Interview

KEYTALKがバンドに新たな色を加え、シーンに大きな虹をかける。彼ららしいロックアルバムの傑作『Rainbow』完成!

KEYTALKがバンドに新たな色を加え、シーンに大きな虹をかける。彼ららしいロックアルバムの傑作『Rainbow』完成!

おお、かっけー! 先行シングル「ロトカ・ヴォルテラ」を含む冒頭3曲の強烈なインパクトに、思わず声が出る。KEYTALKのおよそ1年ぶりの5thアルバム『Rainbow』は、気迫みなぎる決意のロックチューンで幕を開け、暗闇から光へ、モノトーンからレインボーカラーへと輝きを増しながら、ラストチューン「FLOWER」で描く完璧な優しい世界へと至る、研ぎ澄まされた全12曲。もっと遠くへ、もっと多くの人へ。変わりつつあるバンドの目標と現在位置について、4人の本音を聞いてみた。

取材・文 / 宮本英夫 撮影 / 冨田望

アルバム全体を通して、歌詞にも注目してもらえたら

今回は収録曲が12曲で、前作『PARADISE』より5曲減りましたね。というか、前が多すぎたという。

八木優樹 多すぎましたね(笑)。

小野武正 前回はアルバムの間隔が空いていたので、その間のシングルを全部入れた結果、ああなったというだけで。今回は12曲ぐらいの、通常の形のアルバムにしたいという話のもと、みんなからデモを集めて、選曲しました。

首藤義勝(vocal, bass)

今作『Rainbow』は、アルバム全体で統一性を感じるんですよね。一枚のアルバムとして、何かテーマはあったんですか?

首藤義勝 ないんですけど、まずポイントになるのが1、2曲目で。直近のシングルで「ロトカ・ヴォルテラ」を作って、あのモードのまま作った曲なので、“勢い、暗い、速い、ポップ”みたいな、そういう流れは自分の中にはありました。シンプルにロックとしてかっこいいものって、好き嫌いされづらいと思うんですよね。そこを入り口にしてもらって、後半に行くにしたがっていろんな曲が入ってるんで、流れで聴いてもらえたらありがたいなと思います。

前作の『PARADISE』は、おもちゃ箱みたいににぎやかなアルバムだったから。今回はソリッドなロックアルバムという感じがする。巨匠は、今回のアルバムについては?

寺中友将 前回だと1曲目が「Summer Venus」で、ライヴで披露したときにお客さんがどんな反応をするのかって、見えないところが多かったんですよ、リリースしてからライヴまでに。でも今回は、特に最初の3曲なんて「かっこいい!」って必ずみんなが言ってくれるものになっていると思うし、一曲一曲わかりやすいというか、意図がはっきりしている、ストレートな一枚になったと思っています。

小野 アルバムとして、最初から最後まで聴きやすいですし、KEYTALKの魅力をぎゅっと詰め込めたんじゃないかなと。聴き応えがあって、良いものが出来たと思います。

寺中友将(vocal, guitar)

「雨宿り」のギター、最高ですよ、あとで触れますけども。で、八木くんは?

八木 今まで知ってくれている人からしたら、1曲目から「お?」っていう引っ掛かりを感じてもらえる作品になったと思います。そのあとはバラエティ豊かに、だんだん明るくなって、最後はあったかい曲で終わる。起承転結のある、いいアルバムが出来たなと思います。個人的に、今までのアルバムの中で一番自分で聴いてるアルバムです。ずっと集中して聴くのもいいんですけど、朝起きたときにさっとかけるとか、寝るときにかけて寝るとか、そういうことができるアルバムだなって思います。理由はわかんないですけど。

ここから、個別面談したいんですけどね。義勝くんは、曲もいいけど、詞がすごくいいと思う。例えば「ワルシャワ」「ザナドゥ」とか、「ロトカ・ヴォルテラ」「nayuta」とか、どこか幻想的な、物語性を感じるタイトルやワードがぐっと増えて、イマジネーションが刺激されるんですよ。特に今回、そういう物語性を意識して詞を書いたのかな?と。

首藤 そうですね。スピリチュアル方面に行きたいとか、そういうわけではないんですけど。今回は、物語を書くことに徹しようと思ったので、今まで以上に舞台設定を明確にしてから書くようにしました。何の歌かを説明しやすいように。

そうしようと思ったのは、何かきっかけが?

首藤 人の背中を押すような、メッセージが含まれている曲って、巨匠が書いて歌ったときにすごいグッとくるなって、前から思っていて。同じ軸で競ってもしょうがないというか、勝てないというか……。

俺には「Oh!En!Ka!」は書けない、と。

首藤 そう。だったら、もともと好きでもある物語を僕は書こうと思って、そういうモードですね。アルバム全体を通して、今まで以上にちゃんと考えた歌詞が書けたなと思うので、歌詞にもちょっと注目してもらえたらと思います。

小野武正(guitar, mc, chorus)

「セツナユメミシ」から「nayuta」に繋がる流れも面白くて意味深。刹那(時間の最小単位)から那由他(極めて大きい数)だから。

首藤 それは偶然なんですけど、『境界のRINNE』に書き下した「セツナユメミシ」があって、「nayuta」も輪廻転生をテーマにした曲なので。好みが出ましたね。

寺中 逆に僕は、その世界に連れて行ってくれる物語が、なかなか書けなかったりするんで。物語を書けたほうが絶対モテると思うんで、うらやましいっす!

首藤 いやいや。背中を押せたほうがモテると思う。

寺中 いやいや。背中を押した人は、先に進んで行っちゃうから。

八木 自分はそこにとどまる?

寺中 うん。「行ったか」みたいな(笑)。

八木優樹(drums, chorus)

つねに見送る側、と(笑)。そういう、2人のメインソングライターの個性がくっきりと出てきたのは、リスナーとして非常に楽しいです。

寺中 特に「旅立ちのメロディ」は、そうですね。前作の『PARADISE』に収録されている「ミルクティーは恋の味」という楽曲を、初めて横浜アリーナで披露させてもらったときに、それ用の映像を作っていただいて、それを流しながら歌うという演出があったんですけど。リハーサルのときに客席から見てたんですよ。まさにそのときに「歌詞って別世界に連れて行ってくれるんだな」ということを、もともと思っていたことではあるんですけど、こんなに入り込んでいけるものなんだなって、すごく感じたので。そういう歌詞が書けたら素晴らしいなという想いが頭の中にずっと残っていて、もしかして今までで一番、集中して歌詞を書いた曲かもしれない。

「旅立ちのメロディ」が。

寺中 はい。何回か書き直したし、レコーディング中にもプロデューサーのNARASAKIさんと話し合って、ここまで持っていけた楽曲ですね。

そんな曲が「カロリーメイト」のキャンペーンソングになって、たくさんの人に聴かれているという。

寺中 そうですね。ありがたいです。

走っている曲が多いでしょう。「ミッドナイトハイウェイ」「Rainbow Road」とか。「旅立ちのメロディ」も、未来に向けて踏み出す曲だし。やっぱり巨匠は、背中を押したいのかな。

寺中 それはありますね。最近はリリースごとに、お渡し会っていうイベントをやらせてもらっているんですけど、そこで直接お客さんの声が聞けるなかで、「『Oh!En!Ka!』で元気をもらいました」とか、そういう話をしてもらえるのがすごく嬉しくて。歌ってる意味があるなって感じることが、最近よくあるので、そういう曲をどんどん作っていきたいという気持ちがありますね。

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