Interview

瀬川あやか 2ndアルバムは恋愛をテーマ編んだ1枚。“実体験を元にして曲を書く”という彼女が今回の意欲作に詰め込んだ想いと、その制作過程を訊く。

瀬川あやか 2ndアルバムは恋愛をテーマ編んだ1枚。“実体験を元にして曲を書く”という彼女が今回の意欲作に詰め込んだ想いと、その制作過程を訊く。

約1年ぶりにリリースされる瀬川あやかの2ndアルバム「センチメンタル」。そこには様々なシチュエーションや感情を散りばめた、恋愛をテーマとする全10曲が瑞々しく並んでいる。これまでの活動の中で手にしたたくさんの経験を昇華して生み出した楽曲群からは、新たな魅力もたっぷりと感じ取ることができるはずだ。デビュー2周年を目前に控える彼女は、果たしてどんな思いを込めて本作を紡いでいったのか? たっぷりと話を聞いた。

取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 荻原大志

恋愛からはすごくたくさんのパワーをもらえてきたなって思うんですよ

昨年リリースされた1stアルバム「SegaWanderful」は、ご自身の軸となるアーティスト性を理解してもらうためにデビュー以前に作られた初期の曲だけで構成されていました。そこから約1年。今回の2ndアルバムはどんな思いを持って編んでいったのでしょう?

今回も初期の曲は入っているので今までの瀬川あやかとかけ離れた内容になっていないとは思うんですけど、最近作った曲を入れることで曲調や歌詞に関しての変化を感じてもらえたらいいなっていう思いはありましたね。あと今回は、収録曲のすべてが恋愛をテーマにしたものになっているのも特徴だと思います。

アルバム自体を“恋愛”というテーマでまとめたのはどうしてだったんですか?

今までの人生を振り返ると、恋愛からはすごくたくさんのパワーをもらえてきたなって思うんですよ。時には悲しい気持ちになったりすることもあるけど、そういうことも含めて私はこれからもずっと恋愛には振り回されていくんだろうなとも思うし。

瀬川さんは恋愛に振り回されてますか。

そうやって言うとね、周りの人にも“瀬川、大丈夫?”って心配されたりするんですけど(笑)。でもネガティブな意味の“振り回される”じゃないんです。だって、いい恋愛をしてるときだって振り回されてるようなものじゃないですか。ウキウキした気持ちで満たされて、デートのために仕事を頑張るとかってことも客観的に見たら振り回されてるのと一緒だよねっていう。

ある意味、自分にとっての人生のテーマでもある“恋愛”

あー確かにそうかもしれないですね。

そうやって私は恋愛に振り回されながら助けられてもきたし、人間としても成長してこれたような気がしているんです。なので、ある意味、自分にとっての人生のテーマでもある“恋愛”を2枚目のアルバムのテーマにしてみたらおもしろいかもなって思ったんですよね。

収録曲に関してはどうやって選んでいったんですか?

まず最初に、これまでずっと一緒に活動してきたせがあやスタッフのみんなに私のストックの中から好きな曲を選んでもらったんですよ。それがすごくおもしろくって。「うんうん、私もこの曲は好き!」っていうものもあれば、「えー! この曲を選ぶんだ!」みたいな意外な意見もたくさんあって。そういったスタッフの意見を参考にしつつ、最終的なセレクトは私自身でやっていったので、今までとは違った挑戦的な曲も収録することができたと思うんですよね。

以前、断片的なものを含めるとストックは70曲くらいあるとおっしゃっていましたよね。その中で恋愛をテーマにした曲の割り合いは?

7割、8割くらいですかね。けっこう多いと思います。しかもガッツリ恋愛ソングだとわかる曲がある一方で、恋愛をモチーフにして書いたわけではないけどとらえ方によってはそう聴こえてくるタイプもあるんですよ。今回収録したものの中では「MIKE」とか「Have a good day!」なんかがそうなんですけど。そうやって考えると、私が作る曲はほぼほぼ恋愛の曲って感じにもなってくるっていう(笑)。

あらためて聴くと「いろんなことがあったよな」って思うこともある

本作の全10曲を聴かせていただくと、それぞれの曲で描かれているシチュエーションも感情も非常にバリエーション豊かで。それはつまり恋愛というものが非常に奥深いものであることの証明だと思うし、だからこそ瀬川さんのクリエイティビティを刺激するものでもあるのかなぁと。

うんうん、そうだと思います。私は基本的に実体験を元にして曲を書くので、あらためて聴くと「いろんなことがあったよな」って思うこともある。その反面、実体験から想像を膨らませて物語を作っていくことも多いので、そういうときには未知なる恋愛との出会いにワクワクもするんですよね。そうやって曲にしていくのは本当にすごくおもしろいことでもあるので、そういう意味でも私はこれからも恋愛に振り回されていくんだろうなって思っちゃいますね(笑)。

では本作収録の新曲たちについてお話を伺っていきましょう。まずは「マスカット」。せつない雰囲気でのアルバムの幕開けに意表を突かれました。

私の場合、マイナーから始まる曲ってあんまりないですからね。曲調的にも今までとはちょっと違った雰囲気もあるし。なので、この曲をアルバムの1曲目にしたらみんなの気持ちをしっかりつかんでくれるんじゃないかなっていう狙いは私の中にもありました。

歌詞には“手”というワードがたくさん出てきますね。

私にとって“手”はすごく大事なんですよ。例えば、お母さんにおなかを撫でられたら痛いのが治っちゃったりとか、手を繋いで「大丈夫」って言われると本当に大丈夫な気がしてくるとか、そういうことってあるじゃないですか。

その人たちはなんでその手を選んだんだろう」、「なんでその手を見つけられたんだろう」ってすごく思うんです

確かに。で、それは恋愛においても同様であると。

うん。ものすごくたくさんの人が歩いているスクランブル交差点で手をつないでいる男女っているじゃないですか。それを見た時に私は、「その人たちはなんでその手を選んだんだろう」、「なんでその手を見つけられたんだろう」ってすごく思うんです。そんな思いから出発して、この曲は生まれたんですよね。

やっと見つけた大切な手を離さないことを誓うこの曲に「マスカット」というタイトルを掲げたのはどうしてだったんですか?

これはね、この歌詞を書いているときにたまたまマスカットを食べていて。そこでふと思ったんです。「私は今、なんでこの一粒を取ったんだろう?」って(笑)。それが、スクランブル交差点で立ち止まったときに抱いた感情と同じだったからタイトルに使わせてもらうことにしたんですよね。

3曲目にはリード曲となる「WAKE UP !!」が。ピアノロック的なサウンドも、歌詞の世界観もとにかく楽しい雰囲気です。

アルバムの中では、この子が一番ハッピーですね。「あの人のことが好きかもしれない!」って気づいたときのパワー感、テンション感みたいなものをダイレクトに感じて欲しいなと思って書きました。気持ち的にモヤモヤしてる感じはほぼ入ってないです。むしろ「これだー!」みたいな(笑)。学生時代とか、もうちょっと年齢が若かったころの感情に近いかもしれないです。

恋が“WAKE UP”する瞬間はほんとに人それぞれだと思うんですよ。

“恋が目を覚ます”って、すごくいいフレーズですよね。

ありがとうございます! 案外、自然と出てきたフレーズだったんですけど、そこに引っかかってくれる方が多いので嬉しいですね。恋が“WAKE UP”する瞬間はほんとに人それぞれだと思うんですよ。ひと目惚れはもちろん、長く一緒にいる人の意外な一面を見たときなんかにも起こりうることだと思うし。そういう瞬間は大事にしたいなって思いますよね。

歌声にはハッピーな成分が増し増しで。

あははは。レコーディングはテンション高く臨めましたね。前奏でちょっと飛び跳ねながら準備して歌に入っていく、みたいな。楽しくのびのび歌えました。

ミュージックビデオでは楽しい振り付けも披露されていますね。

この曲の楽しい雰囲気をさらに強めていただいた感じですよね。今回は、私の大学の後輩や看護の友達に出演してもらって、一緒に踊っているんですよ。そういった意味ではすごくアットホームな作品にもなっていると思います。老若男女が楽しめる振りになっているので、ライブではみんな一緒に踊りたいです!

続いての「春ヲ想フ」は跳ねたリズムが心地よい、春らしさのあるポップナンバーです。個人的に一番ヒットしました。すごく好き。

あー嬉しい! 私も1番好きな曲なんですよ。季節的にも「今しかない!」と思って、選曲会議では「絶対入れたいです!」って言い張ってました(笑)。アレンジは宗本(康兵)さんにお願いしました。「大好きな曲なんで、かっこよくキレッキレな感じにしちゃってください!」って言ったら、もう興奮するくらいの仕上がりにしていただけて。

タイトルの表記や、歌詞に出てくる“離れがたき”など、ちょっと古風な和のイメージが盛り込まれているのも素敵ですよね。

桜が出てくる春の歌ってなると、それは日本の文化でもあるじゃないですか。だったらそういうエッセンスを入れてみるのもいいんじゃないかなと思ったんですよね。とは言え、あまりにもそういうテイストが強すぎて自分っぽくなくなってしまうのはイヤだったので、さりげない感じで盛り込んでいきました。そこまで意識せず、自由に書いていく感じで。

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