Interview

THE BEAT GARDEN 充実のニュー・シングルを完成させて再加速モードに入った、その現在地を訊く

THE BEAT GARDEN 充実のニュー・シングルを完成させて再加速モードに入った、その現在地を訊く

チカラのあるメロディと歌詞、それを届けるまっすぐな歌声、シンプルなサウンド。ニュー・シングル「僕がいる未来」は、明らかにこれまでのTHE BEAT GARDENと感触が違う。しかしどこの角度からどう聴いても、THE BEAT GARDENなのだ。名刺代わりのアルバム『I’m』に詰め込んだ、思いきりライブを楽しむためのあれやこれやそれや(音楽的実験と研究と挑戦、心と体を揺らすビートに、言葉遊びに、ユーモアに……)をすべて血肉にして、彼らは力強い足取りで次のステップへと進もうとしている。

取材・文 / 山本祥子 撮影 / 高木博史

今はもう一回スピードを上げようっていうモードに切り替わって、すごく楽しいんです。

アルバム『I’m』から7ヵ月。それまで生き急ぐかのようなスピードでリリースをされていたので、少し間が開いた気すらします。

U 確かに。当時は生き急いでましたよね。

7ヵ月前は「当時」という感覚ですか?

U だいぶ昔のことのような感覚で。アルバム以降、ゆっくりしていたわけじゃないんですけど、メジャーのスピードにも目が慣れて、やるべきことが見極められるようになってきたというか。個々ではもちろん、THE BEAT GARDENとしても、1個1個のライブを詰めていけて、曲も丁寧に育てられるようになっていて。なので今はもう一回スピードを上げようっていうモードに切り替わって、すごく楽しいんです。

U(vo)

ライブを意識したアルバムのツアーの模様が、今作の初回盤の特典DVDになったということは、相当手応えがあったんだなと睨んでいて。

一同 あははははは。間違いないです!

そこで得たもの、そのあとの時間で見えたやるべきことが、「僕がいる未来」という曲には詰まっていそうですよね。

U まさしく。ライブでお客さんと跳んだり、踊ったり、一緒に汗をかきたい!と思って作った『I’m』の世界をワンマン・ライブでしっかり表現できて、そしたらちゃんと歌を届けたいって気持ちが強く芽生えてきて。じゃあ歌を届けるためには何が必要で、どういったことをしていけばいいのか考える数ヶ月を経て、この曲を発表するという感じですね。

MASATO 楽しい!って言ってくださるお客さんが本当に増えて、逆にそれだけでは終わらせたくないと感じた。心に残る音楽が届けられればいいなっていうのが、この曲を出すに至る4人の衝動だったと思います。

REI 他のアーティストさんのライブを観に行っても、縦ノリの曲より、意外とその人が発する言葉や声から伝わるメッセージみたいなものにグッときて。僕らがもっと学んでいかないといけない部分だなって痛感したというか。

 「僕がいる未来」はイヤフォンでもライブでも楽しめる曲だから、聴いてくれる人の幅がグッと広がるだろうなって思ってるんです。

具体的に、「僕がいる未来」はどういうふうに作っていったのでしょう?

U まずリリースが3月に決まったので、春をテーマに20曲くらいかな、メロディを作って。それを4人で聴いて、4曲に絞ったところでREIがトラックを、僕は歌詞を書き始めて。で、「僕がいる未来」の元になるメロディが一番いいねっていうふうになって、みんなで本格的に作り出したんです。

REI メロディについて言うと、THE BEAT GARDENはメロがギュッと詰まってる曲が多いよなぁと思っていたら、Uさんが「メロを抜いてみるのもいいんじゃない? 泣けたり、笑えたり、心にスッと入ってくるフレーズっていうのは、実はそういう隙間だったりするかもよ」って言ってくれて。敢えて空間を作ることで印象づけたり、より伝えられるフックになったんじゃないかなと思います。

トラック制作に関してはどうでしたか?

REI トラックは未来とか光みたいなものをイメージして、サウンドに落とし込んでいった感じですね。

結果というか、届けたい想いがイントロから伝わってきて。そのあとも歌に寄り添いつつ、曲と一緒に広がっていくサウンドになっていて。

REI 嬉しいなぁ。この曲のリリースを発表したときに、ファンのみんながすごく喜んでくれたんですよ。インストアを廻っていても、普段のライブではあまり行けない場所のお客さんがみんな、この曲を好きだって言ってくれるから、今回のチャレンジはやっぱり正しかったんだって日々実感しているんです。

REI(vo)

ボーカルもまた、声の温度感だったり、声量の強弱とか、ビブラートの利かせ方とか、そういう全部で見えてくる景色があって。特にMASATOさんが歌うBメロの〈羨ましく思い出す〉は、ヘッドフォンで聴くととっても羨ましそうでした。

MASATO 本当ですか? オッシャー!

U オッシャー、オッシャャャー!!!!!

MASATO ええっ?!

まぁその前のUさんのフレーズがあってこそのね(微笑)。

U いや、そうっすよ。僕あってのMASATOですから。俺らはもう言うことないな(笑)。

いやいやいや。こういう意識で歌入れに臨んだとか、いろいろ聞かせてください。

SATORU 今言われたBメロは、MASATOくんにしか出せない色気や優しさが表現されていて。これはレコーディング中に何回も言ったよね。レコーディングが終わってからも言ってるもんね、めちゃくちゃいい!って。

MASATO うん(照)。僕は今回、確かに歌い方を変えてて。この曲みたいな心境の人ってたくさんいると思いますし、僕らも通ってきた道なので、素直に歌いたかったんですよね。特に僕のパートは言葉数少なめだから、つい飾り付けをしたがる自分がいたんですけど。歌詞を噛み砕いてるうちにそうじゃないんだと気づいて、レコーディングではただただストレートに。ある程度のカタチは決めつつ、ビブラートとか、息継ぎとか、偶然の産物も良しとして歌いました。

REI 僕も歌詞の感情とか、それに対する自分の想いをより込めて、だけど熱くなりすぎないように、情景を思い浮かべながらレコーディングに挑んでいて。だから今までのTHE BEAT GARDENの歌とはニュアンスが違うというか、より一層届けたい意識をフューチャーして歌った感じです。

U 究極を言うと、中島みゆきさんの「糸」って誰が歌ってもいい曲じゃないですか。言葉やメロディにチカラがあれば、まっすぐに歌うのが一番だと思うし。僕の歌詞はまだそこに至ってないけど、自分だけじゃなく、MASATOやREIも素直に歌ってくれたっていうのは、変化が出始めてるのかなと思うし。

SATORU 僕はいい意味でJ-POPに近づいたと思ってるんです。「僕がいる未来」はイヤフォンでもライブでも楽しめる曲だから、これまでのロックでファンクな曲にちょっと入りづらさを感じていた人にもきっと楽しんでもらえるな、聴いてくれる人の幅がグッと広がるだろうなって。

DJ SATORU(DJ)

U 今までは体を揺らしてほしいから、そこで邪魔になる言葉は排除してたんです。でも今回はそういうことを一切せずに書いたから、より無理も嘘もないし。

REI サウンド面では今もやりたいことがたくさんありますし、取り入れたい要素、鳴らしたい音楽もいっぱいあるんですけど。『I’m』でひとつカタチにできたものがあって、「僕がいる未来」と2曲目の「君は知らない」は、さらに音楽の芯の部分をTHE BEAT GARDENなりに表現できたらいいなぁと思って作った2曲なので。まず曲を聴いて欲しいし、僕らの歌を楽しんで欲しいですね。

辛いくらい好きになれるってなかなかないなって思うから。「君は知らない」はそんな曲ですね。

「君は知らない」はもう、Uさんのセンチメンタルが大爆発。以前のインタビューで「自分は告白できないタイプだから、相手が知らないまま終わった恋も多い」って話してた言葉そのまんまが曲になっている!って。

U ハハハハハハ。この曲も成りを気にせずに思ったまんまを書いたから、すごくスッキリしたというか、大爆発しちゃったんですけど。あ、いや、この曲の主人公は僕じゃないから、僕は全然爆発しているとは思ってないんですけどね。

なんて言ってますよ、SATORUさん。

SATORU 恋愛してるときは本当になかなか好きって言わないので、彼は。だからこのまんまって言ったらヘンですけど、ついに書いたなっていう感じっすね。

U そう。聴いた友達が全員「こんなに書いて大丈夫なの?」って言ってくるから。ファンの人からも言われるから(苦笑)。

(笑)。間違いなくこれはUさん発信で生まれた曲ですよね?

REI そうです。Uさんからメロディを渡されたときに、いい曲だなぁ、早く音を乗せたいなって思ったんですよね。なので家に帰ったらすぐに取り掛かって。このメロディにはこのコード進行だ!じゃないですけど、ポンポンポンポン世界観が膨らんでいって。

U そもそも明るいバラードを作りたいねっていう話から生まれたメロディで。サビができたときに側にいたREIに聴かせたら、すぐにトラックを作ってくれて。僕はMASATOと歌詞のテーマを決めながら、お互いの恋の話をしまくって。いろんな恋愛要素が頭に詰まったタイミングで「君が知らない話」というタイトルが浮かんできて、2人でかなり盛り上がったんだよね。で、君は何を知らないんだろう? いやぁ、好きってことをまだ知らないんじゃないですか? みたいな。

面白い。まるで連想ゲームのような。

U 本当に。最後の最後で「君が知らない話」じゃないなってことで、「君は知らない」にしたんですけど。サビの〈一つだけまだ知らないことがあるんだ〉は、一語一句、タイトルが出てきたときに書いたまんまですね。

しかしMASATOさんは自分からちゃんと言える人じゃないですか。

MASATO そうなんですけど。「FLOWER」を一緒に作ったことで、Uさんの恋愛観に憑依できることがわかったんですよ。なので今回も、Uさんが話すストーリーが目の前に鮮明に広がって、Uさんを主人公にしたストーリーが作れちゃって。こういうのはどうですか? こんなこともありますよね?っていう話が結構できたので。

MASATO(vo)

U すべての流れが自然だったよね。

MASATO 結局、僕らは途中から同じ道を歩んできていて。だから「僕がいる未来」を歌っていても、あぁ、こういう角度で描いたんだ、みたいな捉え方になるし。恋愛観もそれと似ていて。相談したりされたりするうちに、共有できるものが生まれてるのかも。なので、この曲を一緒に書いているときの僕は、ほぼUさんでした。

たとえ気持ちを伝えられなくても、この恋が成就しなくても、大好きな君の幸福を願い続ける僕も好き、みたいな?

U ハハハハハハ。今、絶対そう言うと思った。僕は違いますから!

けど、片思いの現状にもシアワセを感じたりするでしょ?

U それはまぁそうなんですけど。

〈君が他の誰かを好きだと知っても〉変わらず一番近くにいる僕、みたいなことなんでしょ?

U まさにそうで。女の人もそうなのかなぁ。ここからは気持ち悪かったらストップかけてくださいね。

SATORU ストップ!

U 早い早いぃ(笑)。片思いでも両思いでも、好きになれる相手と出会えたことにシアワセを噛み締めまくっての、そのフレーズなんですよ。好きな相手が他の誰かのことが好きで、その相談を僕にしてきたら辛いけど。こっからはすんごい気持ち悪い話ですけども、辛いくらい好きになれるってなかなかないなって思うから。うん、そんな曲ですね。

MASATO あー、認めちゃった(笑)。

U でもでも、みんなそんな気持ちになったことあるんじゃない? 大人になると、本気の恋してー!とか言うじゃん。だから本気で恋することってシアワセじゃないですか。

フフフ。ラストの〈一番近くて 言えない 君が好きなんだ〉って、ちょっぴり嬉しそうに歌うUさんの顔が見えますもんね。

U カカカカ。歌いづらくなるから、これ以上はやめてください(汗)。でもこんな曲を自分に置き換えて歌ってくれていると思うと、メンバーに感謝ですね。

自信のない自分からしたら「One hundred」みたいな言い方をされることが一番チカラになるんです。

Uさん全開の切ない幸福感に浸る間もなく、ハードなイントロで一気に「One hundred」の世界へ連れ去られます。

REI むしろ余韻には浸らせないぞ!っていうね。サウンド的には、今までのTHE BEAT GARDENに一番近い曲です。

ただループで聴いていくと、1曲目と3曲目は繋がっている気がしたんです。

U そうですね。「One hundred」に関しては、みんなで合唱できるようなアンセムを作るっていうのがまずあったので。ライブハウスって自分が行くときも、来てくれる人も、仕事や学校での鬱憤や日常の葛藤を抱えて集まっていると思うんです。そこでみんなで声を挙げる曲ならば、言いきったほうがいいだろうし、そのほうが自分も高い熱量で歌えるかなと思って。だから「僕がいる未来」のあと、どんな自分で生きていけばいいかっていうのを具体的に書いたというか。誰かの求める100点じゃなくても、自分の100%で生きることのほうがよっぽど価値があるって気付けたんですよね。

アルバムがチャートで5位になったとか、ライブのチケットがソールドアウトしたとか、活動範囲が広がれば広がるほど、「誰か」の存在は増えるじゃないですか。

U そうそう、そうなんですよ。

これまでも夢を描いた曲はたくさんあったけど、「One hundred」は夢を追い続けるTHE BEAT GARDENの本当の現在地なんだろうなって。

U その通りだと思います。この1年はいろんな方にいろんな言葉をもらって、その全部を一生懸命聞きたい自分たちがいて。けどひとつひとつ実践していくうちに、自分が霞んでいく感覚に陥ることがあって、これでいいのかな?って思いながらも走り続けてきて。結果として良かったんですけど、そうじゃなかったらあるべき今の自分っていうのは多分見えていなかったから。

MASATO んーと、めちゃくちゃ自分の話になるんですけど。僕、自信が全然ないんですよね。で、自信のない自分からしたら「One hundred」みたいな言い方をされることが一番チカラになるんです。人から見て50点でも、それが自分の100%ならば、何より自分らしいということが正解なんだからそのままでいい。これって自分が一番の投げかけて欲しい言葉だから。あとはこう、この曲をライブで歌いながら、ファンの人が共感してくれること感じながら、あぁ、みんなも闘ってるんだなぁと思ったんですよ。夢や未来、自分の人生に対して本気で立ち向かってる。だからまっすぐに歌を届けたいと思ったTHE BEAT GARDENの想いと、この3曲をカタチにしてリリースする方向性は合ってたんだなって、今、改めて感じてますね。

MASATOさんは自分が投げかけて欲しい言葉を発信する立場なわけで。歌うことでパワーをもらえたりするのでしょうか?

MASATO んー、でも人生の中心が歌なので、歌によって自信をなくすことも多いんですよね。この曲は、歌って自分に言い聞かせている部分と、みんなもそうであるべきだよって歌ってる部分と、二面性を持った曲というか。だから本当に自信はないっす、毎日。

SATORU ハハハハ。自信がないって、そんなに自信満々に言わなくたっていいじゃん。

まさかの、この曲が一番沁みているのはMASATOさんだったという。

MASATO 「One hundred」についてみんなで話しているこの空間ですら、すごく心地いいんですよ。そうそう、そういう曲ですってこっそり自分の中で共感できて。うん。間違いなく僕に一番刺さってますね、この曲は。

いいですよね。がんばれって歌われて、がんばらなきゃって思うより、曲に共感して歌う人の歌を聴いて、自分も一緒に歌って元気をもらえたら、すんごい直接的ですもんね。

U 実際、みんなのためって歌っていたときより「この曲を聴いて励まされた」とか、「元気が出ます」っていう言葉を何倍ももらってるんで。そのほうが長持ちするって言うとヘンですけど。やっぱりその人自身の意識が変わらないと頑張れないし。この曲で100%変えられるとは思ってないですけども、少しでも心が動いてくれたらとても嬉しいし。僕も同じ気持ちだよっていう想いは、メンバー全員にあると思いますね。そして3曲で1枚、このシングルが今のTHE BEAT GARDENのあるべき姿なんだって感じてます、うん。

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THE BEAT GARDEN

U(vo)、REI(vo)、MASATO(vo)、DJ SATORU(DJ)の4人組。2012年、大阪の専門学校で出会ったU、REI、MASATO でグループを結成。結成の1週間後には上京し、都内近郊を中心にライブ活動をスタート。2015年2月インディーズでリリースした1stフルアルバム『WILL』がオリコンインディーズ・ランキング3位を獲得。10月には大阪BIG CATのワンマン・ライブがSOLD OUTに。12月よりサポートDJ SATORUが新メンバーとして加入。2016年2月ミニアルバム『Air』をリリース。3月に行われた赤坂BLITZでのワンマン・ライブでメジャーデビューを発表。7月にデビュー・シングル「Never End」をリリース。SUMMER SONICやRISING SUN ROCK FESTIVAL等、多数の大型フェスに出演。続いてリリースした2 ndシングル「Promise you」は全国56ものパワープレイや番組テーマ等を獲得。ラジオ・エアモニチャート、ビルボードのエアプレイチャート1位を獲得。2017年8月にリリースしたメジャーデビュー・アルバム『I’m』はデイリーチャート5位、ウィークリーチャート10位を記録。今まさに右肩上がりの成長を遂げている若手グループだ。

オフィシャルサイトhttp://thebeatgarden.com