Interview

【インタビュー】林原めぐみ “50歳の初ライブ”を経て新アルバム完成。『幽☆遊☆白書』時代の収録秘話、“全力”と“強さ”の模索を語る

【インタビュー】林原めぐみ “50歳の初ライブ”を経て新アルバム完成。『幽☆遊☆白書』時代の収録秘話、“全力”と“強さ”の模索を語る

自身の51回目の誕生日にニュー・アルバム『Fifty~Fifty』をリリースする、声優・林原めぐみ。本稿では、自らの音楽活動への向き合い方についてはもちろん、そのアルバムのラストを飾る「Fifty」に込めたメッセージとも繋がる、経験を積んだ今だからこそ胸の内に持つ想いについても語ってくれた。

取材 / 冨田明宏 文 / 須永兼次


自身としては、決して“7年ぶり”ではないアルバム

今回のアルバムのジャケットを拝見したとき、「攻めてるな」と感じました。そのコンセプトは、どのようなものなのでしょう?

まんま『Fifty~Fifty』って見て取れるだろうということと、まいど私の雑すぎるラフ画を洋服にしていただいているんですが、このふたつのワンピースは、実は同じデザインなんです。生地感が違うだけでこんなにも世界が変わる、っていうことを表現しています。そしてナチュラルの部分がニュートラルであればあるほど、どこにでもギアが入れられる。それが宇宙物体であれ、少年であれ、イタコであれ落語嫌いの女であれ。どこでも飛べるっていうことの象徴という感じですかね。

一応、これが銀色とグレーであることにも非常に意味があるんですけど、その理由を言っちゃうと驚きがなくなっちゃうな……と思っているので、それは言うにしても少し経ってからにするつもりです。

そんなこのアルバムは、7年ぶりのオリジナルアルバムとなりました。

なんか、“7年ぶり”って嫌ですよね(笑)。たとえば前作の『with you』(2017年5月)はトリビュート・アルバムって呼ばれてはいますけど、昔はアルバムはアルバムだったんですよね。それに、新録の有無はともかく「衣装どうしよう」とか「曲順どうしよう」とか、脳の動く速度だったり心を割く比重はどのアルバムでも変わらないので、「名刺にいらなくない?その肩書」って思います。全部アルバムだっつーの(笑)。

すべてに対して同じぐらいの労力をかけて、こだわって制作されてきたわけですよね。

あと私の場合は、「オリジナルアルバムって『ふわり』ぐらいじゃない?」って思うんです。ずっと「アニメの曲がある程度たまった。じゃあ新曲何曲か入れて出すか」っていうのが林原スタイルだったので。本人発信のものだけで1枚作ったのは多分『ふわり』ぐらいで。それ以外は全部作品ベストみたいなものだし、今回もほんとにオリジナルか?って言うと、そうでもないぞっていう感じですけど(笑)。

今も昔も、音楽活動へ向き合う気持ちは変わらない

今回のアルバムは、林原さんのお誕生日に合わせて3月30日にリリースとなります。

ファンの人にとっても記念の気持ちになりますよね。世の中のリリース日の設定よりも、ファンの人のうれしさに目を向けてるんだと思うので、それはいいことなんじゃないかなって思います。

「Fifty」でも過去の自分やこれからの自分、それを聴いている皆さんに対してのメッセージが込められていましたが、アルバムタイトル自体はどのような想いでつけられたのでしょうか?

50歳で初ライブっていう面白い経験もしたし、“50”という数字って、それなりに数字として力強いと思うんです。そこにまず乗っかりまして。あとはやっぱり、私にとっては『Half and, Half』という、“私半分、キャラクター半分”っていうアルバムが最初だったので、今も「キャラクターがあって、作品があって、私だし」っていうところはまったくもって変わらない、という意味で。いつの間にか非常に長くなってしまった音楽活動のひとつの締めとしては、今ちょうど歌った曲は全部入ってるので、いいんじゃないかしらっていう感じですね。

いちリスナーとしてアルバムを聴かせていただいたとき、まず「集結の園へ~セカンドインパクト~」がすっごい攻めの曲でインパクトがあって。そのあとも『エヴァ』とジャズの出会いから生まれた楽曲たちは、これはいい意味で年齢を重ねて経験を積まないと出せない味だなと思いました。

味……そうなのよね。だいぶ前のお話なんですけど、『幽☆遊☆白書』の現場に槐(柳二)さんという役者さんがいらっしゃって。まるで酔拳の達人のようなお芝居でほいほいっと演じられているその方に、私のモチベーションがまったくかなわなくて。こちとら喉から血が出るぐらいの勢いで全力で立ち向かってるのに。それですごく悔しがっていたら槐さんは「そんなもんだよ~」みたいに笑って帰っちゃったんだけど、「納得がいかない!」と勝手に思っていたんですよ。

そんな血気盛んな若い頃に、千葉 繁さんから「めぐちゃんが槐さんの歳になる頃までこの仕事していたらわかるよ」って言われまして。当時の槐さんは65歳ぐらいだったと思うんですけど、50歳になった今ならその意味が少しわかりますね。

1 2 >