映画『ちはやふる -結び-』  vol. 4

Interview

圧倒的な存在感を放つ若き名バイプレイヤー、上白石萌音×矢本悠馬×森永悠希にとって映画『ちはやふる』とは?

圧倒的な存在感を放つ若き名バイプレイヤー、上白石萌音×矢本悠馬×森永悠希にとって映画『ちはやふる』とは?

優れたシリーズ映画の特徴として、映画を観た人が“あいつらにまた会える!”と嬉しくなる、愛すべきキャラクタの存在がある。『ちはやふる』で言えば、それは間違いなく「瑞沢かるた部」の奏ちゃん・肉まんくん・机くんの三人だ。真っすぐゆえ時に暴走してしまう千早と、飄々とヤンチャなようで実は何でも自分で抱え込んでしまう太一を絶妙な距離感であたたかく見守る彼らの存在は、本作『ちはやふる -結び-』でも大きな役割を担うと同時に、最高の“癒し”でもある。

そんな三人を演じた上白石萌音・矢本悠馬・森永悠希は、作中同様、気さくながらもブレない核を持った若き名バイプレイヤー。ほっこりムードのなか繰り広げられた至福のトークを堪能あれ。

取材・文 / 井口啓子 撮影 / 斎藤大嗣

「みんなバラバラで個性の宝庫。現場はリアルな学校だった」(矢本)

「下の句」の初日舞台挨拶での続編制作のサプライズ発表から二年、ついに「結び」が完成しましたね。

森永 あのときは本当にみんな終わっちゃうね…っていう空気でしんみりしてたので、ドーンと来ましたよね。

上白石 ドッキリかと思いました。でも、前作で生まれた俳優同士の関係性がこれまでのどの現場にもないものだったので、またこのメンバーで青春できるんだ!って。それはもう何物にも代え難いものでした。

矢本 いや~、嬉しかったですよね。でも、何秒後かには、「え、一年後って俺何歳?」って焦りましたけど(笑)。

上白石 でも、いざ今回の現場に入ったら、誰よりもすぐ役に馴染んでたよね(笑)。

矢本 いや、それもみんなのおかげですよ。みんなが最初から「役」としていてくれたので自分もスッと入れた。

森永 それはありますね。一年空いて、どうやって戻ろうかと思ってたけど、すでにみんなが役としてそこにいてくれてたから、何もしなくても『ちはやふる』の空気に入れた。

本当に演技を超えた不思議なチーム感がありますよね。

上白石 瑞沢の5人について言うと全員AB型という共通点はあるんです! だけど、まとまってるかと言われればそうでもなくて…(笑)。

森永 別のベクトル向いてるよね。なのに、不思議と成立してる。

矢本 でも、学校とか集団って本来そんなもんじゃないですか? みんなバラバラで個性の宝庫で、やりたいことも違えば考えてることも違う。そういう意味では『ちはやふる』の現場は、わりとリアルな「学校」だったのかなって。そこでお互い寄り添っていくみたいな…。それでいて、いいものを作りたいっていう、作品に対するモチベーションだけは一緒だったし。

みんな確実にパワーアップしているのに、関係性が崩れなかった。(森永)

3作目ともなると役への愛着も沸きますよね。

森永 沸きますね。机くんは「上の句」でみんなと出会った当初は、いわゆるガリ勉タイプの頑な人で…。でも、「下の句」ではみんなの影響ですごく柔らかくなっていったのを感じたし、結びでは先輩として部を見守っていく立場になったので、今回はより柔らかくいようというのは意識しました。

上白石 奏ちゃんはもともと大好きなんですが、「上の句」「下の句」では古典オタクっぷりが全面に出てたんですけど、結びでは自分の百人一首に対する情熱を人に伝えて、それをもって支えてあげるような成長を感じました。今回は千早と太一が不安定になったり、新入生が入ってきたり、いろいろ新しい流れが起こるんですけど、そういう中でブレずにいる。それは奏だけでなく、この3人はみんなそうなんですけど、安心感を大事にしなきゃなと思って演じました。

矢本 うわー、言う事なくなってくな(笑)。肉まんくんは割とリアクションや言葉遣いがユニークでムードメーカー的なポジションかなと思うんですけど、実はチームの中でも大人で。このチームをどう勝たすか? みたいなのを考えるあまり、前作では机くんにちょっとヒドイこともしたんですけど…(笑)。

森永 いえいえ(笑)

矢本 それも彼の大人な考えからくるもので、今回も後輩が来て、より広くチーム全体を見てるお兄ちゃん的なシーンはポイントで意識しつつ。それ意外のところはギャップでヘラヘラしてるんですけど、そういうところも含めて好きなヤツですね(笑)

うんうん、太一が退部して動揺する千早に、肉まんくんが一言わかってやれと声をかけるシーンは素敵でした!

上白石 肉まんくん、締めるところは締めてくれる。今回は特に、太一がいないぶん、みんなが肉まんくんに付いていく感じはありましたよね。

矢本 ありがとうございます。やっぱり実年齢も精神的もオレがいちばん大人なんで。実は素敵な人なんですよ(笑)。

森永 自分で言うな~(笑)。

矢本 でも俺、いちばんびっくりしたのは久し振りに会って、みんなが役者としても成長してることに年長者として感動しました。何様だって感じだけど。

森永 いや、みんな確実にパワーアップしてたよね。なのに、関係性が崩れてない。普通は久し振りに会うと、あ、お久しぶりです…みたいに畏まっちゃってもおかしくないのに、うわ~!!って。(松田)美由紀さんが特に顕著で。

矢本 俺、間あくと人見知りするタイプだから、あのテンションに助けられた。あと完成した作品を見て思ったのが、前作より芝居に厚みがあるぶん説明的な部分を編集でカットしてるなって。太一が部活やめるのに俺に相談するシーンとかパーン! ってカットされてて(笑)。表情だけで太一が重い決断をしてやめたということを暗示する、みたいな。そこは小泉監督の俳優陣へのリスペクトを感じて、嬉しかったです。

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