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映画化も決定! 加藤諒、佐奈宏紀、青木玄徳ら出演舞台「パタリロ!」★スターダスト計画★。爆笑と感動溢れる美青年たちの耽美な世界、そのステージの模様

映画化も決定! 加藤諒、佐奈宏紀、青木玄徳ら出演舞台「パタリロ!」★スターダスト計画★。爆笑と感動溢れる美青年たちの耽美な世界、そのステージの模様

主人公は二頭身の国王。その横で美少年と美少年が美青年を巡って争い、その脇を固めるタマネギ頭をした男たちは、いろいろと脱ぎ捨てた途端にイケメン化する。さらにその周囲を妖艶な格好をしたメンズが、バラの輪を持ちながら歌い踊る……。そんなハチャメチャで耽美なステージがパワーアップして帰ってきた! 舞台「パタリロ!」★スターダスト計画★が3月15日(木)に開幕。映画化も発表された大注目のステージの初日会見&ゲネプロレポートをお伝えする。

取材・文 / 片桐ユウ

歌と踊りと笑いとセクシーにむせ返るような“花とゆめ”が溢れるワールド

客席に入ると、西城秀樹の「YOUNG MAN」、ジュディ・オングの「魅せられて」など、昭和歌謡曲が耳に飛び込んでくる。ここから、すでに「パタリロ!」ワールドは始まっている。

魔夜峰央による漫画「パタリロ!」が『花とゆめ』(白泉社)で連載を開始したのは、1978年。今も『マンガPark』にて連載中であり、コミックスの既刊は間もなく100巻に到達しようとしている。

タイトルは主人公の名前。架空の島国、マリネラ王国の国王・パタリロが巻き起こすドタバタ騒動をシュールなテイストで描き出すギャグ漫画だ。パタリロの周りには、全員がタマネギ頭をした側近・タマネギ部隊や、イギリスの諜報機関MI6の少佐・バンコラン、美少年キラーであるバンコランと恋に落ちた元・暗殺者のマライヒなど、個性的なキャラクターが揃う。

初舞台化は2016年12月、紀伊國屋ホールにて。平成もクライマックスに差しかかったこの時代に、昭和ギャグ全開の「パタリロ!」をどうやって舞台に乗せるのか?という疑問の声は、キャスティングが明かされるとたちまち声援へと変わり、その期待を裏切らない、パタリロ役・加藤 諒のハマりっぷりと、原作の持ち味をそのままに活かしたギャグ&楽曲&展開は絶賛の嵐を呼んだ。

初演の際に発表され、ファンを待ち遠しい想いにさせていた第2弾が、今回の舞台「パタリロ!」★スターダスト計画★。当時こそ「次は2年後の春だと!?」と遠くに感じていたが、初演のインパクトがまったく頭から消えないままに、今作のゲネプロ開幕を迎えることができた。

第2弾舞台は、第1弾を牽引したキャスト&スタッフ陣はそのままに、新キャラクターが加わりパワーアップ。初演の衝撃に負けないエネルギッシュなステージで、劇場を再び爆笑の渦へと巻き込んだ。

初演から引き続き、脚本は池田テツヒロ、演出は小林顕作。第1弾は紀伊國屋ホールで“THE・演劇”的な手法を使った見せ方で観客を驚かせたが、今回の天王洲 銀河劇場では、良きレトロ感はそのままに、映像や照明を多用しショーアップさせている。

そのことで、歌い踊るシーンがさらにパワフルになった。一度聴いたら忘れられないキャッチーな楽曲が畳み掛けるように披露されていく。どこか懐かしさを感じるメロディと振付で、男性キャストのみの舞台だということを忘れてしまうほどに、耽美で華麗なパフォーマンスを見せる。

美少年役がマライヒ(佐奈宏紀)に加えて、ビョルン&アンドレセン(小林亮太)、ロビー少尉(三津谷亮)と増えたことも、華やかさが倍増した理由かもしれない。

初演のストーリーでバンコラン(青木玄徳)のハートを射止めたマライヒは、今作で嫉妬心をあらわにする場面が多々あり、その様子は正妻さながら。セクシー&キュートに凄みを加えた美少年ぶりでバンコランに釘を刺す。アンドレセンも登場シーンの強烈さに負けない美しさでバンコランに迫り、ロビー少尉は可憐な佇まいで惹きつける。

そんな美少年たちから次々に愛されるバンコランの美貌とクールさは相変わらず。完璧に格好良いからこそ、面白いシーンが一層際立つ。真顔でブレずに面白いことをするバンコランからは目が離せない。

今作は、バンコランとマライヒ、ビョルン&アンドレセンの愛憎劇と、ロビー少尉が持つ不思議な能力と夢が、物語の主軸を担っている。美貌に目を奪われ、歌と踊りに体を揺らす楽しいシーンも満載だが、最後は彼らのドラマに胸を打たれるだろう。

その恋愛ドラマにこそ絡まないが、このステージを引っ張っているのは、間違いなくパタリロ。表情、セリフ、歩き方、そのどれもがコミカルで明るさを失わない。まるで太陽のように舞台全体を包み、ギャグとシリアスが交差する世界を成立させていた。

また、小林演出の舞台に欠かせない、スペシャリストたちも見逃せない。
舞台「パタリロ!」では“魔夜メンズ”と呼ばれる、すべての背景を演じるキャストたちが登場する。様々な役を見事に演じ分ける彼らの仕事人っぷりは必見。美少年たちとはまた違ったエロスで舞台を彩っている。個人的には、2.5次元ミュージカルでは珍しい脇の甘い処理がツボ。
そして、魔夜メンズのひとり、佐藤銀平が稽古中に左足を負傷して車椅子で登場しているが、誰ひとり欠けずに……というカンパニーの強い結束力と、ハプニングすらも物語に取り入れる柔軟性が伺えた。

タマネギ部隊の面々は、普段こそタマネギ頭に白ブチメガネのトボけ顔で整列しているが、制服を脱ぎ捨てるとイケメン化。サナギから蝶になるようにイケメンが脱ぎ出てくるジャグジーシーンは、初演に引き続き“日替わりネタ”が楽しめる場面となりそうだ。

初演で観客のハートを掴んだ “白泉社ネタ”や、バンコランがその目線で美少年を射抜く様子をそのまま舞台で表現した“レーザービーム”などは第2弾も健在。ぬいぐるみを使ったミュージカル風の解説で、初演のあらすじも説明してくれる。

原作ファンやアニメ世代、初演でこの独特な世界観の中毒になった観客はもちろん、初めて触れる人も決して置いていかない舞台「パタリロ!」。歌と踊りと笑いとセクシーにむせ返るような花とゆめが溢れるワールド、超能力から宇宙まで登場するスケールの大きさをぜひ劇場で味わって欲しい。

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