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新田真剣佑が華麗にバック転を披露! 西川貴教、柚希礼音ら出演の地球ゴージャスプロデュース公演『ZEROTOPIA』公開稽古レポート

新田真剣佑が華麗にバック転を披露! 西川貴教、柚希礼音ら出演の地球ゴージャスプロデュース公演『ZEROTOPIA』公開稽古レポート

岸谷五朗と寺脇康文による演劇ユニット・地球ゴージャスのプロデュース公演『ZEROTOPIA』(4月9日からTBS赤坂ACTシアターにて上演)の公開稽古が、3月7日に東京都内で行われた。

取材・文 / 松浦靖恵 撮影 / 中原幸

個性豊かなキャストたちのパフォーマンスに期待が膨らむ

地球ゴージャスは立ち上げ時から岸谷五朗と寺脇康文以外、演者をあえて固定せず、公演ごとに多彩なゲストを迎え入れてきた演劇プロジェクト。それだけに公演ごとに参加キャストにも注目が集まるが、15作目となる本公演にも、俳優、ミュージシャン、声優など多方面から魅力溢れるキャストが集結した。

公開稽古前に行われたフォトセッションには、地球ゴージャスを主宰する岸谷と寺脇、柚希礼音、西川貴教、新田真剣佑、宮澤佐江、花澤香菜、藤林美沙、原田薫、大村俊介(SHUN)、水田航生、植原卓也がお揃いのTシャツ姿で登場し、取材陣の前で晴れやかな笑顔を見せた。

地球ゴージャスの代表作は、“最新作”

またフォトセッション後は、カンパニーを代表して岸谷と寺脇から挨拶があり、本公演に向けた意気込みが述べられた。

岸谷五朗 稽古がスタートして2ヵ月ちょっと経ちました。いつも言っているんですけど、地球ゴージャスの代表作は、“最新作”です。今回も素晴らしいキャストが35名集まってくれました。それぞれが特別な才能を持っていて、今回の作品にぴったりなキャストです。この『ZEROTOPIA』を幸せな作品にしていきたいと思っています。

寺脇康文 地球ゴージャスも15年になります。私も歳を取るわけです(笑)。私、この間、56歳になりました。若造だと思っていたら今回のカンパニーで最年長です(笑)。でも、いい数字なんですよ。56歳ってことは“ゴロー”ですから(岸谷“ゴロー”で)“ダブルゴロー”イヤーです! ここ、記事に使うところですよ(笑)。今回の作品が観ていただいた方の明日の元気になるように、そして、今の地球を一緒に考えていけるように、歌、ダンス、アクション、ギャグ、そして今回はミステリーの要素もありますので、極上のエンターテインメントになるべく頑張っています。

『ZEROTOPIA』は、豪華客船が沈没し、そこで必然的に生き残った男女に待ち受ける数奇な運命を描く物語だ。同じ豪華客船に乗船しなければ出会うことすらなかったであろう人間たちが大事故の中で生き残り、地図に載っていない色彩がない島(ゼロ)に流れ着く。そこで、これまでまったく異なる人生を歩いてきたはずの赤の他人の彼ら、それぞれが心の奥底に抱えている闇や隠された過去が次第にあらわになっていくようだが、そんな彼らにどんな運命が待ち受けているのか。また、寺脇は「ミステリーの要素もある」と言っていたが、どんな謎がこの物語の中で解き明かされていくのか。

彼らが辿り着いた島(ゼロ)は果たしてユートピア(理想郷)になるのか、それともディストピア(地獄郷)へと向かってしまうのか。地球ゴージャスの約2年ぶりの新作舞台『ZEROTOPIA』で、作・演出を手がける岸谷の「地球ゴージャスの代表作は“最新作”です」という言葉に、そして、この物語を共に作り上げていく個性豊かなキャスト陣たちのパフォーマンスに大いに期待が膨らむ。

公開舞台稽古で披露されたのは、歌とダンスをメインにした4パート。まず、ステージのセンター奥にスタンバイした西川貴教は、フォトセッション時に終始見せていた笑顔を完全に封印し、キリっとしまった顔つきへと変化していた。

ダンサーたちと共に1幕のオープニングを飾る西川のメインナンバー「Dynamic Dynamite Extreme」は、ライヴで鍛え上げられたボーカリスト・西川貴教の強靭な声を思う存分に堪能することができる激しいロックナンバーだが、楽曲に漂う不穏な空気感は、『ZEROTOPIA』という物語の行方を、登場人物たちが巻き込まれていく運命の行方を暗示しているのだろう。

西川とダンサーたちがステージ外へはけると、稽古場のステージ袖でパーフォマンスを見守っていた演出家でもある岸谷の合図で稽古場に手早く新たなセットが組まれる。「では、行きましょう! 板についてください」と黒縁のメガネをかけた岸谷がパン!と手を叩くと、一瞬で演者たちの表情が変わり、稽古場の空気がピンと張り詰めるのがわかった。

今回、西川とW主演を務める柚希礼音は、過去に切ない出来事を経験している女性・Junを演じる。舞台稽古で披露した柚希のメインナンバー「Jun’s past2」は、静かに鳴り響くピアノの音色と切ないメロディラインに、柚希と水田航生の美しいハーモニーが乗ったバラード。歌い始めは離れた距離にいた2人が曲が進むにつれて次第にその距離を縮めていく。

ステージ上には柚希と水田のほかに何名ものキャストがおり、その中には頭に包帯を巻いた男がベッドに横たわっているのだが、第1幕で歌われるこの曲には、この人物がJunにとってどのような存在なのかを観る者に想像させ、Junと水田が演じる男がここからどのような関係になっていくのかを暗示させる歌詞が刻まれていた。

新田真剣佑がメインとなるナンバーは2幕のシーンで歌われる「特殊工作員アトラス」だ。彼が演じるアトラスは、特殊工作員だったという過去を持つ男。岸谷に呼び込まれる前からステージ袖で屈伸やジャンプなどをして体を十分に温め、準備万端で待機。そして、スピード感のあるキレのいいアクションを見せつけ、最後には華麗なバク転も披露。そんな激しいアクションと歌唱を両立させることができるのは、もともと彼が優れた身体能力を持っているというのもあるだろうが、役づくりや何事にも努力を惜しまない彼の役者魂を、岸谷は見抜いていたからこそ、このようなシーンを作ったのではないかと思えた。

激しいアクションを繰り広げ、額や首筋に汗を光らせていた新田は演じ終えたあとも汗が止まらない状態になっていたが、すぐさまメインキャストたちが登場するナンバー「Jun’s Dream」が始まった。本作では、宮澤佐江と花澤香菜がWキャストを務めるが、この日の舞台稽古では宮澤バージョンが披露された。この曲は無人島で夢を語り合う中、Junが幼い頃からエンターテイナーになりたかったという夢を話し出すシーンの中で歌われる。ひとりひとりの明るい笑顔とエネルギーが満ち溢れるこのシーンは、ダンスと歌を思う存分に楽しめるシーンになるだろう。

公開舞台稽古をパフォーマンスし終えたキャストたちは一礼してステージを去っていく。その光景の中でとても印象的だったのは、西川と新田が肩を組み合って舞台をはけていく途中で、西川が新田の背中をポンポンと叩き、2人がなにやら談笑している姿だった。フォトセッション時にもキャストたちは和気藹々とした和やかな雰囲気を漂わせていたが、西川と新田が最後の最後に見せたその姿からも、稽古を重ねる中で生まれた信頼感とこのカンパニーの絆の強さが、開幕までまだ約1ヵ月あるにも関わらず、すでに築かれていることを感じることができた。

色彩のないゼロの島をユートピアにするのか、ディストピアにするのかを決めるのは登場人物たちだ。謎を纏った彼らの運命の行方を、この物語の結末を、ぜひ劇場で目撃して欲しいと心から思った。

地球ゴージャスプロデュース公演Vol.15『ZEROTOPIA』

東京公演:2018年4月9日(月)~5月22日(火)TBS赤坂ACTシアター
愛知公演:2018年5月29日(火)~6月2日(土)刈谷市総合文化センター 
新潟公演:2018年6月9日(土)~6月10日(土)新潟テルサ
福岡公演:2018年6月22日(金)~6月24日(日)福岡サンパレス
広島公演:2018年6月30日(土)~7月1日(日)広島文化学園HBGホール
大阪公演:2018年7月6日(金)~7月15日(日)フェスティバルホール

作・演出:岸谷五朗

出演 :
柚希礼音 西川貴教/新田真剣佑 宮澤佐江・花澤香菜(Wキャスト)/
藤林美沙 原田薫 大村俊介(SHUN) 水田航生 植原卓也/
岸谷五朗 寺脇康文 ほか

公演オフィシャルサイト