Interview

<前編>ゆず 20周年イヤーを経てリリースされたニューアルバム『BIG YELL』に込めた思いを訊く

<前編>ゆず 20周年イヤーを経てリリースされたニューアルバム『BIG YELL』に込めた思いを訊く

4月4日にニューアルバム『BIG YELL』をリリースし、4月29日からは“YUZU ARENA TOUR 2018 BIG YELL”がスタートするふたりの最新の声を2回に渡ってお届けする。


21年目となる新たな船出のような作品になったと思う(北川)

昨年はデビュー20周年イヤーということで、ベストアルバムのリリースやドームツアーを始め、怒涛の1年を駆け抜けたかと思います。振り返ってみて、どのような1 年でしたか?

北川悠仁(以下 北川) はじめに20周年イヤーをどんな年にするのか考えていたときに、20年かけて実った“ゆずの実” みたいなものをファンの皆さんと味わい尽くして、僕らもこれまでの感謝の気持ちを伝えられるような1年にしたいと思っていました。結果、それは皆さんのおかげで叶えられたと思うし、同時に、すごく予想していなかったこととしては、ゆずとして新たな種を見つけられて、植えることができたのかなと思っています。新曲タイアップのお話が有り難いことにあって、アニバーサリーイヤーの中で楽曲をたくさんリリースできたこと。あとは夏フェスやアジアツアーなど、いままでゆずを聴いてなかった人、直接届けられなかった人たちのもとに、たくさんゆずの音楽を届けられたということ。それと、大みそかの紅白歌合戦での大トリ出場が僕の中ではすごく大きくて。お茶の間の皆さんに、改めてゆずの曲を届けられたんじゃないのかなと思います。 

岩沢厚治(以下 岩沢) 去年はベストアルバム『ゆずイロハ』の発売から、それを引っさげてのドームツアーだったり、夏フェスやホールツアー、アジアツアーだったり、本当にたくさんのライブを行うことができました。過去最大と言っていいほど一年を丸々使って、20周年のお祭りをファンの皆と味わえたんじゃないかなと思います。それに伴い、今まで出演したことのなかった情報番組や媒体さんにもプロモーションの一環としてお邪魔させてもらったり、多忙でしたが、充実した1年でした。

本作『BIG YELL』には、20周年イヤー中に発表された曲が多数収録されています。率直に、どのような作品になりましたか?

北川 「うたエール」という曲ができるまでは、全体のコンセプト感みたいなものはあまり決めずに、ひとつひとつの曲を…これまでのゆずになかった、ゆずを自分たちで打ち破るような、新たな領域に行ける曲を意識して、全身全霊で挑んで曲作りをしていきました。20周年で大きなマルをつけられたので、21年目となる新たな船出のような作品になったと思うし、アニバーサリーイヤーの中ですごく近くに感じることができたファンの皆さん、リスナーの皆さんのことも思い浮かべながら作品をつくることができました。

岩沢 サウンド云々よりも、なにかこう…立ち止まっていない感じが今はしていて。アルバムに入っている曲たちも、去年のライブで歌ってきた曲がたくさんあるんですけど、そのつどライブを通して曲が成長していって、満を持してのアルバムパッケージ化なので、自分たちと曲がとても近い距離にあるイメージです。

北川 アルバム『ゆずえん』とか『ゆず一家』をつくった頃にすごく似ているというか。あの頃って、皆さんにとっては新曲でも、僕らにとっては路上ライブで定番曲になっていたものを収録していたんですね。今回の「愛こそ」「カナリア」「タッタ」の3曲は、去年1年かけてライブで研ぎ澄ましていって、僕らのものからお客さんのものになり、そしてまたここでアルバムに帰ってくるという。それが、初期の路上ライブをやっていた間隔に近いんですね。そうやって曲を発表できるというのは、とても健全な、ミュージシャンとしては嬉しい形なのかなと思います。

去年1 年間やってきたことへの総決算、それが詰まっている印象はあります(岩沢)

岩沢 ホールツアー前に出した2枚のEP盤がとても大きな挑戦だったし、それを経ての今回のアルバムの収録曲たちなので、ある程度曲の全貌というか。去年1 年間やってきたことへの総決算、それが詰まっている印象はあります。その名の通り、アルバムをめくるような選曲になっていると思います。

なかでも「タッタ」は特に顕著だと思います。フジテレビ系バラエティ番組「めちゃ×2 イケてるッ!」での楽曲制作依頼、初披露から始まり、ドームツアー以降のすべてのアニバーサリーライブで披露してきました。タンバリンを使った振付も好評で、成長の振り幅が、新曲という位置付けで片付けるにしては濃い楽曲です。

北川 実は「タッタ」は、配信リリースのタイミングでバンドアレンジを入れようとしていたんです。ただ、それがあまりしっくりこなくて。結果、めちゃイケで披露したサウンドを踏襲した弾き語りバージョンでリリースしたんです。その後、ライブを重ねていく中でバンドが絡むことも出てきて、あ、こうやればバンドとも馴染むんだということを知っていったんですね。成長の証というか、「タッタ」はまさにお客さんとともに育ってきた代表曲として、今回はいつものバンドメンバーと、ほぼ一発録りみたいな感じでレコーディ ングしました。

岩沢 「タッタ」に関して言うと、大げさかもしれないですけど、1年かけてずっとプリプロをしていたような感じです。今回のアルバムバージョンも、これもひとつのアイディアで、完成形ではないんじゃないかという気がしていて。きっと、どれも正解なんですよ。すごくたくさん歌ってきたからこその今回のバージョンで。それに、レコーディングしたバンドメンバーも、きのう今日で音源を渡してやってもらっている人たちじゃなく、一緒にツアーでこの曲をやってきた人たちが実際にレコーディングした、わりと真空パック系の音。なので、発表してから今まで、現在進行形で成長し続けている曲のひとつだと思います。

演奏とともに、歌も録り直したんですね。

岩沢 もちろん。リズムが変われば歌も変わるし、ライブを通じて、荒っぽい部分がどんどん削ぎ落とされて、いいところが研ぎ澄まされてきたので、当初の歌をはめ込んでもあたりが悪いんじゃないかという感じがして。歌録り?是非にという感じでした。

北川 すっかり歌い込んできた曲なので、歌の録りも早かったですね。

そんな今回のアルバムですが、冒頭の「聞こエール」「TETOTE」のインパクトが大きく、序盤にして作品の方向性をきちんと提示している楽曲だと思います。

北川 僕は当初、このアルバムは「うたエール」から始まっていく作品なのかなと思っていたんですけど、「うたエール」という曲の存在感が、つくっている途中やMV の撮影、そしてCM 公開や配信リリースがあり、やっていくなかでどんどん大きくなっていって。アルバムの頭に持っていくと、ある意味「うたエール」だけで満足してしまうくらいの曲だなと思ったんです。それなら逆に、アルバム「1~ONE~」の「栄光の架橋」ではないんですけど、最後に「うたエール」で締めてもらう形にシフトチェンジしました。そういうなかで、「聞こエール」はアルバムの全体的なコンセプト感が“船出” という形で出てきた中、もうひとつハッキリとコンセプト色を出す曲がほしいな と思い、インタールードをもっと発展させた曲としてつくりました。1曲目に置いたことで、聴いているリスナーに今回の世界観がすっと入っていくのではないかなと思いました。

「TETOTE」は元々、歌舞伎版「ワンピース」主題歌への楽曲提供という形で2016 年に発表され、その曲をゆずとしてセルフカバーしたものです。改めて制作のいきさつを教えてください。

北川 そもそも書かせてもらったのが、古くからある伝統芸能・歌舞伎と、現代の日本カルチャーの象徴でもある「ONE PIECE」をかけ合わせる面白さにすごく共感できたので、友人である( 主演を務めた) 市川猿之助さんのために、曲を書こうと思ったんです。そのときは、ゆずが歌うとゆず色が強く出てしまうかなと思って、楽曲提供という形にしたんです。でも、いざ公演を観させてもらったときに、僕らももう一歩踏み込んだ形でこの舞台に関わりたいと思いました。それほど魅力的な舞台だったんです。なにより、この曲を大切に扱ってくれた猿之助さんへの、再演が決まったことへのプレゼントとしての意味合いが大きかったです。

「TETOTE」で象徴されている船出というコンセプトが、この『BIG YELL』 というテーマを持ってきてくれたといっても過言ではないですね(北川)

今回の『BIG YELL』に含まれる“船出” というテーマが色濃く出ていますね。

北川 そうですね。「TETOTE」で象徴されている船出というコンセプトが、この『BIG YELL』 というテーマを持ってきてくれたといっても過言ではないですね。そこに良い形で“エール” とも一致できたのは、たまたまなんですけどね。

岩沢さんはいかがでしょうか?

岩沢 楽曲提供したオリジナル曲をちゃんと聴いて紐解くところから始めて、女性のキーなのでそれをゆずのキーにして、プリプロで落とし込んでいきました。カバーしている感覚がすごく楽しかったですね。

続いての「イコール」ですが、ボーカルグループ・GReeeeNとの共作になります。過去にGReeeeNプロデューサー・JIN氏と「イロトリドリ」「タッタ」などで共作した経験はありますが、今回はどのような経緯だったんでしょうか?

北川 さだまさしさんと、年に1回くらいの頻度で食事する機会があって、そこにはいろんな方が集まるんですけど、そこにたまたまHIDEくんがいたんです。最初はもちろん顔を知らないのでわからなかったんですけど、まずは本当に実在してたんだなと( 笑)。仰る通り、GReeeeNとはJINくんと「イロトリドリ」や「タッタ」などで関わりはあったんですけど、HIDEくんもすごくいい人で、いつか曲でもつくりましょうよということも言ってくれていて。それで最近、突然HIDEくんから曲の欠片が送られてきたんです。そ の音源を聴かせてもらったとき、すごくいいなと思って。この欠片を一緒に形にしていこうと思ってスタートしました。

楽曲作りはいかがでしたか?

北川 今回のアルバム収録曲って、“コライト” という、簡単に言えば共作の作品が多いんです。これまでアレンジャーという立ち位置だった人に、もう半歩、僕ら側に入ってきてもらって。それをきっかけに、ゆずの新たな扉を開けるきっかけや、僕らの知らなかったものにも出会いたいと思っていて。そういう作品作りをしていた時期だったので、「イコール」でもすんなり曲作りに入れました、そこでたまたま、NTT東日本のCMタイアップのお話も頂いて。

曲が完成したのは最近ですか?

北川 はい。それこそ、これを録ってこのアルバムが完成したくらい、締めの曲に制作した曲ですね。

文 / ゆず NEW ALBUM『BIG YELL』OFFICIAL INTERVIEWより

<後編へ続く>

インタビュー<後編>はこちら

<後編>ゆず 20周年イヤーを経てリリースされたニューアルバム『BIG YELL』に込めた思いを訊く

<後編>ゆず 20周年イヤーを経てリリースされたニューアルバム『BIG YELL』に込めた思いを訊く

2018.04.12


http://yuzu-official.com/pages/bigyell

その他のゆずの作品はこちらへ

ライブ情報

YUZU ARENA TOUR 2018 BIG YELL

4月29日(日)【埼玉】さいたまスーパーアリーナ
4月30日(月・祝)【埼玉】さいたまスーパーアリーナ
5月15日(火)【愛知】日本ガイシホール
5月16日(水)【愛知】日本ガイシホール
5月19日(土)【福岡】マリンメッセ福岡
5月20日(日)【福岡】マリンメッセ福岡
5月30日(水)【大阪】大阪城ホール
5月31日(木)【大阪】大阪城ホール
6月9日(土)【北海道】北海きたえーる
6月10日(日)【北海道】北海きたえーる
6月16日(土)【福井】サンドーム福井
6月17日(日)【福井】サンドーム福井
6月23日(土)【埼玉】さいたまスーパーアリーナ
6月24日(日)【埼玉】さいたまスーパーアリーナ
6月30日(土)【新潟】朱鷺メッセ
7月1日(日)【新潟】朱鷺メッセ
7月7日(土)【広島】広島グリーンアリーナ
7月8日(日)【広島】広島グリーンアリーナ
7月14日(土)【静岡】エコパアリーナ
7月15日(日)【静岡】エコパアリーナ
7月18日(水)【大阪】大阪城ホール
7月19日(木)【大阪】大阪城ホール
7月24日(火)【神奈川】横浜アリーナ
7月25日(水)【神奈川】横浜アリーナ
7月28日(土)【宮城】セキスイハイムスーパーアリーナ
7月29日(日)【宮城】セキスイハイムスーパーアリーナ

ゆず

北川悠仁、岩沢厚治により1996年3月結成。横浜・伊勢佐木町で路上ライブを行うようになる。1997年10月、1st Mini Album『ゆずの素』でCDデビュー。その後、代表曲「夏色」「栄光の架橋」をはじめ、「虹」「雨のち晴レルヤ」などヒット曲を多数世に送り出し、ドーム・スタジアムクラスのライブも大盛況。2017年にデビュー20周年を迎え、4月26日にALL TIME BEST ALBUM『ゆずイロハ』のリリース、その後、約30万人を動員した自身初の4大ドームツアーを開催。6月21日(水)と同28日(水)には、自身初の新作EPとして「謳おう」EPと「4LOVE」EPの2週連続リリース。2018年4月4日にはニューアルバム『BIG YELL』をリリースし、4月29日から、“YUZU ARENA TOUR 2018 BIG YELL”がスタートする。

オフィシャルサイトhttp://yuzu-official.com/