Interview

玉城裕規がスイートに語る──畠中恵 原作舞台『若様組まいる~アイスクリン強し~』。甘くほろ苦い役者という生き物について

玉城裕規がスイートに語る──畠中恵 原作舞台『若様組まいる~アイスクリン強し~』。甘くほろ苦い役者という生き物について

シリーズ累計800万部を超える『しゃばけ』シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞している小説家、畠中恵の人気小説『アイスクリン強し』(講談社文庫刊)の舞台化が4月に決定した。それだけで心踊るのはなぜ!? というのも、この前日譚の舞台『若様組まいる』は2016年8月に銀河劇場で上演され、ポップでカラフルな作品性で好評を博し、続編が期待されていたからだ。
今回の舞台『若様組まいる~アイスクリン強し~』は1890年の築地を舞台に、駆け出しの西洋菓子職人の〈皆川真次郎〉と旧旗本出身の警官たち〈若様組〉らが繰り広げる、ドタバタあり&笑いあり&泣きありの“スイーツ文明開化”物語で、観客満足度NO.1と呼び声も高い「拙者ムニエル」主宰の村上大樹が演出と脚本を務める。
エンタメステーションでは、皆川真次郎役の玉城裕規に今作への意気込みや自身の役者としての“秘訣”を聞いた。彼の甘く、時にビターな言葉を味わって欲しい。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 増田慶


原作はページをめくるごとにワクワクして飽きることがなかった

本作は『しゃばけ』だけではなく数々の大ヒット作を世に送り出している小説家・畠中恵さんの『アイスクリン強し』が原作です。まずは、原作をお読みになられた感想を教えてください。

明治時代を生きるパティシエの皆川真次郎のお話で、時代は違いますが、共感できる部分は多かったですね。どこか達観している性格が似ていて、若様組との熱い人間関係も読み応えがありますし、現代のような激動の時代の中で自分だったらどうするだろうと思わず感情移入しながら一気呵成に読みました。とある手紙が、皆川が開いた西洋菓子店の風琴屋に届いて事件が始まるのですが、ページをめくるごとにワクワクして飽きることがなかったですね。

玉城さんが演じられる皆川真次郎はどんな人物だと思いますか。

皆川真次郎は、1890年の当時には珍しい西洋菓子のお店を個人で立ち上げます。最初はなかなか認知されず、注文販売しかできなかった。しかし次第に、直接お客様に販売をしたいという想いが強くなり、西洋菓子を広めようと様々な試行錯誤をします。彼はパティシエでスイーツを作るという優しくて柔らかいイメージがありますが、射撃の名手であったり、意思が強かったり、キレたら怖いという印象もありますね。ただ、恋愛や、自分の目標以外では鈍感な人なのかなとも感じました。

ご自身と似ているところはありますか?

まさに鈍感なところですね(笑)。

前作の舞台『若様組まいる』をご覧になったそうですね。

ザッツ・エンターテインメントでした。原作がしっかりしていますから、スリリングに舞台は進行していくのですが、華やかに見せるだけではなく、しっかりしたストーリーの軸があり、最後にどんでん返しがあって、とても感動しました。大変良くできた舞台で、出演している役者は役者冥利に尽きると思いながらカーテンコールで拍手をしていました。

今作では、脚本・演出は村上大樹さんになりますね。

初めて一緒にタッグを組みますし、自分にはない価値観や刺激をくれるだろうからお会いするのが楽しみですね。

今作では座長ですが、座組みをどのように引っ張っていこうと思っていますか?

前作に引き続いて出演される役者もいらっしゃるので、そこはスイーツのように甘えたい(笑)。と、それは冗談で、言葉や態度で引っ張ることはこれまで考えたことがないんですよ。自分が座組みの中で一番稽古に励んで、みんなに見てもらって何かを感じてもらえたらと思います。

粟根まことさんや小野寺ずるさんなど個性的な役者もたくさん出演されますね。

まずは、尊敬している粟根さんとご一緒できるのが嬉しいです。『abc☆赤坂ボーイズキャバレー』(2012年)以来、6年ぶりですね。伊藤裕一さんとは、舞台『ONLY SILVER FISH』(2018年)で共演して、役づくりが丁寧でとても勉強になりました。鎌苅健太さんはお酒の席でお会いしたことがあるのですが、初共演なので楽しみです。

以前共演された大先輩の粟根さんから何か影響を受けたことはありますか?

粟根さんは稽古中、若手が発散している熱量よりもさらに上を行くパワーだったんです! それが衝撃的で、若手として負けてはいけないと奮い立ちましたね。一回の稽古や返し稽古にも手を抜かず、いい意味で隙のない方だと思いました。舞台はひとりの力じゃ成立しないので、今作は1000パーセント頼ると思います(笑)。

最近は原作に影響を受けて実際にスイーツを作られているそうですね。

実は……野菜炒めです。

え!? スイーツじゃないんですね(笑)。

まずは簡単なところから始めていますよ(笑)。

俳優へのきっかけは行定勲監督の映画『GO』だった

では、ここからは玉城ヒストリーを(笑)。沖縄県生まれで、育ちも沖縄なんですね。ちなみにご兄弟はいらっしゃるんですか?

ひとりっ子ですが、母は5人姉妹でした。だから、たくさんの“いとこ”がいるんですよ。夕飯は、おじい(祖父)とおばあ(祖母)の家に子供たちみんなで集まってワイワイと食べていましたね。いつも一緒にいるから兄弟みたいなものですね。

それだけ子供たちが集まれば、まさにスイーツ、お菓子の取り合いもあったのでしょうね。

“いとこ”の中で一番の年下でしたが、有無を言わさず、奪い去っていました(笑)。それは半分冗談ですが、よくみんなで、サーターアンダーギー、ちんすこう、沖縄に一般的にある“ブルーシールアイスクリーム”というお店のアイスクリームを食べていました。美味しかったですね。

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