黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 28

Column

Nintendo Labo だけじゃない!任天堂が挑戦し続ける「遊びの革新」の歴史

Nintendo Labo だけじゃない!任天堂が挑戦し続ける「遊びの革新」の歴史

挑戦し続ける任天堂を貫く経営哲学と人生観

故 山内溥社長は数多くの名言を遺しています。

「娯楽は無くても死なないし困らない。だから、飽きる。体験したことの無い遊びの楽しさこそが、娯楽の原点で、任天堂は常に新しい遊びを提案していく」

この言葉には130年以上続く老舗の娯楽企業としての生き方が暗示されているように感じます。

「結局ね。ユーザーと言うのはすぐに飽きるんです。最初は目新しく、みんなが飛び乗ったんです。しかし、ユーザーというのは、すぐに飽きますから。」

この言葉からも、かるたの時代、おもちゃの時代、テレビゲームの時代と移り変わる時代ごとに浴びたユーザーの注目の高さと、飽きの速さを物語っていると思います。

「日本ではブームに乗ったと思ったら執着しない方が良い。それはもう売れなくなるという意味だと受け止めるべきで、善後策を立てておかないと手痛い目に逢う。一つの価値観や目先の目標に捉われないことこそ大切。」

ヒット商品が出ても、大きな負債を抱えたり、波のある経営を経験してきた山内氏らしい考えですね。まるで、相場師のような価値観です。

山内家以外から初めて社長に就任した、故・岩田聡社長も同様に数多くの名言を遺しています。

「80年代の初期って、いろんな会社がテレビゲーム機を出していたんですよ。83年がファミコンなので、私は1983年は社会人になって2年目で、任天堂の人ではなかったんです。外部にいた小さいなソフト開発会社で、そこで「任天堂が面白い機械を出す」って聞いて、任天堂に訪ねて行って。「僕はファミコンのプログラムが作れると思うから、ファミコンのプログラムを作らせてください。」って言いに行ったんです。」

ハル研究所入社2年目でこの行動力には驚かされます。すでに技術と知識はあったそうですが、20代でここまで大胆に行動する人は稀でしょう。

「私の名刺には社長と書かれていますが、頭の中はゲーム開発者です。しかし、心はゲーマーです。」

これは有名な岩田氏の名言ですが、この言葉を称賛したのは、世界中の開発者とゲームユーザーでした。

「社長はもうゲームを作らないんですか?」という問いに対して。

「いや、作れる時間があったら、結構作りたいんですけど。今は、私が社長業そっちのけでそれをすると色々な人に迷惑が掛かるんで、我慢している」

きっと今頃、天国で思いっきりプログラムを組んで楽しんでいるのではないでしょうか。

君島社長体制になって3年目。あまりメディアへの露出はありませんが、現在の成長、成功路線を進む君島社長からはどんな名言が出るのでしょうか。楽しみです。
今後も任天堂の経営や経営者の哲学については目が離せません。

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