黒川文雄のエンタメ異人伝  vol. 14

Column

ゲームクリエイター小口久雄氏が語るエンタメ論(下)今後のエンタメのキーワードは「アナログ」

ゲームクリエイター小口久雄氏が語るエンタメ論(下)今後のエンタメのキーワードは「アナログ」

ラスベガスってカジノとしては異色で、特殊な場所なんだよ

特殊なんですか、あそこって。

小口 実はカジノって大方が地域密着型なのね。カリフォルニアにしろネバダにしろ、大概の郊外のカジノは日本でいったらレジャーランド。スパがあって、ボーリング場があって、レストランがあって、たまにはゲーセンもあって、ちょっとしたショッピングもできて、それでカジノみたいな。全然ケバいものでもないし、ヘンな場所でもないし。

いや、ラスベガスも僕はそう思ってますよ。遊園地っぽいものあるし、館内に3Dシアターみたいなものもあったりするし。そういう意味ではレジャー施設かなと思います。

小口 そうだね。でも一番の違いは規模の大きさ。巨大テーマパークと温泉ランドくらいの違いかな。温泉ランドは地域の社交場でしょ。なので、ああいうカジノが日本にいっぱいできていくのは、むしろ健全なことなのかなっていう気はする。で、大人だったら、やっぱりちょっとお金を賭けたいじゃない。メダルゲームでお金に換えられないのって日本くらいだからね。

お金にならないのにと僕もよく思ってました。

小口 だからこそ、ゲームそのものが楽しくなきゃいけない。僕はずっとそう思いながらメダルゲームを作ってきた。ギャンブル機だと余分なエンタテインメントはあんまりいらないんだよね。

目的が違いますからね。

小口 そういうこと。だけど、やっぱりギャンブル機も面白いほうがいいわけ。負けても面白かったらまだいいけど、つまんないゲーム機で負けたらね。

ぶっ壊したくなりますよね(笑)。

小口 その通り。だから、本質はちょっと違うけど、やっぱり面白いほうがいいに決まってるんだよ。

会社の都合ばっか考え過ぎてるんで、もっと好きに作れよ

ちょっと聞きにくいんですが、パチンコはどうなっていくと思われますか。

小口 なんだかんだ残っていくとは思う。何百万人っていう人が、そこにいて仕事しているからね。日本の文化だし、なくなりはしないと思うよ。ただ、遊技ってのはやっぱり2千円、3千円とかでできる、学生でも遊べるようなものがいいんじゃないかな。そういう本当の遊技になっていくことが、この業界が継続・発展できる形だと僕は思ってるのね。

なので、今回の警察庁の規制(注33)は長期的に見れば悪くはないと思ってる。ホントの遊技機に戻ればいいんだよ。遊技機の範囲で、千円札で遊べるような地域密着型のものでいい。産業にするんだったら、やっぱり遊技は遊技として生きていくのが一番いいと思う。

注33:2018年2月より施行された新たなパチンコ・パチスロの出玉規制のこと。

ありがとうございました。最後にクリエイターやモノを作っている人に何かメッセージをいただけますか。

小口 最近は会社の都合ばかり考え過ぎてるんで、もっと好きに作れよって。

いい言葉です、ありがとうございました。

撮影 / 北岡一浩 取材協力 / 仁志睦

著者プロフィール:黒川文雄【インタビュー取材】

くろかわ・ふみお
1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDEにてゲームソフトビジネス、デックスエンタテインメント、NHN Japan(現LINE・NHN PlayArt)にてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。アドバイザー・顧問。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。株式会社ジェミニエンタテインメント代表。DMMオンラインサロンにて「オンラインサロン黒川塾」を展開中。
黒川塾主宰。ゲームコンテンツ、映像コンテンツなどプロデュース作多数。

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