Report

良知真次が「夢のような場面が現実になる瞬間」と語るミュージカル「陰陽師」~平安絵巻~。中国での本公演前に開催されたプレビュー公演の模様

良知真次が「夢のような場面が現実になる瞬間」と語るミュージカル「陰陽師」~平安絵巻~。中国での本公演前に開催されたプレビュー公演の模様

中国3都市にて本公演が行われる、2.5次元舞台の意欲作、ミュージカル「陰陽師」~平安絵巻~が2018年3月9日(金)より東京・日本青年館ホールにて開幕した。人と妖(あやかし)が共存する幻想世界を、音楽やダンス、映像技術、こだわり抜かれた衣裳やヘアメイクで再現する絢爛豪華なステージ。メインキャストが登壇した会見のコメントと、マスコミ・関係者が駆けつけたゲネプロの模様をレポートする。

取材・文 / 片桐ユウ 撮影 / 冨田望(一部)

誰も見たことがないようなミュージカルに仕上がっている

原案は全世界で2億ダウンロードを突破した中国発の大人気ゲーム、本格幻想RPG「陰陽師」。日本の平安時代を舞台に、プレイヤーは式神たちに指示を出し、魑魅魍魎と戦い謎を解き明かしていくストーリーだ。日本では2017年2月に配信が開始され、5ヵ月で300万ダウンロードを突破している。

今回の舞台は、中国発の人気ゲームを日本のキャスト&スタッフが舞台化するという新たな試み。日本青年館ホールでの公演は、中国公演に先駆けてのプレビュー公演となる。

撮影 / 冨田望

フォトセッションと会見には、晴明役の良知真次、源博雅役の三浦宏規、神楽役の伊藤優衣、八百比丘尼役の舞羽美海、大天狗役の矢田悠祐、酒呑童子役の君沢ユウキ、茨木童子役の遊馬晃祐、黒晴明役の佐々木喜英のキャスト8名と、演出・脚本・作詞を手がけた少年社中の毛利亘宏が登壇。舞台への意気込みと共に、取材陣から投げかけられた、豪華な衣裳についてや、中国公演で楽しみにしていることなどを語った。

撮影 / 冨田望

まずは、茨木童子役の遊馬晃祐が「稽古期間があっという間でした。僕が演じる茨木童子は、酒呑童子のことをつねに考えて行動していますので、そこをぜひ見てもらえたら嬉しいなと思います。茨木童子はゲームの中でもなかなかゲットできない強いキャラクターです。遊馬自体は弱いのですが(笑)、衣裳やキャラクターの持つ力をお借りして、最強の茨木童子を演じたいと思います」と語る。さらにコメントを続けようとする遊馬に、君沢ユウキが「あと1時間くらいしゃべる気?(笑)」とツッコミ。遊馬は苦笑しながらも「映像が素晴らしいんです!」と断言。語らずにはおられないといった様子に、舞台への期待が一層高まった。

撮影 / 冨田望

続く、酒呑童子役の君沢ユウキは、自身の髪型や衣裳を指し示して「ご覧のとおり、今までに見たことのないミュージカルになっています!」と満面の笑顔を見せながら、「僕は背中にツボを背負い、頭に赤いカリフラワーのようなものを被り、袖ではみんなに邪魔だと言われ……(笑)。でも、この作品は本当に壮大で、それをすべてこの衣裳が物語っていると思います。僕たちの全力をどうか楽しみにしていてください。それと、写真で僕の頭(ウィッグ)をなるべく切らないでください」と、掲載写真の心配も明かして集まった取材陣を笑わせた。すると、良知真次が「良かったね、昨日から考えてきたヤツがウケたよ」と茶々を入れ、会場はさらに爆笑。

撮影 / 冨田望

大天狗役の矢田悠祐も「すごい衣裳を着させていただいています。初めて翼というものをつけましたが、見てのとおり幅が広いので、君沢さんと並んで袖で嫌われています。もちろん人間的にではなく、スペース的な意味で!(笑)」と衣裳の苦労を明かしつつ、「僕たちも劇場に入ってから初めて映像を見ましたが、ゲームの世界に入り込めるような、作り込まれた世界になっていると思いました。個人的には、大天狗と博雅の関係性を、僕らなりに楽しみながらつくったので注目していただけたらと思います」と結んだ。

八百比丘尼役の舞羽美海は「ゲームの幻想的な世界から飛び出してきたキャラクターの個性が舞台上でぶつかって、本当に面白い世界になっています。ゲームの美しさを生身の人間がやるパワーと面白さを楽しんでいただけたら嬉しいです」と挨拶。初の海外公演には「海外公演経験者のみんなから聞いている、反応の違いが楽しみです!」と胸を躍らせていた。

撮影 / 冨田望

神楽役の伊藤優衣は「まさか10歳以上年下の子を演じるとは思ってもいませんでしたが、最後まで若さを大事に頑張りたいと思いますので、ぜひ見守っていただけたら嬉しいです」と意気込みを。また、中国公演で楽しみにしていることに「タピオカが飲みたい! プッチンプリンが丸ごと入ったタピオカがあるんですよ」と、微笑ましい回答を残した。

源博雅役の三浦宏規は「本当にゲームの世界そのままという感じで、ストーリーはもちろん音楽も衣裳も映像も素晴らしいので、総合芸術としてみなさんに楽しんでいただけたらなと思います。中国公演も約1ヵ月ありますので、先輩方に嫌われないように、謙虚に頑張っていきたいと思います!」と宣言。フォトセッションでもやり場に苦労していた大ぶりの弓の扱いを苦労ポイントに上げると、良知から「稽古場でも何度か、ね?(笑)」と失態を明かされ、それに三浦が「言わないでくださいー!」と慌てるといった、年下らしくイジられるひと幕も。三浦は海外公演が3度目となるが「今回こそ万里の長城に行きたい! この格好では行かないですけど(笑)」と、観光にも意欲を見せていた。

撮影 / 冨田望

黒晴明役の佐々木喜英は「僕は良知さんが演じる晴明のもうひとりの晴明、黒晴明を演じます。この黒晴明がどうして誕生したのかというストーリーも舞台の中で登場しますので、ぜひ楽しんでもらえたらいいなと思います。この「陰陽師」という素晴らしい作品を日本にも、もっともっと知っていただきたいですし、2.5次元という素晴らしい文化を世界に広めていきたいと思いますので、応援のほどをよろしくお願いいたします」と挨拶。さらに海外公演の経験を振り返り「お客様がライブのように盛り上がってくれたことが印象的だったので、今回もぜひ感情を素直に出して盛り上がって欲しい」とコメントした。

晴明役の良知真次は「この作品の晴明像は、みなさまがイメージするとおりのかっこよくクールな人物。つねに舞台上に出ています。それぞれがそれぞれのキャラクターのもと、しっかりした作品がつくれている気がします」と仕上がりに自信を覗かせる。また、衣裳については、扱う扇子がウン十万円(!)することを明かしつつ、「34年間生きてきて初めてネイルサロンに通い、女性の苦労がわかりました」と呟き、笑いを取っていた。海外公演にも経験がある良知だが、本舞台の製作発表が行われた上海の思い出に触れて「原作が中国ということで、製作発表のときから大きな期待感を感じていました。今回、オープニングで全キャラクターが立ち並んだら、すごくビックリしてもらえるのではないかと。夢のような場面が現実になる瞬間だと思います」と、中国公演を訪れる観客のリアクションに期待を寄せた。

撮影 / 冨田望

演出・脚本・作詞を手がける毛利亘宏は「誰も見たことがないようなミュージカルに仕上がっているような気がします。ある種のエンターテインメントショーであり、すごく深いドラマもあり、短い時間にぎゅっと、ものすごくたくさんの楽しさとすごいと思えることが詰め込まれた作品になっています。早くみなさんにお見せして、驚いて感動して楽しんで帰っていただきたいと思っています」と見どころを語ったあと、「まったく違う反応が返ってくるのではないかと思う。日本初のミュージカルというものが世界に認めてもらえる瞬間が目の前に迫っているのではないかと思うと、本当に興奮します」と、中国での本公演に対する待ち遠しい想いを明かした。

それぞれの意気込みと共に、和気あいあいとしたカンパニーの様子も伺えた会見。最後に、良知真次が「2億ダウンロードを突破しているゲームを今回、僕たちが 2.5 次元作品として演じるわけですが、今までの2.5次元作品と違って、日本と中国が協力してつくる作品になります。規模も大きいですし、日本と中国が協力してここまで素晴らしい作品ができるんだという想いで僕たちもつくっておりますので、ぜひひとりでも多くの方に見ていただきたいと思います。「陰陽師」ということで、男子フィギュアスケートの羽生選手が金メダルを獲ったように、僕たちも舞台界の金メダルを獲れるように頑張っていきたいと思います!」と、改めて熱い意気込みを語り、終了の時間となった。

撮影 / 冨田望

このあとは、ゲネプロの模様をレポートする。

“繊細な再現度”を以って、世界に2.5次元ミュージカルを披露する

人と妖(あやかし)が共存する、日本の平安時代の物語。
“陰界”に属する魑魅魍魎と、人の住まう“陽界”、陰陽二つの世界を自在に行き来する異能者であり、その均衡を保つ者を人は敬意を込めて“陰陽師”と呼んだ。

主人公・晴明は、自らが“陰陽師”であり、都を守りぬかねばならない以外の記憶を失っているが、同じく記憶をなくした謎の少女・神楽、晴明の式神だという小白と共に、悪鬼を打ち倒し、記憶を取り戻そうと戦いを始めるのだった……。

晴明を演じる良知は、会見でこそ「ネイルサロンに通った」と笑わせていたが、指先まで凛とした佇まいは、そこに居るだけで世界観を完成させるほどの威厳に満ちていた。舞台上にほぼ出ずっぱりの晴明を一瞬たりとも気を抜かず演じきる姿に、この舞台にかける気迫を感じた。

撮影 / 冨田望

神楽を演じる伊藤は愛くるしく、八百比丘尼役の舞羽は、透明感と貫禄を持ち合わせた美しさを放つ。源博雅役の三浦は、身軽さを活かしてセットを縦横無尽に動き回り、大天狗役の矢田は数々のミュージカル作品で鍛えた歌声を存分に発揮する。また、茨木童子役の遊馬はコメディタッチに振る舞って笑いを誘い、酒呑童子役の君沢は芝居力で場をきっちりとまとめ上げた。黒晴明役の佐々木は流石の存在感。謎に満ちたポジションだが、ゾワゾワと忍び寄るような妖しさで物語を牽引していた。

黒無常役の平田裕一郎と白無常役の内海啓貴、判官役の片山浩憲も、個性的な衣裳や武器に劣らない華やかさで魅せる。雪女役の七木奏音が披露するキレの良いダンス、紅葉役の門山葉子の熱唱も大きな見どころだ。晴明の式神・小白の細やかな演技にも注目して欲しい。

撮影 / 冨田望

会見で苦労点としても挙げていた衣裳だが、舞台上では美しい見どころのひとつ。シンプルな舞台装置の中にそれぞれのビジュアルが映え、世界観をより確かなものにしていた。キャストはもちろん、彼らの演じるキャラクターを忠実かつ丁寧に再現した衣裳、背景のみならずバトルシーンの技術を担う映像美術、耳に残る音楽や印象的な振付など、スタッフワークも必見。

特有かつ強みである“繊細な再現度”を以って、世界に2.5次元ミュージカルを披露するのだという気合いが全体に漲っていた。

撮影 / 冨田望

カーテンコールでは、写真・動画撮影がOKとなる「スペシャルカーテンコール」の開催も決定。舞台の充実感をカタチでも残せる貴重な機会だ。さらにキャストによるお見送りが決定した公演もあるため、間近で彼らを目にしたい人は、ぜひチェックを。詳細は公式サイトにて。

ミュージカル「陰陽師」~平安絵巻~

<プレビュー公演>
2018年3月9日(金)〜3月18日(日)日本青年館ホール
<本公演>
深セン:2018年3月30日(金)〜4月1日(日)深セン保利劇院
上海:2018年4月7日(土)〜4月15日(日)虹橋芸術センター
北京:2018年4月20日(金)〜4月22日(日)北京展覧館劇場

原案:本格幻想 RPG「陰陽師」より(NetEase Inc./All Rights Reserved)
演出・脚本・作詞:毛利亘宏
音楽:佐橋俊彦
振付:本山新之助

出演:
晴明 役:良知真次
源 博雅 役:三浦宏規
神楽 役:伊藤優衣
八百比丘尼 役:舞羽美海
大天狗 役:矢田悠祐
酒吞童子 役:君沢ユウキ
茨木童子 役:遊馬晃祐
黒無常 役:平田裕一郎
白無常 役:内海啓貴
判官 役:片山浩憲
雪女 役:七木奏音
紅葉 役:門山葉子
黒晴明 役:佐々木喜英

西岡寛修 笹原英作 服部 悠 杉山諒二 松ヶ谷ほのか 渡邉 南 光岡茉美 佐竹真依 SATOCO

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@musical_onmyoji)

©Musical OMJ 2017