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神永圭佑・高野 洸らが回す、運命の歯車は何処(いずこ)へ――ミュージカル「Dance with Devils~Fermata(フェルマータ)~」上演中!

神永圭佑・高野 洸らが回す、運命の歯車は何処(いずこ)へ――ミュージカル「Dance with Devils~Fermata(フェルマータ)~」上演中!

ミュージカル「Dance with Devils~Fermata(フェルマータ)~」が3月15日よりAiiA 2.5 Theater Tokyoにて上演中だ。
今回が第3弾に当たる本作。第1弾も第2弾も、熱狂のうちに幕を閉じた。座長で鉤貫レム役の神永圭佑は、エンタメステーションのインタビューで「日本一のミュージカルを目指す」と語ってくれた。そんな言葉が胸に突き刺さるミュージカル。その模様をレポートしよう。
※エンディングは、“Calma(カルマ)”verを観劇

取材・文・撮影(囲み取材のみ) / 竹下力

完成されたカンパニーが贈る傑作

劇場に入るとすぐ、大時計の内部のような舞台美術に目を奪われる。どこかヨーロッパの趣がある……運命の歯車を思わせるような豪華絢爛な舞台美術は松生紘子。彼女はイギリスで舞台美術の研鑽を積んできた凄腕。そんな彼女の手掛けたセットに色とりどりの映像が照射される。

ライティングも感動的な美しさだ。ミュージカルなので、歌、ダンス、芝居と大きく分けると3つのパートがあるのだが、その端々でライティングが舞台に華を添えている。

そもそもミュージカル「Dance with Devils」は、同作のTVアニメを原作とした舞台。ミュージカルアニメと冠がついており、放送されたTVシリーズでは、キャラクターたちが作中で想いを“歌う”ことで自分の気持ちを伝える斬新なスタイルでアニメファンの心を掴んだ。

2016年3月、ファンの熱望により舞台化され、第1弾ミュージカル「Dance with Devils」(通称:デビミュ)が実現。同年12月には第2弾公演、ミュージカル「Dance with Devils~D.C.(ダ・カーポ)~」が上演され、ミュージカルファンを中心に高い評価を得た。このたび、さらなる熱いファンの期待に応える形で上演が決定した第3弾も、ダ・カーポに引き続き“Calma(カルマ)”“Elegante(エレガンテ)”、という2つのエンディングがある。

ストーリーは、エンタメステーションのインタビューにて、レム役の神永圭佑が、「ほとんどの登場人物がアクマとヴァンパイア、エクソシストという存在であることや、「禁断のグリモワール」という謎の存在への驚きの気持ちが強かったのですが、設定がぶっ飛んでいることに面白みを感じました。ストーリーは、一人の女の子・立華リツカを奪い合うというシンプルなもので、現実にもある話だと思います。アニメの複雑な設定とシンプルなストーリーの絡み合いが絶妙だと思いました」と語ってくれたように、「禁断のグリモワール」の鍵を握る少女・立華リツカを巡り、アクマとヴァンパイア、エクソシストの三つ巴の戦いが始まる……といった物語。

それぞれのキャラクターもシンプルながら奥深い造形に目が行く。鉤貫レムの神永は「レムは四皇學園の生徒会長で、人間界にきたアクマという役です。アクマ界ではアーロンド家の次期当主で、高貴なポジション。冷静沈着でクールな役どころです。ただ、リツカへの感情を心に押し殺していけばいくほど、レムの中に生まれてくる感情が表情やセリフに反映される。冷酷無比ではありますが、垣間見える可愛らしさや、人に対する暖かさが魅力的です」と語る。 時に魔界の王子たる毅然とした態度をとるも、リツカにはどうしても心が揺れ動いてしまうーーしかし凜とした姿勢を崩すことなく最後まで舞台に立ち続ける。そんなレムの生き様を見事に描いていた。

立華リンド役の高野 洸は、前述の記事で「リンドは妹のリツカを心底愛しているエクソシストという役です。感情表現がストレートな熱血漢ですね。いろんなものを守ることが多いのに、リンドには真剣に守り通そうとする意志があるから重荷を感じていないんです」と語っていたが、熱血漢であり、レムに常に対抗意識がありながら彼がリツカを守っていることを知り複雑な心境になる……というリンドの心境をレムとは対照的にホットに好演していた。

そして、レムの幼馴染である楚神ウリエ役の山﨑晶吾は、生徒会の副会長、モテ男で優男風に思える絶品の演技。

同じくアクマの南那城メィジ役の吉岡 佑は、オラオラ系ではあるが、強引でありながらどこか引き際もわかっているかっこいいキャラクターを演じていて惚れ惚れしてしまう。

棗坂シキ役の安川純平は、堕天使という役どころ。複雑で狂気さえ帯びた役を十分に生きていた。また、ローエン役の内藤大希は、レムに忠誠心を誓うも、実は奥底に秘めたる想いを抱えている人物、その本音と建前の演技に目をみはる。何よりも歌の伸びやかさに耳が惹かれてしまう魅力的なキャラクターだった。

マリウス役の北川尚弥は、語り部として終始しているがまさに八面六臂の活躍。彼がストーリーの展開をわかりやすく説明してくれるので、舞台上で起こっていることがすべて理解でき、今後の展開を楽しみに見せる役どころを徹底して演じていた。

ヴァンパイアであるジェキ役の田中涼星は、舞台を引っかき回す様が圧巻。彼の細くてそれでいて高い身長の体躯でゴシック系の衣装を纏うと、まるでヴァンパイアそのもの。そんな彼を追うと必ず大切なシーンにめぐりあえる。

それぞれのキャラクターが魂を与えられ、完成されたカンパニーが出来上がっている。そしてやはり注目したいのは、立華リツカ表現の肝付瑠生のダンス。振付の當間里美によるものなのだろう、妖艶で美しくて、繊細な踊りは、皆が彼女を奪いたくなる理由もわかる気になってしまう。まさに「Dance with Devils」だ。

脚本・演出の三浦 香はそういったキャラクターの造形を踏まえた上で、丁寧でありながら、時に大胆に演出していく。キャラクターの心情を歌ったシーンや芝居や殺陣をテンポよく見せブレるところがまったくない。

さらに、音楽プロデューサーの藤田淳平、音楽のElements Garden、オリジナル曲作詞のうえのけいこのケミストリーは絶品だ。この魅力的な歌を十全にこなしていた役者たちに大きな拍手を送りたい。舞台を所狭しと動きながら、ロックにスパニッシュにヒップホップ、バラードと息をつかせぬバリエーションに富んだ曲が続き、聴いていて飽きることがない。

本作は、観て、聴いて、心で感じる舞台。舞台とはそもそもそういったものではないだろうか。2つのストーリー、どちらに転ぶかわからない運命の歯車に、ワクワクやドキドキがずっと止まらなくなる。公演は25日までだ。

ストーリーも演出も舞台セットも変わった新しい“デビミュ”

本作では、ゲネプロ前に囲み取材が行われ、神永圭佑、高野 洸、山﨑晶吾、吉岡 佑、安川純平、内藤大希、北川尚弥、田中涼星が登壇した。

神永圭佑は「前作、前々作からの続投組は、前回を超えるため、互いに互いを高め合ってきました」と静かに語ると、高野 洸は「初めて参加させていただきます。2つのストーリーがあるので、プレッシャーもありましたが、稽古を積んでプレッシャーをはねのけてきました。期待してください」と熱く意気込んだ。安川純平は「1ヶ月稽古をしてきて、デビミュらしい座組みの空気感ができたと思っています。お客様にこのカンパニーの気持ちが届くように頑張りたいです」と抱負を述べた。

また、脚本・演出の三浦香に伝えられたことについて、山﨑晶吾は「女の子にモテる役なので、自信をつけるために街中で100人の女の子にナンパをしてこいと言われました」と会場を笑わせ、吉岡 佑は「オラオラ系のヤンキーではなくて妖艶さも出せと言われましたね」としみじみ。安川は「見た目もセリフも気持ち悪いなと言われまして……気持ち悪さを追求していきたいです」とこちらも笑いを誘った。三浦香の作品に多く出演する内藤大希は「初心に帰って、お客さんをどうリツカに見立てるのかを心がけるように言われました」と場を引き締めた。

そして、北川尚弥は「語り部だから絡みがないので、稽古場も一人でいて寂しかったです(笑)」と苦労を述べて場を再び和ませ、田中涼星は「大丈夫。一人じゃないよ」と慰めながら「もう少しキャラクターの広がりを見せないと、お客様に怒られると言われたので、キャラクターを掘り下げながら稽古をしてきました」と微笑んだ。

最後に神永は「ストーリーも演出も舞台セットも変わっていますし、役者がこの舞台の真髄を追求する時間が長かった。稽古場で無駄に過ごす時間がなかったですね。今回もストーリーを楽しんでいただき、エンディングによっては曲の構成も変わってくるので、楽しみにしてください」と盛大のうちに囲み取材は幕を閉じた。

ミュージカル「Dance with Devils~Fermata(フェルマータ)~」

ミュージカル「Dance with Devils~Fermata(フェルマータ)~」アニメ版メインビジュアル

2018年3月15日(木)~25日(日)
東京都 AiiA 2.5 Theater Tokyo

原案:岩崎大介(Rejet)
原作:グリモワール編纂室
脚本・演出:三浦香
脚本協力:金春智子、中瀬理香、横手美智子、内海照子
音楽:Elements Garden
音楽プロデューサー:藤田淳平
オリジナル曲作詞:うえのけいこ

出演
鉤貫レム:神永圭佑 、立華リンド:高野 洸 、楚神ウリエ:山﨑晶吾
南那城メィジ:吉岡 佑、棗坂シキ:安川純平 、ローエン:内藤大希
ヴィフ:鷲尾 昇、グラン:木全寛幸、エル:福井大輔
シダ:小林竜之、カズラ:福島海太、ワラビ: まうい
北川雄也、辻 大樹、木村充希、逢坂 空、尾関晃輔
マリウス:北川尚弥、立華リツカ表現:肝付瑠生、ジェキ:田中涼星

舞台「Dance with Devils~Fermata(フェルマータ)~」3大朗報!

1.今作「Dance with Devils~Fermata(フェルマータ)~」のBlu-rayが早くも発売決定! 公演中、劇場でご予約した【全員】をメインキャストによるトーク&ハイタッチ会にご招待! 詳しくはオフィシャルサイトへ。

2.残席がある回に限り、チケットぴあにて当日引換券販売を実施中!
チケットぴあ

3.日替わりキャストでお届けするミニコンサート「アクマの歌宴」もお楽しみに!
日替わりキャスト一覧

©グリモワール編纂室/デビミュ製作委員会
©グリモワール編纂室/Dance with Devils F 製作委員会