Interview

川口春奈、ドラマ『しろときいろ』で再確認した女優業への想い。「一番“自分”でいられるイキイキした瞬間」

川口春奈、ドラマ『しろときいろ』で再確認した女優業への想い。「一番“自分”でいられるイキイキした瞬間」

川口春奈主演のPrime Original『しろときいろ ~ハワイと私のパンケーキ物語~』が2月28日より配信がスタートした。彼女が演じるのは、日本のパンケーキブームの火付け役として知られるハワイのパンケーキ店「エッグスンシングス」のオーナーになる実在の人物。1人の女子大生が、家族や仲間たちに支えられながら、夢を叶えるまでの軌跡を描いた実話に基づいた物語で、映画『超高速!参勤交代』の本木克英が総監督を務め、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』の岡田惠和が脚本総監修を担当。豪華なスタッフとともに、ハワイと茅ヶ崎で2ヶ月間に渡って行われた撮影が終わった瞬間に「涙が止まらなかった」というほどの安堵と達成感でいっぱいになったという彼女に話を訊いた。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 荻原大志

主人公・夏海は、人としても、女性として、とってもカッコいいし尊敬できる。

川口さんが演じたのは、女子大生にして世界的な人気のお店のオーナーになることを決意した実在の女性です。まず、彼女と何か共通点はありましたか?

自分はそんなにできた人間じゃないので、演じていて、共通点はほぼなかったですね(笑)。人としても、女性としてもカッコいいというか。こんなに行動力がある女性がいるんだっていうのにびっくりしたし、強い女性を目標としているので、とても尊敬しました。私も夏海(なみ)と同じく負けず嫌いではあるけど、共感するというよりは、「本当にこの子、すごいな」って思いながら撮影していました。

特にどんなところを尊敬の念を抱きましたか?

英語も喋れなくて、経営の知識もないのに、とりあえず行って、直談判するっていう行動力です。そんな恐ろしいことできないなって思うけど、彼女はそれ以上に、自分がこれをしたいんだ! っていう強い思いがあった。その信念に突き動かされて一直線に進んでいく姿勢を尊敬します。そこまで何かに夢中になれたり、そこに対して努力できるのがすごいなって思います。

「やりたいこと」を見つけるまでの彼女は、どこにでもいるありふれた女の子ですよね。どういう役作りを心がけていましたか?

夏海のモデルになった女性とお話しする機会があって、ハワイでもお食事に連れて行ってもらったりしました。彼女と一緒にいる時間があったので、「この時はどういう心境だった?」とか、直接、ご本人から聞けたのが心強かったし、助かりました。そうしてお話ししたうえで、すごく明るくて、正義感があって、とにかく決めたことに対してまっすぐに生きる女の子っていうイメージを軸に演じました。

お店を継ぐという夢を見つけてからの夏海の行動力は目を見張るものがありますよね。そういう心境の変化も含めて、前半と後半での演じ分けを意識されてましたか?

そうですね。高校生から大学生になって、オーナーとなり、社会人になりましたっていう人生の振り幅をたった2ヶ月の撮影期間で変化つけてくのは、大変な部分もあったんですけど、ちゃんと夏海の気持ちと、年月の変化をみんなで丁寧に一緒に作れたらいいなと思ってました。劇中ではハワイに3回行ってるんですけど、1回目と2回目、そして、3回目では全部違う気持ちなので、ちょっと変わってるなとか、成長してるなっていうのが伝わってくれたらいいなって思います。

予告編でも流れていた「初めてやりたいこと見つけたー!」と海に叫ぶシーンから劇的に変えました?

そうですね。自分が将来、大人になって何をするかわからない学生時代を経て、まさにそのシーンで夢を見つけ、大きな変化を迎える。そのシーン以降の夏海は、もう自分がやりたいことが定まっていて、自分の人生の進むべき道が見えた、始まりのシーンかなと思います。

私にとって、「仕事」は一番やりたいこと。一番「自分」でいられるイキイキした瞬間

行動力という点では似てるところはありますか?

どうなんでしょう(笑)。私は、1回、走り出したら、うわーって突き進むんですけど、エンジンがかかるまでに時間がかかるタイプですね。自分が好きなことならすぐに行動できるんですけど、どうしても苦手意識があったりとか、やらなきゃいけない宿題みたいになっちゃうと、うーん……ってなっちゃう。時間もないし、そろそろやらないとやばいぞっていうタイミングまでなかなかやらないです(笑)。

じゃあ、夏休みの宿題とかは。

始業式の前日でした(笑)。いまもそんな感じです。ただ、行動するまでに時間はかかるけど、物事を決断することに関しては、そんなに悩まないというか、潔い感じはあるかもしれないです。直感というか、感覚で生きているので、昔から最初に自分がこっちだって思った方にそのまま行っちゃいます。もちろん、人の意見も聞くけど自分の中で答えは決まっているので、自分がいいと思った方に進んで当たって砕ける感じ。そこは少し似ているかもしれないです。

夏海は両親に常に「やりたいことをやれ」という温かい目で見守られてます。そのやりたいことも自分で決めたものの方は、例え失敗したとしても、後悔が少ないですよね。

そう思います。自分がやりたいことをやって、自分が好きな人と一緒にいるのが理想ですよね。私は、自分が思ったように生きたいというか、人付き合いも含めて、自分の直感を信じたい。その中で、しんどいことやきついことも経験したとしても、ベースは、やりたいことをやりたいって思ってます。

川口さんの人生における「やりたいこと」というのは?

仕事しかないです。自分が一番自分でいられるんですよね。評価してもらえることもあるし、求められてるって感じられることもできるし、悔しい思いもしてる。調子のいい時もあるし、いい意味で落ちることもある。本当に波があるんですけど、どちらにしても一番イキイキしてる瞬間だと思うんです。いろんな作品やいろんな人と出会って、自分が大きくなっていく。私はそれしかしてこなかった。夏海がパンケーキに情熱を注ぐように、自分も仕事に対してはまっすぐ。そこだけはブレずにやってるかなって思います。

天職だなと感じた瞬間あった?

自分では天職だなとは感じづらいですけど、周りの人がそう言ってくださったりとか、何も続かない中でこれだけは続いてるのは、やっぱりこの仕事に魅力を感じていたり、やめられない何かが、きっと自分の中であるんじゃないかなって思います。

ハワイでの撮影はいかがでした?

大変でした(笑)。楽しかったんですけど、日本で撮ってる時よりも気持ち的に大変でした。今まで、慣れない環境に長期間いることもなかったので。だから、ハワイを楽しむっていうよりは、日々、やらなきゃいけないことに追われちゃって、必死でした。余裕はなかったですね。

なにか楽しい思い出はないですか?

楽しかったんですよ、基本は(笑)。休みもあったし、みんなとご飯に行ったり、遊んだりもしました。でも、例えば、撮影でイルカに乗ったのは、初めてだったし、すごく楽しかったんですけど、ベースは撮影で来てるから、羽目を外せないじゃないですか。とにかく作品のことを常に考えていました。

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