Interview

ASKAロングインタビュー! エネルギッシュな創作活動に彼の音楽への愛、欲求が溢れている──ベストアルバム&連続配信リリースについて、そして、これからを語る

ASKAロングインタビュー! エネルギッシュな創作活動に彼の音楽への愛、欲求が溢れている──ベストアルバム&連続配信リリースについて、そして、これからを語る

“ASKAセレクション”が出るとすると……さて、困ったぞ

今回のベストアルバム『We are the Fellows』は、5月7日まで予約可能な通販・期間限定販売だそうですね。

そのあたりは、スタッフに任せました。ただ、これから秋にかけていろいろな展開がありそうなので、それらとうまく絡み合って、このアルバムの存在が、その頃もう一度、表に出てくればいいなぁ、と思ってる。今、その準備もしているところですけどね。

アルバムタイトルの“We are”(表記はweare)が配信サイト、“Fellows”が公式Webサイト。この2つを組み合わせたアルバム名でもあるんですね。

たしかに、このアルバムは僕の音楽を支持してくれる“Fellows”のセレクションだから。次に“ASKAセレクション”が出るとすると……さて、困ったぞ、ですよ(笑)。というのも、普通に選べば、当然、今回選ばれている曲も入ってくるだろうから……。

以前は、避けていた音色。今回は最初から、あの音しかなかった

ここからは3月25日に配信リリースされた「虹の花」について伺いたいのですが、これまでのASKAさんとも違う、湖面をボートが滑るかのような、そんな疾走感が届くアレンジですよね。

メロディはいつも、リズムなりを鳴らしながらピアノで作っていて。しかも、まるで一刀彫りのように(笑)、イントロから順番に作っていくんですけど。でもイントロの、ポルタメントが入ったような“ウィ〜ン”っていうシンセは、早い段階で浮かんだものだった。

そう。その音が聴こえたから、ボートが滑っていったんです。

以前はどちらかと言うと、避けていた音色だったんだけど、今回は最初から、あの音しかなかった。

歌詞の構成とかは、どうでしょうか。

“虹の花”という言葉が浮かんだ時点で、なにしろ“虹”で“花”なんだから、これはファンタジーだろう、というのはあって。でも歌詞は、あえて現実的なところから入って、サビでファンタジーになる、みたいな構成にしましたね。

この曲を手始めに、これから毎月、新しい作品を配信リリースしていくそうですね。ここ最近は楽曲の量産体制なんでしょうか。

毎日のように曲を作っていた時期もあって。メロディなら、いくらでも出てくるという状態だったんですよ。けど、そうなると大切なのは、他人も含めたディレクションでね。そうじゃないと、どれがいいメロディなのか、自分ではどんどん判断できなくなっていく。実は一回そういう状態になってしまって曲を作るのを止めた時期もあったんです。今は再び気にせずに作っていて。「虹の花」の次はこれにしようという構想の曲も、すでにあるんですよ。

今まで使ったことのない言葉を必ずひとつは入れる

ASKAさんは数々の楽曲を送り出してきましたが、新たに作るうえで、気をつけていることというと?

つねにバリエーションは考えていますよ。なので、気をつけていると言えば、「以前作ったものに似た曲にならないように」ですね。でも実際、一度作ったものを、二度は作れないんです。例えばCHAGE and ASKAに「PRIDE」って曲があるでしょ? シングルでもなんでもないけど、あの曲の世の中の浸透具合はすごくてね。いろんなところで言われるわけですよ、「『PRIDE』のような曲を作って」って。でも、すでに作っちゃったから、「ああいう曲はもうない」と言っておかなくては。「その曲のような感覚になるもの」と言っていただくのはOKです。なので、そういう意識で“毎回違うものを”という気持ちでは向かっています。

違うものにするため、具体的に意識することもあるんですか。

歌詞で言えば、「毎回、ひとつは違う言葉を使おう」って、そう決めています。今まで使ったことのない言葉を必ずひとつは入れる。それは、ノルマでもある。ただこれも、意識しているというか、書き終わってみたら自然とそうなっていることが多いというだけですけど。「あ、この言葉、初めて使ったな」みたいなことをあえて狙うまではしていないし、「新しい時代の言葉を取り入れて」みたいなこともしていない。僕が言う“新しい”というのは、“マイクロフォン”と“マイク”という言葉があるなら、“マイク”は使ったことがあるけど“マイクロフォン”は初めて使うとか、そのくらいの違いだったりする。あくまで自分に課していることなので、自分だけの満足でもあるというか。だから、聴いてくださる人たちが意識することではなくて、僕が新たに曲を書くというときに意識すればいいことなんです。

還暦は、「そっとしといて」という感じ

全然話は変わりますが、ASKAさんのオフィシャルサイト「Fellows」に、還暦の赤いちゃんちゃんこ姿の写真をアップしていましたよね。年齢のことを強調するわけじゃないですけど、何か心境の変化は?

還暦はね、「みんな、そうそう騒いでくれるなよ、そっとしといて」という感じかな(笑)。僕の場合、むしろ30歳になったときの「こんなところへ来てしまった……」という想いのほうが、印象としては強いんです。あ、でも、僕が着たちゃんちゃんこはね、僕がサインを入れて、次に還暦を迎える人間に渡して、そいつもサインをして、さらに次にって……着回していったら面白いんじゃないかな(笑)。だって、あのいただいたちゃんちゃんこ、ものすごく高価なものだから。

え? 東急ハンズとかドン・キホーテの仮装コーナーで買ったんじゃないんですか……。

いや、三越!(笑)

み、三越!

光沢感が違うもの。って、僕のWEBの写真はポラロイド加工した画像なんで、伝わらないかもしれないですけど(笑)。ポラロイドの色の滲み方、好きなんですよ(笑)。

さっきの30歳になったときの「こんなところへ来てしまった」って、どんな感覚だったんですかね。「これで青春ともお別れか」みたいなこととも違うようですけど。

20歳くらいのときから「30代は死ぬ気で仕事をしよう」って、そう思ってたので。なので、自分にそう言ってしまった以上、その歳になるのは恐怖でもあって。自分の許容を超えたところへ向かっていかなければならなかったから。そこからの仕事量は、ホント、すごかったな。でも、人から聞かれたときに胸を張って言える言葉がひとつくらいあってもいいでしょ? 僕は言える、「30代は死ぬほど仕事した」って。

貯まってきたら、もちろんアルバムにしようと

さて、今後のことです。毎月、新曲をリリースするということですが、やがてそれをまとめたりするんでしょうか?

配信リリースについては「一年間、これを続ける」みたいに受取った人もいたようだけど、一年間とは何も謳ってないんですよ。今、毎月という意識でやっていますけど、貯まってきたら、もちろんアルバムにしようと思っています。ほかにも新曲はたくさん作っているし……もしかすると、毎月の新曲というのは秋頃までで、そこでアルバムを出すかもしれない。それはわかりません。

あと、ASKAさんのWebサイトの「Fellows」に、「マイクの前に立っていただきたいと国内外から熱いオファー」があったという、そんな一文がありましたが、この“マイクの前に”というのは?

実現したら、ちゃんと活動していることがしっかり見える、見ていただけるような出て行き方にはなると思います。まだ、ここまでしか言えないですけど(笑顔)。

そのあたりに関しては、Webサイト「Fellows」での発表に、引き続き注目させていただきます。今日はありがとうございました。

ASKA(アスカ)

1979年にCHAGE and ASKAとして「ひとり咲き」でデビュー。「SAY YES」「YAH YAH YAH」「めぐり逢い」など、数々のミリオンヒット曲を生む。並行して、音楽家として楽曲提供や、ソロ活動も行い、1991年発表の「はじまりはいつも雨」が、ミリオンセールスを記録。同年リリースのアルバム『SCENEⅡ』もベストセラーに。また、アジアのミュージシャンとしては初めて「MTV Unplugged」へも出演。2017年には、自主レーベル「DADA label」より、アルバム『Too many people』『Black&White』等をリリース。2018年3月にはファンが選ぶベスト盤『We are the Fellows』をリリースし、同月25日より、毎月新曲を配信。

オフィシャルサイト

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