Interview

スキマスイッチ デビュー15周年を経て、「原点回帰」の先に見通したものを訊く

スキマスイッチ デビュー15周年を経て、「原点回帰」の先に見通したものを訊く

「(「未来花(ミライカ)」は)名前を呼ぶことをテーマに書いたんですけど、今の僕らの年齢だからこそ、書けた歌詞なのかなと思っています」

歌とピアノだけの「未来花(ミライカ)」はヒューマンな名曲です。タイアップ曲でもありますが、生まれたきっかけは?

常田 制作のとっかかりとしてはタイアップをいただいたことなんですが、デモは2015年ぐらいからありました。ピアノと歌だけで大きな展開をできる曲をやりたいというのは昔から目標としてあって、その気持ちを形にした曲でもありますね。まんまスキマスイッチですし、歌とピアノという最小の編成ですが、僕らとしては最大の表現ができるんじゃないかなって。なので、自分達としては満を持して、という感覚ですね。

大橋 作った当時から手応えがあって、思いどおりの曲ができたという達成感が大きくて、とても大事な曲になっていたので、ずっと出し惜しみしていたんですよ。今回のアルバムに収録しようと決めたのも制作の最後の最後のほうで。他の楽曲がほぼできあがって、それらの曲の手応えがあったので、入れるなら、このタイミングがいいんじゃないかなって。

人の一生を踏まえた深みのある歌詞も素晴らしいです。

大橋 名前を呼ぶことをテーマに書いたんですけど、今の僕らの年齢だからこそ、書けた歌詞なのかなと思っています。常に背伸びせずに書けるものだけを書こうという意識で作って来ましたけど、やっとこのテーマに年齢が追いついてきた。名前って、どんな人でも持っているものじゃないですか。しかも付けられたその瞬間には、誰かの願いがこもっている。その名前を呼ぶのはどういう行為なんだろうって、二人でディスカッションを重ねて作りました。

歌とピアノだけのレコーディング、どんな感じでしたか?

常田 ほかの音がないので、ごまかしがきかないですし、かなりシビアにやりました。ピアノの鍵盤の音の強弱やニュアンスを徹底的に詰めていきました。と同時に、緊張感など、ライブに通じる空気もパッキングするように心がけました。

聴き手に寄り添うようなヒューマンな歌声ですが、どんな意識で歌ったのですか?

大橋 いろいろ迷った瞬間もありましたし、自分と向き合ってる感じは強かったですね。イメージはしっかりあるんですけど、歌ってみるとそうならなくて、自分で自分に腹が立つ瞬間もあって、かなり試行錯誤しました。

突破口となったのは?

大橋 小手先の問題じゃないと気付いたことですね。人の名前を呼ぶ時って、そんなに多くのことを考えないな、もっとストレートな思いで呼んでいるなって。そう思った時に、今の自分が表現できる歌と曲の世界観を100パーセント出すことが大事だなってところにたどり着きました。自分の今の状態がよくわかったというか、気づかされたレコーディングでもありました。

「Baby good sleep」はまるで子守唄のようなさりげなさと空間的な広がりを備えた曲です。これはどんな時に?

常田 これも2015年ですね、デモを一杯作っている時期で、バンド・サウンドに近いんですけど、洋楽的なものを小編成でやることをイメージして作りました。この曲も「Revival」と同じメンバーで録ったんですが、5人の顔が見えるという点では一緒ですね。

大橋 英語の詩を入れるのは、僕らの楽曲を聴いてくれている人からすると、結構な違和感があると思うんですが、それがおもしろいほうに転がればいいなって。洋楽ってどんなふうに音が構築されてるんだろうって、二人で話し合いながら作ったので、サウンドも歌詞も僕らの中ではかなりチャレンジした1曲になりました。

アルバム・ラストの「リアライズ」は抑えめの展開でありながら、じわじわ染みてきて、後半では鳥肌が立ちました。この曲は?

大橋 真太君が「静かだけど熱い楽曲があるとライブでいいよね」って言っていて。確かに今までにはない曲だし、こういう楽曲があると、ライブのおもしろさの幅が広がるんじゃないかなってところから始まりました。デモはラララで作っていたんですが、その時点で完成していると感じるくらい、楽曲そのものがストーリーを持っていたので、どんな歌詞を乗せるのか、いろんな可能性があったので、絞っていくのがなかなか難しかったです。

「今回のアルバムは二人でいろんなことを話しながら作ったんですが、二人で答えを見つけていくことが、まんまアルゴリズムなんじゃないかなって」

『新空間アルゴリズム』というタイトルはどんなきっかけから出てきたのですか?

大橋 デビューしてからの三部作が漢字カタカナの組み合わせで、原点回帰ということもあったので、早い段階から「漢字カタカナがいいよね」って二人で話していました。僕らの昔の作品を知ってくれている人たちからすると、視覚的に懐かしい感じがして、聴く前から楽しんでもらえるんじゃないかなという思いもありつつ。最初は“新空間”ではなくて、“真空管”という言葉が出ていたんですが、“新空間”にも取れるし、こっちのほうがいいよねって。“アルゴリズム”は早い段階から出ていました。

常田 僕らって、そんな音楽の作り方だなって思ったんですよ。自分達に何ができるか、ついロジカルに考えてしまうところがあるんですが、それはマイナスなことだけじゃないよねって逆手に取る発想ですね。今回のアルバムは二人でいろんなことを話しながら作ったんですが、二人で答えを見つけていくことが、まんまアルゴリズムなんじゃないかなって。もともと“解を見つける”という意味ですし。リズムという言葉が入っているところも音楽っぽくていい。ツアー・タイトルもそこを意識したので、つながればいいですね。聴いてくれた人と一緒に、解を探していくようなツアーになればと思っています。

“新空間”という言葉に引っかけて、伺いたいのですが、大橋さんと常田さん、ふたりの空間はデビューしてから現在までで変わってきたところはありますか?

大橋 二人とも昔よりも器用に曲作りに向かうことができるようになってきたのが変わってきたところですね。でも音楽への向き合い方もお互いの向き合い方も15年前から、いや、もっと言うと、結成した19年前から変わっていないと思います。

常田 「リアライズ」の話をしてる時、車で移動中で、二人だけだったんですよ。僕が運転して、CDをかけて、話しているという。ひょっとしたら彼が寝ている瞬間もあったかもしれませんけど(笑)。そういうシチュエーションって、昔はなかったので、二人だけの車中が新空間かもしれません(笑)。限りなく日常会話に近いディスカッションを経たものがパッケージされたんじゃないかと思います。

その他のスキマスイッチの作品はこちらへ

ライブ情報

SUKIMASWITCH TOUR 2018“ALGOrhythm”

4月11日(水) 神奈川県 川崎市スポーツ・文化総合センター
4月14日(土) 宮城県 仙台サンプラザホール 
4月18日(水) 大阪府 festival hall 
4月19日(木) 大阪府 festival hall 
4月27日(金) 香川県 サンポートホール高松
4月28日(土) 高知県 高知県立県民文化ホール オレンジホール 
5月3日(木・祝) 岡山県 倉敷市民会館 
5月4日(金・祝) 鳥取県 米子コンベンションセンター
5月6日(日) 広島県 広島文化学園HBGホール 
5月9日(水) 福岡県 福岡サンパレスホール
5月12日(土) 新潟県 新潟テルサ
5月13日(日) 石川県 北陸電力会館 本多の森ホール
5月19日(土) 栃木県 宇都宮市文化会館
5月20日(日) 群馬県 ベイシア文化ホール(群馬県民会館)
5月29日(火) 青森県 八戸市公会堂
5月30日(水) 山形県 やまぎんホール(山形県県民会館)
6月1日(金) 福島県 會津風雅堂
6月6日(水) 東京都 NHKホール
6月10日(日) 愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
6月11日(月) 大阪府 オリックス劇場 
6月18日(月) 京都府 ロームシアター京都
6月19日(火) 兵庫県 神戸国際会館
6月29日(金) 北海道 北見市民会館大ホール
7月1日(日) 北海道 ニトリ文化ホール
7月3日(火) 北海道 七飯町文化センター
7月9日(月) 愛知県 刈谷市総合文化センター 
7月12日(木) 埼玉県 大宮ソニックシティ 大ホール
7月19日(木) 東京都 中野サンプラザホール
7月20日(金) 東京都 中野サンプラザホール
7月26日(木) 静岡県 アクトシティ浜松 大ホール
7月27日(金) 三重県 亀山市文化会館 大ホール 
8月8日(水) 熊本県 市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
8月9日(木) 鹿児島県 宝山ホール(鹿児島県文化センター
8月12日(日) 沖縄県 沖縄コンベンションセンター

スキマスイッチ

大橋卓弥、常田真太郎のソングライター2人からなるユニット。2003年「view」でデビュー。大橋の温かく包み込むような独特の歌声、それを支える常田の卓越したサウンドクリエイトで「奏(かなで)」「全力少年」など、ヒット曲を次々と生み出す。2013年7月9日にはデビュー満10周年を迎え、8月21日に初のオールタイム・ベストアルバム『POPMAN’S WORLD~All Time Best 2003-2013~』をリリース。2017年2月、彼らが敬愛する12組のアーティストをプロデューサーに迎え制作された、リアレンジ・リプロデュースアルバム『re:Action』をリリースし、同企画に参加したアーティストとの対バン・ツアーも敢行。そのツアー中に発表された25thシングル「ミスターカイト/リチェルカ」を9月に発売。デビュー15周年を迎える2018年、7thアルバム『新空間アルゴリズム』を3月14日に発売し、4月からは、全国ツアー「 SUKIMASWITCH TOUR 2018 “ALGOrhythm” 」 で全国27カ所34公演を回る。

オフィシャルサイト
http://www.office-augusta.com/sukimaswitch/

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