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NARUTO、エウレカセブン、コードギアス… FLOWが刻み続けたアニメ楽曲の15年史『FLOW THE BEST ~アニメ縛り~』レビュー

NARUTO、エウレカセブン、コードギアス… FLOWが刻み続けたアニメ楽曲の15年史『FLOW THE BEST ~アニメ縛り~』レビュー

海援隊の「贈る言葉」をカバー・シングルとしてリリースしたことでその名を一気に知らしめたFLOW。インディーズ時代から疾風ビートと豪快かつダイナミックなバンドサウンドと熱いライブに定評のあった彼らが、シングル「ブラスター」でメジャー・デビューを果たしたあの日から時は流れ、彼らはメジャー・デビュー15周年を迎えた。

今やアニメとコラボレーションした楽曲群で世界中に名を轟かせる彼らが、最初の“アニメタイアップ”のシングル「GO!!!」をリリースしたのは2004年4月のこと。大人気アニメ『NARUTO-ナルト-』の四代目オープニング曲となった。正義感のままに猪突猛進に突き進むナルトの行く先を追い風となって軽快に響くサウンドが印象的なこの一曲によって、FLOWはメジャーシーンでもまたバンド名を轟かせることに。そんな「GO!!!」から幕を開けるのが15周年を記念したこの『FLOW THE BEST ~アニメ縛り~』だ。

アニメ・ファンの間で「このアニメと言えば、この曲」と言われる、絶対的な印象を残し合うアニメーション作品と楽曲というのは、シーンに於いてそれほど数多くはないように思う。3カ月という短いスパンで始まりから終わりまでを描ききってしまうアニメーションが昨今はとても多いからなのかもしれない。しかし、ことFLOWに於いては、長い時間をかけて物語を表現していく作品との出会いによって、「このアニメと言えばFLOW」と、代名詞のようにその名前が刻まれた作品がいくつもある。それは『NARUTO-ナルト-』であり、『交響詩篇エウレカセブン』であり、『コードギアス 反逆のルルーシュ』であり、『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』であろう。

連載から開始から最終回まで実に15年をかけて描かれた、おちこぼれ忍者だったうずまきナルトの成長物語『NARUTO-ナルト-』。なんとアニメの放送も2002年から15年を経て最終回を迎え、息子ボルトへとバトンを渡した。そんな『NARUTO-ナルト-』と言えば「GO!!!」であり、FLOWだ。「GO!!!」に始まり、事故で離脱していたKEIGO復帰の一枚となった「Re:member」「SUMMER FREAK」「Sign」、そして待望の舞台化となった、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」のイメージソング「光追いかけて」、ナルトへの感謝を込めた「虹の空」。実に6曲もの楽曲で『NARUTO-ナルト-』との世界を構築してきた彼ら。いつだってナルトたちの追い風になってきた楽曲たち。しかしそれは同時に、FLOWにとっても螺旋丸さながら、ナルトからの追い風にもなってきたのだと感じる。

そして『交響詩篇エウレカセブン』だ。「アニメ・タイアップのために楽曲をコンペに提出する」ということがJ-ROCKシーンで主流だったそんな頃に、ゼロから立ち上げるオリジナル・アニメーションが、FLOWを名指ししてのコラボレーション。これまでアニメを放送していなかった日曜日早朝の放送枠で、激しいバトルの中で人間の苦悩や喜び、生き様のドキュメントを見せるオリジナル・アニメーションで、FLOWも作品のチャレンジ精神に触発されながら作りあげた「四つ打ちで踊れて泣けるロック」=「DAYS」。『エウレカ』に出会っていなければ世に出るこのなかった、FLOWにとっては一世一代の賭けとなった一曲はスマッシュヒットとなり、ゲームのテーマソングとなった「Realize」、そしてエウレカとレントンの息子であるアオを主人公とした『エウレカセブンAO』の後期オープニングとなった「ブレイブルー」を生みだすことに。バンドとアニメが目と目を合わせ、手と手を取り合って作りあげるという形で生まれた楽曲群は、やはりこの作品に於いても「このアニメと言えばFLOW」の方程式を作り上げた。

命を削り戦う少年たちの物語の、困難にも諦めない心を歌い上げた「COLORS」。拓けていく世界。飛び出す青い空。ポジティヴな色彩が満ちた神々しいサウンドながら、歌われているのは戸惑い、悩み、もがきながらも前を向くそんな姿。『コードギアス 反逆のルルーシュ』もまた、オリジナル・アニメーションの立ち上げ、前期のオープニング曲であったこともあり、強烈に印象を刻み付けた。そして過酷で熾烈な戦いが佳境に入る『コードギアス 反逆のルルーシュR2』後期オープニングとなった「WORLD END」もまた、力強いビートに彩られながらストリングスの音が美しくドラマティックな一曲。苦しみの中での奪うことのできない強い想いを宿した色彩感豊かな一曲によって、ここで「『コードギアス』と言えば」という冠をFLOWは手にする。

そして『テイルズ オブ』との出会いは、こうして培ってきたアニメとのコラボレーションを昇華させるような経験だったのだと思う。制作側とFLOWとで話し合いを重ね、共に作業をしながら作りあげた楽曲群だからだ。FLOWにとって初めてのファンタジックなケルティックロック「風ノ唄」にハードでラウドな「BURN」、さらにアグレッシヴなストリングスと勇壮なコーラスワークとが躍動する「INNOSENSE」。曲も歌詞も、『テイルズ オブ』の世界と一体となったFLOWを感じさせる。世界に寄せる、寄せない、ではない。もはやFLOWの中に『テイルズ オブ』の世界が息づき、『テイルズ オブ』の風景にFLOWの風が吹きすさぶような、そんな楽曲群。ここでも感じる。「スレイとミクリオのいる『テイルズ オブ』と言えばFLOWの歌」と。

そんな4本のアニメの楽曲以外にも数多くの作品とコラボレーションしたFLOW。実はこれまでにもアニメとのコラボ曲を集めたベスト・アルバムは『FLOW ANIME BEST』と『FLOW ANIME BEST 極』とリリースしている。最初の『FLOW ANIME BEST』は「アニメ・タイアップ曲が10曲集まったから」と2011年に。続く『FLOW ANIME BEST 極』は「もっといっぱい曲が出来た!」と改めて出したもの。そして今回はこれまでの最大数である23曲を収録した『FLOW THE BEST ~アニメ縛り~』。このベスト・アルバムは、昨年12月21日に日本青年館で開催した「FLOW THE CARNIVAL 2017 ~アニメ縛り~」で演奏した曲に、アニメ『七つの大罪』のために盟友・GRANRODEOと結成したFLOW×GRANRODEOで作りあげた楽曲「7-seven-」「Howling」を加えて収録。あまりの人気でプラチナ・チケットとなったアニメ縛りのライブを、全国へと持っていくツアーへのバイブルとして完成させたベスト・アルバムだ。この一枚を聴けば、アニメ縛りのライブはより大きな興奮の波に浸食される時間になることは間違いない。

「この作品と言えばFLOWの歌」。実に23曲全ての楽曲がどの作品に対してもそんな個性を放っていることを感じられるこのベスト盤。ただひとつ言えることは、「ただアニメに提供した楽曲」ではないということ。この23曲の全てが、主題歌となったアニメーションと出会わなければ生まれなかった楽曲であること。その全てが、アニメーションを世に送り出す、制作側のチャレンジ精神と、常に挑戦を続けるFLOWのファイティング・スピリッツとのコラボレーションで生まれた唯一無二の曲たちだということ。それを改めて感じさせるベスト・アルバム。これを聴いてFLOWのアニメ縛りのライブをぜひ体験して欲しい。

文 / えびさわなち

ツアー情報

“15th Anniversary TOUR 2018「アニメ縛り」”
4月14日(土)@西川口Hearts(※FLOW OFFICIAL MEMBER「26ers」限定公演)
4月15日(日)@HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3
4月21日(土)@高崎clubFLEEZ
4月22日(日)@柏PALOOZA
4月28日(土)@横浜Bay Hall
4月29日(日)@LiveHouse浜松窓枠
5月3日(木・祝)@広島クラブクアトロ
5月5日(土)@徳島club GRINDHOUSE
5月6日(日)@高松DIME
5月12日(土)@福岡DRUM Be-1
5月13日(日)@熊本B.9 V2
5月19日(土)@KYOTO MUSE
5月20日(日)@松江AZTiC canova
5月26日(土)@富山MAIRO
5月27日(日)@新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
6月9日(土)@仙台Darwin
6月10日(日)@盛岡Club Change Wave
6月16日(土)@大阪BIGCAT
6月17日(日)@名古屋ダイアモンドホール
6月24日(日)@札幌ペニーレーン24
7月1日(日)@豊洲PIT

一般発売日
4月15日(日) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3 ~ 5月13日(日) 熊本B.9 V2 公演
発売中
5月19日(土) KYOTO MUSE ~ 5月27日(日) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE 公演
2018年3月24日(土)発売
6月9日(土) 仙台Darwin ~ 7月1日(日)豊洲PIT 公演
2018年4月7日(土)発売

“15th Anniversary TOUR 2018 “Anime-Shibari” ―Latin America Tour―”
7/13(FRI) Buenos Aires, Argentina (JAPAN EXPO ARGENTINA):Centro Costa Salguero
7/14(SAT) Buenos Aires, Argentina (JAPAN EXPO ARGENTINA) :Centro Costa Salguero
7/15(SUN) Santiago, CHILE:LA CUPULA
7/18(WED) Lima, PELU:Barranco Arena
7/20(FRI) Mexico city, Mexico:El Plaza Condesa
7/22(SUN) Sao Paulo, BRAZIL (Pop Festival Brasil):WPF
7/25(WED) Rio De Janero, BRAZIL:ACERJ
7/28(SAT) Recife, BRAZIL (Supercon) :Classica Hall
7/29(SUN) Fortaleza, BRAZIL (SANA):Centro De Eventos Ceara

関連リンク

FLOW OFFICIAL SITE

FLOW 15th Special Site