Interview

日本酒はこれからもっとおいしくなる! 進化する日本酒の世界とは? 酒ジャーナリスト葉石かおり『はじめての日本酒』

日本酒はこれからもっとおいしくなる! 進化する日本酒の世界とは? 酒ジャーナリスト葉石かおり『はじめての日本酒』

本当においしい日本酒と出合いたい人必見。
いま最も注目すべき蔵元&銘柄はこれ!

日本酒を味わうというと、一緒に食べるものも気になりますが、本書では日本酒と料理のペアリングについても、詳しく紹介されていますね。

私は、日本酒は単独で飲むものではないと思っているんです。食事と一緒にいただくことで、日本酒のおいしさをさらに発見できるというか、1+1が2以上になるんです。単純にどんな食事と合わせようかと考えるのも楽しいですしね。和食だけでなく、イタリアンやフレンチにも合いますし、意外なところでは餡子やかりんとうなどの和菓子や、ドライフルーツを使った洋菓子など、いろいろな味を受け止めてくれるのが日本酒なんです。

たしかにお菓子にも合いそう! 日本酒は本当にいろいろなものに合うんですね。これからお酒を飲む機会も増える時期なので、葉石さんがいま注目されている蔵元や、おすすめのペアリングを教えてください。

まずは、加茂錦酒造(新潟)の「加茂錦」。製造を担当しているのが、20代前半という若さで酒造りに携わっている田中悠一さん。彼の造る日本酒は抜群にセンスがいい。きらめきがあって、とてもきれいな味わい。甘さがあってフルーティなので、女性におすすめですね。旬の食材と合わせるなら、シンプルに焼いた筍。塩でいただく天ぷらにも合います。
旨味のある辛口が好きな方なら、平孝酒造(宮城)の「日髙見」。魚がおいしい石巻の港町で造られているので、ぜひ旬の魚のお刺身などと合わせてほしいです。
また、手に入りにくいかもしれませんが、新政酒造(秋田)のお酒もぜひ試してほしいです。

手に入りにくい……! 気になります。

メディアでもたくさん取り上げられているのでご存知の方も多いかもしれませんが、新政酒造の蔵元・佐藤祐輔さんの酒造りは素晴らしいです。古い文献を読んで、それを造り方に取り入れて、酒蔵としての原点回帰を図りながらも、科学的な知識も持ち合わせた方なので、設備は昔ながらの木桶もあれば近代的な部分もある。佐藤さんの考え方やお酒との向き合い方を知るほど虜になります。味わいとしては、酸がしっかりあってキレがいいだけでなく、ちゃんと甘みやうま味もある。なくなると、すぐにまた飲みたくなるようなお酒です。イタリアンなどのオリーブオイルを使った料理やマリネと相性がいいです。
最後は、イタリアでセミナーを行った際に、とても人気のあったせんきん(栃木)の「仙禽」。欧米諸国のよう普段ワインを飲む方は、香りがあって酸もしっかりある日本酒を好まれる方が多いんですが、「仙禽」はまさにそういうお酒。こちらもイタリアンなどオリーブオイルを使った料理とよく合いますし、生ハムと合わせてもぴったりです。

今すぐそのお酒を買いに走って料理と合わせたいです(笑)。日本酒と料理の組み合わせをいろいろ試してみると、楽しみ方の幅が広がりそうですね。

本の中でも、ペアリングの方法やおすすめの組み合わせを紹介しているので、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです! おすすめしたペアリングをヒントに、お酒と料理を選んでみてくださいね。それと、日本酒を楽しむときに大事なことがもう一つ。日本酒を飲んだら、合間に必ず同量のお水を飲むようにしていただきたいです。これでかなり悪酔いは防げますから。そういった飲み方を知っていれば、日本酒をもっと楽しんでもらえると思います。

最後に、この本をどんな方に届けたいですか?

今更日本酒の基本知識を聞けないという方はもちろん、普段はあまり日本酒を飲まない若い方にもぜひ読んでもらいたいです。日本酒の楽しさ、おいしさを知ってもらい、日本酒を楽しむ飲み手の方が増えれば、蔵元のいいお酒がより多く世に出ますし、最終的には日本酒業界の発展につながるはずという願いもあります。日本酒はこれからもっとおいしくなります。私自身これからも学び続けながら、大好きな日本酒のことをより多くの方に伝えていけるよう活動していきたいと思います。

©葉石かおり/イラスト・大崎メグミ/マイナビ出版

書籍情報

『まんが&図解でわかる はじめての日本酒』

葉石かおり・著
大崎メグミ・イラスト
マイナビ出版

気になるユイちゃんとの初デートにこぎつけたヒロキ。彼女のリクエストで足を踏み入れたお店はちょっぴり不思議な日本酒専門店で――。日本酒が擬人化⁉ 日本酒がわからない人でも楽しく読めて通な飲み方・選び方ができるようになる。超!実用的な日本酒の基本、教えます。

関連サイト

一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション
https://www.j-sake.com/

葉石かおり(はいし・かおり)

1966年、東京都生まれ。エッセイスト。酒ジャーナリスト。日本大学文理学部独文学科卒業後、ラジオレポーター、週刊誌記者を経て現職。全国の清酒蔵、本格焼酎・泡盛蔵を巡り、各メディアにコラム、コメントを寄せる傍ら、「酒と料理のペアリング」を核に、明確なロジックを付加した講演、セミナー活動、酒肴のレシピ提案を行う。2015年に一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーションを設立。理事長を務めながら、国内外にて世界に通用する酒のプロ、サケ・エキスパートの育成に励む。東京本部の他、バンコク、ミラノ支部に続き、今年ニューヨーク支部がオープン。また、「酒-1グランプリ」(2012年〜・京都)、「日本酒マニアック博」(2015年・梅田)、「日本酒week」(2017年・東京)など日本酒イベントのキュレーションやプロデュースにも携わる。『酒好き医師が教える 最高の飲み方』(日経BP社)、『日本酒のペアリングがよくわかる本』(シンコーミュージック・エンタテイメント)など著書多数。

オフィシャルサイトhttp://www.haishi-kaori.com

Twitter@jiji_kuso

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