ハンサムクリエイター・中道慶謙が『Last Standard』に仕掛けた野望  vol. 5

Interview

『Last Standard』を生み出したI From Japanの秘密

『Last Standard』を生み出したI From Japanの秘密

中道氏の語るI From Japanの素顔

このオフィスの中で、スタッフはどのように日々を過ごしているのか。I From Japanの日常について、中道氏に話を伺った。 

業務時間はどのようになっていますか?

中道 だいたい適当で、9時から10時ぐらいにみんなバラバラに来ますね。みんな作業環境が家にはないので、ここじゃないと何もできないんですよ。 

就業日としては月曜から金曜まで働く、というような形でしょうか?

中道 土日もいます。もう遊んでる感覚ですね。夜も遅いときだと1時ぐらいまでやっていることがあります。 

その間もずっとデスクにいるのですか?

中道 ずっといます。おかげで腰が……。モーションキャプチャーだけが運動ですね(笑)。 

勤怠管理はかなり緩めなんですね。

中道 何か用事があるときは、前日かその日の朝までに連絡をもらってます。ただ、デバッグ作業で4人必要なときなんかは、「明日から一週間この作業やるから予定空けといて」みたいにしてます。 

会社として人を集めるような形ではなく、学生時代の同級生が集まったメンバーだからできることですね。

中道 そうですね、もともとが「メッチャおもろいゲームを作ろう!」ぐらいの感じでした。だから新しい人の採用とかも難しくて、別枠でやる感じになりそうです。僕ら自身が「会社を大きくしよう!」という気が全然ないので……。ゲームを作るぶんには3Dモデルだったりいろいろ必要なんですが、それが今のところ足りているというのもあります。 

自分たちだけでまかなえているだけに追加採用が難しい状況ですね。中道さん以外のスタッフの方は、ゲーム製作の経験はあったのでしょうか?

中道 最初はみんな素人だったので、一から勉強しました。「これが足りひんからこれやって」みたいな感じで、ひと通り足りるように学んでいった感じです。たとえばモーション担当の子で言うと、もともと映像の演出とかアクターの動きとかを学んでいたんです。それでいざゲームを作ろうということになったとき、彼ならモーションを作ることができるかな、ということで担当してもらいました。

▲モーション担当スタッフのデスクには、アニメの絵コンテ集をはじめ、動きや演出について書かれた参考書が複数並んでいた。インディーゲームの現場では技術を継承してくれる先達が居ないため、自学自習が基本になる

▲言語学担当スタッフのデスクには、『文章心理学』という本が。中道氏によれば、「このジャンルで会社に置いてある書籍は、ほぼこの本ぐらい」とのこと。それ以外の資料などは、データ化していて現物を置いていないそうだ

そのほかのスタッフはどうでしたか?

中道 同じように3Dモデルの子も最初は美術が好きで絵を描いていて、このゲーム以前に3DCGソフトの使用経験はありませんでしたが、3Dモデルも担当したいという意気込みを見せてくれたので、担当してもらいました。ただ、ガチのイラストレーターはいないんですよ。ぼくらもみんな、キャラとかよりもゲームの面白さを見ちゃっていて……。触ろうって気持ちにさせてくれるファーストインプレッションのためには、必要かもしれないですね。 

I From Japanは、最初から技術を持った人間を集めたのではなく、学生時代の同級生が集まって構成された組織だ。もともとは素人に過ぎなかった彼らが、それぞれが自分にできることを考え、技術を学んでいった結果として、今ではゲームを作るのに過不足のない状況を作り上げている。自分たちでやれることをやリ続けていれば、環境の差は埋めることができるのだ。

前述の通り、スタッフは皆「メッチャおもろいゲームを作ろう!」という思いのもとに集まっている。ゲームが好きだからこそ、おもしろいゲームを作ることに全力を傾けられる。この情熱こそが、インディーゲームを開発するために最も必要なものなのかもしれない。

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