Interview

さくらしめじ 現役高校生フォーク・デュオが1stアルバムに詰め込んだ想いやテーマとは? 夏のワンマンライブへの抱負とともに語ってもらった

さくらしめじ 現役高校生フォーク・デュオが1stアルバムに詰め込んだ想いやテーマとは? 夏のワンマンライブへの抱負とともに語ってもらった

現役高校生フォークデュオ、さくらしめじが初のフルアルバム『ハルシメジ』をリリースした。2014年6月の結成から約4年。中学生時代に行ったフリーライブ<箘活>で全47都道府県を制覇し、昨年は初のライブハウスツアー<菌育>がスタート。これまでに5枚のシングルとミニアルバム1枚を発表し、この春に高校生となり、今夏にはキャリア最大規模となる日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブが控える彼らは、全11曲が収録された待望のファーストアルバムにどんな思いを込めたのか。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 大庭 元

さくらしめじの顔となるような1枚になればいいなと思ってましたね(田中)

結成から3年8ヶ月で初のフルアルバムがリリースされます。

田中 あっという間でした。もう3年も経ったのかっていう感じですね。結成した日は昨日のようのことに鮮明に思い出しますね。その時はまだ<さくらしめじ>ではなく、<ガク&ヒョウガ>という名前だったんですけど、とにかく、ギターを持って歌いたいとずっと思っていたので、その日は夢が叶ったようで本当に嬉しくて。彪我と二人でこれから頑張っていこうっていう思いでした。

髙田 2014年の6月14日だよね。その日の帰り、二人でファーストフードに寄って、一緒にご飯を食べたんですけど、顔見知りではあったけど、あまり喋ったことがなくて。仲良くなる前で、お互いのことも全然知らない状態だったので、「これからよろしくお願いします」っていう感じで(笑)、すごくよそよそしい感じで話してたのを覚えてます。

その日からお二人で地道なライブ活動を続けてきましたが、アルバムはどんな作品にしたいと思ってました?

髙田 僕自身がそうなんですけど、気になったアーティストさんってアルバムから入る人が多いと思うんですね。

田中 うん、だから、さくらしめじの顔となるような1枚になればいいなと思ってましたね。その上で、シングルやミニアルバムより曲数が多くなるので、今までやってこなかったような曲調も入れて、さくらしめじの曲の幅を広げたいなと思ってました。

髙田 さくらしめじの今後が変わる、重要な通過点でもあるなって感じていて。そういう意味でも、1曲1曲に自分たちの気持ちを込めてレコーディングしてきまたし、しっかりと届けたいなって思います。

完璧に自分から支える!っていう気持ちがあって。一歩成長した感じが見えてるなって思いますね(髙田)

アルバムの中から「今までやってこなかった」チャレンジした曲をあげるとすると?

髙田 「朝が来る前に」は今までのさくらしめじとは違った見え方をすると思いますね。例えば、「かぜいろのめろでぃー」(1stミニアルバム『さくら〆じ』収録)だったら、支えるというよリも寄り添う形だったんですけど、この曲は完璧に自分から支える!っていう気持ちがあって。一歩成長した感じが見えてるなって思いますね。

田中 歌詞も言い切ってるんですよね。今までは「~かな」「~だろうな」っていう歌詞が多かったんですけど、この曲は「僕がいるから!」って言い切っていて。今まででいちばんパワーのある歌詞ですね。

歌い方自体がとてもエモくてびっくりしました。

田中 どれだけ自分が引っ張っていけるかっていうのを出したかったので、今までとは違う歌い方にしてますね。

髙田 今までの曲とは全然違うので、気持ちの込め方も結構変わりましたね。歌詞は、君が暗い顔をして泣きそうな夜は僕が助けにいってあげるよっていう前向きな感じなんですけど、曲の表情は悲しいというか、感情的なので。どんな風に歌えば伝わりやすくなるかっていうことをスタッフさんと相談しながらレコーディングしてました。

二人でずっと歌っていくんだと誓っている決意表明の曲でもあります。

田中 本当に歌詞のまんまですけど、誰かが笑ってくれるんだったら、僕たちはずっと歌い続けてたいし、逆にその笑顔があるからこそ、僕たちは歌えるんだなと思いますね。このアルバムは、これまでのさくらしめじも、今のさくらしめじも、たくさん感じ取れる1枚だなって思っていて。聴いた人がちょっとでも元気になってもらえればいいなっていう思いが込められた曲がたくさん詰まっているので、この曲を聞いて、元気が出たって言ってもらえたら本当に嬉しいなって思います。

では、逆に<これまでのさくらしめじ>を最も象徴してる曲は?

田中 「おもいでくれよん」かなって思いますね。二人で初めて作った曲なので、さくらしめじそのままが出てるなって思いますね。47都道府県を回る「菌活」の旅をやっていて。その時は中学生で、その時にしか見れない景色やことってあるなって思って書いた曲なんですけど、<はじまったばかり僕らの旅>っていうワードがこの曲の芯だなって思っているし、その思いは今でも変わってないですね。

全国の旅を終えた時<まだまだはじまったばかりだもん>って書いてるんですよね。

田中 あははは。そうですね。でも、ずっと言い続けていくことなんだろうなって思ってて。47都道府県を周りきった時に、「終わった〜」っていうよりも、「まだ次、何があるんだ!?」っていうワクワク感があったし。「もう終わっちゃったのか。もう1回やりたいな」って本気で思ったりしたので。これから活動していく上で、1個のライブ1個のライブが終わっても、「いや、次がある」って思い続けていたいなって思いますし、言い続けてるんだろうなって思いますね。

高田 1つのライブや1つのツアーが終わっても、さくらしめじとしての旅はずっとずっと続いていくという思いを込めてる曲なので、これから先もライブで大切に歌っていきたいなって思います。

 このアルバムの裏テーマとして、1日の流れを描いてて(田中)

アルバムの最後に収録されている曲ですが、二人だけの弾き語りになってますね。

田中 ライブでもずっと弾き語りでやってきたので、二人だけでストレートにやったのを皆さんに聴いてほしいなって思いましたし、そっちの方が伝わるものがあるかなと思って。あと、このアルバムの裏テーマとして、1日の流れを描いてて。「スタートダッシュ」で朝が始まって、「夕空小道」で夕方になって、「朝が来る前に」で夜になって、最後にまた「おもいでくれよん」でめざましベルが鳴って、また朝がくる。「スタートダッシュ」には<台本どおりの日常>っていう歌詞がありますけど、毎日の流れって結構、決まっていたりするじゃないですか。そんな日々の色をこのアルバムの1曲1曲で変えられたいいなっていう思いもあったりしますね。

通学路って何もない状態だと毎日、同じ景色しか見えないんですけど、音楽を聴いてると、その音楽に入り込んで、空の色が変わって見えたりする(髙田)

その1曲目の「スタートダッシュ」は作詞が共作になってますね。

田中 二人でイメージして書いた歌詞を作家さんにまとめてもらって。アルバムの始まりにぴったりな疾走感がある曲だったので、朝の登校や通勤をテーマにしてて。1日がはじまる朝。仕事や勉強をしないといけないっていう通勤や通学って憂鬱になるじゃないですか。そんな時にイヤフォンから流れる音に身を委ねて、見てた世界が一変したらいいなと思って。憂鬱だって思ってるところから一気に世界が変わる感じが曲調に出てたりするので、歌詞だけじゃなく、音でもストーリーを感じられる曲だなって思います。

髙田 僕も通学路でイヤフォンで音楽を聴きながら学校に通っていて。通学路って何もない状態だと毎日、同じ景色しか見えないんですけど、音楽を聴いてると、その音楽に入り込んで、空の色が変わって見えたりする。そういうことが言いたかったですね。

田中 音楽の力で景色が変わって見えたりする経験があるので、これからは僕らがそういう存在になれたらなっていう気持ちもあったりします。

朝から昼へ。「靴底メモリー」はEvery Little Thingの伊藤一朗とのコラボ曲になってます。

田中 最初はびっくりしましたね。

髙田 大先輩というか、師匠のような伊藤一朗さんが曲を作ってくれるって聞いた時はとっても嬉しくて。曲をもらって初めて聞いた時にすごいいいなって思って、すぐに完成させたいなっていう思いがありました。

田中 メロディだけでも前向きな感じというか、一歩ずつ進んでる感じがして。「こういうポジティヴな曲を作っていきたいね」っていう風に話して。流れている景色に目を向けながら、それでも一歩ずつ進んでいく感じが描きたいなと思って書きました。

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