Report

シリーズ5作目、刀剣男士たちそれぞれの想いを秘めた、新たな戦いが始まる。ミュージカル『刀剣乱舞』 ~結びの響、始まりの音~ 開幕!

シリーズ5作目、刀剣男士たちそれぞれの想いを秘めた、新たな戦いが始まる。ミュージカル『刀剣乱舞』 ~結びの響、始まりの音~ 開幕!

「今回の作品そのものを表している題名でもあり、今までやってきたミュージカル『刀剣乱舞』を表している言葉」と、演出・茅野イサムが意味深に語ったタイトルを持つ、ミュージカル『刀剣乱舞』 ~結びの響、始まりの音~が、3月24日(土)より東京・日本青年館ホールにて開幕した。幕末の刀剣男士が中心となって向かった先は、時代の終わりが目前に迫った大政奉還後。歴史を見守る刀剣男士たちの想いが胸に迫るミュージカルと、華やかなライブで綴られる二部構成のステージ。ゲネプロレポートと囲み取材のコメントを届ける。

取材・文 / 片桐ユウ 撮影 / 中原幸

この作品をもってひとつの結びを迎える。そして、これから先に繋がっていく始まりの作品になっていく

海外公演や大規模ライブでも成功を収めているミュージカル『刀剣乱舞』。名だたる刀剣が戦士の姿となった“刀剣男士”を収集・育成する大人気PCブラウザ・スマホアプリゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」(DMM GAMES/Nitroplus)を原案とし、多岐にわたる活動で話題を集め続けている人気シリーズだ。

2015年の初演から数えて、本作はシリーズ5作目となる。2作目の「幕末天狼傳」で登場した新撰組隊士を元主とする刀剣男士たち、大和守安定、和泉守兼定、堀川国広、長曽祢虎徹の4振りに加え、坂本龍馬が所持していた刀剣・陸奥守吉行と、巴形と呼ばれる形状に分類される薙刀の集合体である刀剣男士・巴形薙刀が加わった6振りで、新たな戦場での物語を描く。

物語の背景はこれまでどおり、未来で歴史修正主義者による過去への攻撃が始まり、物に眠る“想い”を目覚めさせる力を持つ“審神者(さにわ)”と、審神者によって励起された名だたる刀剣たちの付喪神が戦士となった“刀剣男士”たちが、歴史を守る戦いへと身を投じていく世界。

今回の出陣先は、時代の終わりが目前に迫った大政奉還後。敵の狙いは新撰組の生き残り隊士たちを率い、新政府軍と戦いを続ける土方歳三だ。

大和守安定 役 鳥越裕貴

土方が愛用したと言われる打刀の和泉守兼定、同じく土方の脇差であった堀川国広、新撰組局長・近藤 勇の愛刀であった長曽祢虎徹、沖田総司が使用していたとされる打刀・大和守安定は穏やかではいられない。

ミュージカルは、その様子を繊細かつ丁寧に綴っていく。「幕末天狼傳」を経た刀剣男士たちは、それぞれ成長した姿を見せてくれた。歌や殺陣のクオリティももちろんだが、細やかに揺れ動く演技にも目を見張る。

和泉守兼定 役 有澤樟太郎

和泉守兼定 役の有澤樟太郎は、最も葛藤する役どころ。時に激昂し、時に不器用な涙を流して、見る者の心を揺さぶった。そんな和泉守兼定のためを思って奔走する堀川国広 役の阪本奨悟は、まっすぐでひたむき。長曽祢虎徹を演じる伊万里有のおおらかさ、大和守安定を演じる鳥越裕貴の場をなごませる力が、シリアスなストーリーの中に光る明るいパートを担っていた。

堀川国広 役 阪本奨悟

特筆したいのは、土方歳三 役の高木トモユキの熱演。「幕末天狼傳」で別れた近藤 勇、沖田総司の志を共に背負っている覚悟を感じた。さらに、土方と道を共にして新政府軍と戦う、島田 魁 役の辰巳智秋と中島 登 役の新原 武の名演も欠かせない。彼らの生き様と熱量が刀剣男士と共鳴し、倍増していく様子が見て取れた。

長曽祢虎徹 役 伊万里 有

また、「幕末天狼傳」を見届けたファンの方であれば、ハッとするようなセリフとやり取りも含まれているので、シリーズを通して観ている楽しさも一層味わえるだろう。

新しく登場したキャラクターたちも、その熱量に負けていない。土方を新天地へ誘う榎本武揚を演じるのは、歌唱力に定評のある藤田 玲。愛嬌のある人物像を作り上げ、朗々とした歌声でステージに華を添えた。

陸奥守吉行 役 田村 心

和泉守兼定とは違う形で、かつての主・坂本龍馬を語るのは陸奥守吉行。演じる田村 心は、新撰組の刀剣男士たちとは別の男らしさと明るさを見せて物語の軸を貫いていた。

かつての主同士が戦った仲である刀剣男士たちが、共闘し、互いの心情を分かち合うところもミュージカル『刀剣乱舞』の面白さ。今回のストーリーは、そういった部分も存分に楽しめる展開となっている。

巴形薙刀 役 丘山晴己

今回の隊長を務める巴形薙刀にも注目したい。原案のゲームでも最近追加された新たな刀剣男士であり、銘や逸話を持つ固有の薙刀ではなく、巴形という形状に分類される薙刀の集合体が姿を成したという、彼らの中でも珍しいケースの刀剣男士だ。

そんな複雑な背景を持つ巴形薙刀を演じるのは、丘山晴己。ブロードウェイでも活躍していたダンス能力を持つ彼の2部でのパフォーマンスも必見だが、1部では、ほかとは違った眼差しで歴史を見守る巴形薙刀を美しい佇まいで見せてくれる。

巴形薙刀の見る“ものがたり”が、今回の“刀ミュ”で最も踏み込んだ部分であり、『刀剣乱舞』の世界観をより深めた要素であることは間違いないだろう。そして、ネタバレ厳禁の、衝撃と感動のエンディングが待っている──。

ゲネプロ直前に行われたフォトセッションには、大和守安定 役・鳥越裕貴、和泉守兼定 役・有澤樟太郎、陸奥守吉行 役・田村 心、堀川国広 役・阪本奨悟、長曽祢虎徹 役・伊万里 有、巴形薙刀 役・丘山晴己が登壇。意気込みを語った。

大和守安定 役:鳥越裕貴
今までいろんな歴史上人物キャスト、そして刀剣男士たちによって、このミュージカル『刀剣乱舞』という世界観をすごく掘り下げてきたんですけれども、今回はさらに深く深く掘り下げた作品になっております。そしてこの作品を観るとまた「刀剣乱舞」の見方が変わるのではないかと僕は思っております。楽しみにしていてください。

和泉守兼定 役:有澤樟太郎
皆で稽古して大事に作り上げてきたものを、今日やっとみなさんに観ていただけるということで、とても楽しみであり、嬉しい気持ちでいっぱいです。今回、男の色気であったり、恰好よさであったり、少し不器用なところ、そして泥くさいところ……漢の魅力がたっぷりと詰まった漢らしい作品になっていると思いますので、そこにぜひ注目していただきたいと思います。

陸奥守吉行 役:田村 心
ミュージカル『刀剣乱舞』は、自分の大好きな憧れの作品だったので、今こうして刀剣男士として出演できることが夢のようで、とても嬉しく思います。今日から公演が始まりますが、陸奥守吉行らしく、明るく元気に頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

堀川国広 役:阪本奨悟
今回初めてミュージカル『刀剣乱舞』に出演させていただきます。僕は過去の作品から観させていただいていますが、本当に夢のようなこの作品に僕も参加できているんだ、という実感はまだまだ湧いておりません。けれども、しっかり素敵な作品になるように全力で尽くしたいと思います。

長曽祢虎徹 役:伊万里 有
前回の「幕末天狼傳」では、長曽祢虎徹と大和守安定は主の死を経験し、そしていろいろな想いを抱えて頑張ってきました。今回は新しい刀剣男士の陸奥守吉行、そして巴形薙刀がどういう関係性、立ち位置になっているか、ファンの方々、お客様も気になっていると思いますが、ミュージカル『刀剣乱舞』史上、類をみない革命が起こっていると僕は思っているので、そこを楽しみにしていただければ嬉しく思います。

巴形薙刀 役:丘山晴己
僕はとてもこの作品に興味がありまして、以前から観させていただいていたんですけれども、この革命的な作品に出演させていただけること、心からVery Happyです。このためにアメリカから帰ってきたのではないかというくらい、僕も本当に気合いが入っています。素晴らしい演出家、振付師、スタッフ陣も含め、みなさんの力が頂点にきている状態だと思います。みなさんに楽しんでいただけるように頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

演出:茅野イサム
内容についてはまったく触れられないのですけれど、おそらく観てくださるお客様には、ミュージカル『刀剣乱舞』はここまで踏み込むのか、と驚いていただけると思います。今回の「結びの響、始まりの音」という題名は、今作そのものを表している題名でもありますが、もっと広く言うと、僕たちが今までやってきたミュージカル『刀剣乱舞』を表している言葉、そういう作品になっていると思います。5作目になりますけれども、この作品をもってひとつの結びを迎えるな、と思っています。作りながら、これから先のミュージカル『刀剣乱舞』シリーズに繋がっていく始まりの作品になっていくのだな、ということをものすごく実感していました。奇しくも今年夏に「阿津賀志山異聞」をパリと東京で上演しますが、まさに「阿津賀志山異聞」から僕たちのミュージカル『刀剣乱舞』は始まり、また「阿津賀志山異聞」をもちまして、これから先のシリーズが展開していくのだと。そういう意味でもそこへ繋がっていくこの作品は、すごく意味のある大切な作品だな、と思いながら演出してきました。早くお客様に観ていただきたい、すぐにでもお見せしたい自信作です。

日本青年館ホールでの公演は~4月1日(日)まで。以降、大阪公演が4月8日(日)~15日(日)梅田芸術劇場 メインホール、東京凱旋公演が4月20日(金)~5月6日(日) TOKYO DOME CITY HALLにて上演予定。大千穐楽のLIVE配信、全国の映画館でのライブビューイングも決定している。

ミュージカル『刀剣乱舞』 ~結びの響、始まりの音~

【東京】3月24日(土)~4月1日(日)日本青年館ホール
【大阪】 4月8日(日)~4月15日(日)梅田芸術劇場 メインホール
【東京凱旋】4月20日(金)~5月6日(日)TOKYO DOME CITY HALL
【ライブビューイング&LIVE配信】5月6日(日)18:30の回

STORY
西暦2205年、歴史修正主義者による過去への攻撃が始まった。
物に眠る“想い”を目覚めさせる力を持つ“審神者”と、審神者によって励起された“刀剣男士”たち。彼らは歴史を守る戦いへと身を投じていく──。
某年某月某日、審神者より、新たな出陣の命がくだる。出陣先は、時代の終わりが目前に迫った大政奉還後。編成されたのは、長曽祢虎徹(伊万里 有)、大和守安定(鳥越裕貴)、堀川国広(阪本奨悟)、和泉守兼定(有澤樟太郎)、巴形薙刀(丘山晴己)、陸奥守吉行(田村 心)。敵の狙いは新撰組の生き残り隊士たちを率い、新政府軍と戦っていた土方歳三だった。

原案:「刀剣乱舞-ONLINE-」より(DMM GAMES/Nitroplus)
演出:茅野イサム
脚本:御笠ノ忠次
振付・ステージング:本山新之助

出演:
大和守安定役:鳥越裕貴
和泉守兼定役:有澤樟太郎
陸奥守吉行役:田村 心
堀川国広役:阪本奨悟
長曽祢虎徹役:伊万里 有
巴形薙刀役:丘山晴己

土方歳三役:高木トモユキ
島田 魁役:辰巳智秋
中島 登役:新原 武
榎本武揚役:藤田 玲

岩崎大輔 村中一輝 大野涼太 鴻巣正季 山口敬太
青木 謙 佐藤一輝 宮尾 颯 武石 晃 佐々木幸希
市川裕介 伊達康浩 佐藤文平 小島久人 栗本聖矢
下尾浩章 下島一成 晴本宏亮 松本直也 菊地貴裕

©ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会

ミュージカル『刀剣乱舞』オフィシャルサイト
ミュージカル『刀剣乱舞』公式Twitter(@musical_touken)