアイテム課金タイプで、ローグライクゲームでありながらもスマホゲームらしい作りになっている。

▲スマートフォン版『ドラゴンファング』は縦画面。ワンタッチ操作で快適に遊べる

たとえば、ファングシステム。モンスターの能力を牙に封じ込めたものを“ファング”といい、プレイヤーはこれを3つ装備することができる。入手方法はモンスターを倒してゲットすることもあれば、ガチャで引くことも可能だ。ファングは合成させて強化させることができ、属性があってそれが三竦みになっている。

▲ガチャを引いているところ。SR以上が出れば、そりゃうれしいよね!

ここまで説明すれば、「はいはい、スマホゲームのアレね!」と理解してもらえるだろう。自動生成ダンジョンでモンスターやアイテムがランダムという部分でいえば確かにローグライクゲームだが、全体的な作りは当然のことながらいまどきのスマホゲーだ。ファング育成の楽しさと、ゲームテイストとしての”ローグライクゲーム”がちょうどいい具合にミックスされている。

Nintendo Switch™版は容赦なく本気でローグライク!

そんな『ドラゴンファング』が『ドラゴンファングZ』としてNintendo Switch™タイトルで発売された。オリジナルのスマホ版のゲーム性や、Nintendo Switch™というプラットフォームから考えて、「難度低めのお手軽ローグライクなのかな?」なんて思っていた。ら……これが大間違い。びっくりするほど容赦なしのリアルガチなローグライクゲームだった。

▲見た目はオーソドックスなローグライクゲームだが、中身もオーソドックスゆえに本気な作り

昨今、コンシューマで展開されているローグライクゲームは、“本作で初めてこのジャンルを遊ぶ人向けに”と、比較的やさしめのものが多い。たとえば、『ポケモン 不思議のダンジョン』シリーズはダンジョンの中で倒されたあともレベルが引き継がれていくので、レベルを上げるために何度も潜っていればゴリ押しプレイも可能となる。『不思議の幻想郷TOD-RELOADED-』はレベルこそ1に戻されるものの、アイテムはそのまま引き継ぎとなるので初心者でもかなり遊びやすくなっている。

「初めてローグライクゲームをやりまーす!」なんていう人にはそのほうが親切なのかもしれない。だが、それこそ80年代にパソコン版『Rogue』から遊び続けて、ムダにコアなおっさんゲーマーからすれば、やはり物足りなさがある。なんていうか、手取り足取りすぎるんだよね。もうこの際だからはっきり言ってしまうと、もっといじめてほしいのだ。どうせゲーマーはみんなMなんだから、もっと「女王様、こんなの無理ですっ……」という体験をしたいのである。

▲やり込み要素のひとつに“妖精の箱庭”という”詰めドラゴンファング”が用意されている。全50問すべて解ければ怖い物なし!?

『ドラゴンファングZ』はそのあたりがマジでガチ。ダンジョンで倒されればレベルは1に戻されるし、アイテムもすっからかんだ。いまのご時世、ここまで振り切ってしまうのはなかなか勇気がいることだと思うので、まずそこに感動した。そんなガチでありながら、いくつもの新機軸を取り入れてさらに遊び応えのある内容にしているのだから、本当に恐れ入る。

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