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『マリオ+ラビッツ』本格戦略SLGになったマリオの魅力とは

『マリオ+ラビッツ』本格戦略SLGになったマリオの魅力とは

昨年のゲームシーンを席巻した新ハード、Nintendo Switch。その爆発的な人気を支えた要因のひとつが、任天堂による大作ソフトの大量リリースです。ハードと同時に発売された『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』からはじまり、その後も『マリオカート8 デラックス』、『スプラトゥーン2』、『スーパーマリオ オデッセイ』、『ゼノブレイド2』と人気シリーズの最新作を次々に投入。ゲームファンを飽きさせないどころか、「遊ぶ時間が足りない」と嬉しい悲鳴を挙げさせるほどの1年となりました。

そんな任天堂が2018年最初のタイトルとして送り込んできたのが、1月18日に発売されたNintendo Switch用ソフト『マリオ+ラビッツ キングダムバトル』(以下、『マリオ+ラビッツ』)です。

本作はおなじみのキャラクターたちが武器を手にターン制バトルをくり広げるという、マリオシリーズとしては異色の作品。そのゲーム性に対する評価は高く、先行して発売された諸外国ではすでに100万本以上を売り上げる大ヒット。国内での売れ行きも好調です。

とはいえ、日本では馴染みの薄いジャンルであることも事実。戦略シミュレーションゲームと聞いた時点で敬遠してしまっている人も少なくないでしょう。しかし本作は、本格的な戦略シミュレーションゲームでありながら、『マリオ』シリーズらしさの見える親切で遊びやすい作り。戦略シミュレーション愛好者はもちろんのこと、まったくの初心者でも安心して楽しめる作品となっています。今回は本作をこれから遊ぶ人のために、『マリオ+ラビッツ』のイチオシポイントを見ていきましょう。

文 / 大工廻朝薫(SPB15)


『マリオ+ラビッツ』とは?

まず気になるのが、タイトルにもある“ラビッツ”という存在。実は本作、発売元こそ任天堂ですが、開発を担当しているのは『アサシンクリード』シリーズや『レインボーシックス:シージ』で知られるフランスのメーカー、ユービーアイソフト。ラビッツとは、同社のアクションゲーム『レイマン』シリーズに登場する人気キャラクターの名前なのです。

洗濯機型タイムマシーンを使ってさまざまな場所に出没するラビッツですが、本作冒頭ではとある発明家の部屋に忍び込んで大はしゃぎ。そこで“スーパーマージ”という、ふたつの物体を合成する力を持ったゴーグルを発見します。

▲今回の騒動の元凶となる力、スーパーマージ。このゴーグルを使えば、ふたつのものをひとつに合成することができます

1匹のラビッツがゴーグルを使っていたずらをくり返していたところ、それがきっかけでタイムマシーンが暴走。ラビッツたちは時空を超え、マリオたちのいるキノコ王国へと転移させられてしまいます。その影響でゴーグルもまた暴走をはじめ、世界を様変わりさせてしまいます。

▲ゴーグルが放つ不思議な光を浴びたラビッツは、絵筆やバネなどさまざまなものと合成されてしまい、操られたかのようにマリオたちを襲ってきます

たまたまその現場に居合わせたマリオは、暴走を食い止めて世界を救うため、ゴーグルを着けたラビッツを探してキノコ王国中を探し回ることになります。

▲序盤はひょんなことから同行することになったラビッツピーチ、ラビッツルイージとともに冒険をスタート。ゲームを進めていくといつもの仲間たちや、新たなラビッツもパーティーに加わります

とぼけた表情のラビッツピーチやラビッツルイージですが、戦闘では頼れる存在。プレイしていると次第にそれぞれの個性も見えてきて、自然と愛着が湧いてきます。

遊ぶほどに個性が見えてくるのは、攻撃をしかけてくる敵ラビッツも同様です。最初は憎たらしく思うかもしれませんが、生き生きと動きまわる彼らの姿を見ているうちに、だんだんと愛らしさも見えてくるもの。これまでラビッツを知らなかった人でも、その魅力を発見し、心ゆくまでたっぷりと味わえるゲームとなっています。

いつもとはちょっとちがう世界を楽しむ

冒頭でも述べましたが、本作はいつもの『マリオ』シリーズとは異なる“シミュレーションアドベンチャー”というジャンル。マリオと仲間たちはピーチ城を中心に、さまざまなワールドを旅することになります。

▲さまざまなワールドへとつながるピーチ城。その敷地には、ラビッツたちによってさまざまな施設が建設されています

ゲームは大きく分けると、マップを自由に歩き回る探索パート、および行く手を阻む敵とターン制で交互に行動して戦うバトルパートのふたつに分かれています。探索パートではコインを集めたり、アイテムの入った宝箱を探したりしながらフィールドを巡ることになります。

▲探索パートでプレイヤーが操作するのは、ウサギの耳が付いたロボット掃除機のようなキャラクター“ビーポ”。バトルメンバーがそのあとについて回ります

宝箱からはバトルで使用できる武器、スキル育成に使用できるパワーオーブのほか、美麗なイラストやフィギュアなどが出てくることも。これらは“ミュージアム”にて閲覧することができます。『マリオ+ラビッツ』の独特な世界設定をより深く味わいたい人は、こうした観賞用のアイテムをいろいろ探してみるのもいいでしょう。

▲ゲーム中では動き回ってじっくりと見られない3Dモデルも、フィギュアとして入手すれば好きなように眺めることが可能です

探索するフィールドの各所には、シリーズでおなじみの土管をはじめ、さまざまな仕掛けが隠されています。操作方法は変わっても、こうした仕掛けを攻略していく楽しみは『マリオ』シリーズそのもの。探索パートもただのバトルのつなぎでなく、いつものような感覚で楽しむことができます。

▲土管に入ると、その先には隠し部屋が。土管の見た目は少し違うものの、マリオシリーズ伝統のギミックは健在です

上の画像を見ればわかる通り、本作では土管もラビッツ仕様。さらに世界のあちこちでラビッツたちが遊び回り、ひと味違った雰囲気になっています。

▲ジャングルを進んでいると突然あらわれる、謎の汚れた巨大便器。『マリオ』シリーズらしからぬ要素も、ラビッツたちがいる本作の世界設定においては違和感なく存在することができます

ラビッツとのコラボレーションが生み出した、新たな世界設定を見て回る旅も探索パートの楽しみのひとつ。これまでになかった感覚で楽しめる作品となっています。

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