Interview

<後編>ゆず 20周年イヤーを経てリリースされたニューアルバム『BIG YELL』に込めた思いを訊く

<後編>ゆず 20周年イヤーを経てリリースされたニューアルバム『BIG YELL』に込めた思いを訊く

4月4日にニューアルバム『BIG YELL』をリリースし、4月29日からは“YUZU ARENA TOUR 2018 BIG YELL”がスタートするふたりの最新の声を2回に渡ってお届けする。

インタビュー<前編>はこちら

<前編>ゆず 20周年イヤーを経てリリースされたニューアルバム『BIG YELL』に込めた思いを訊く

<前編>ゆず 20周年イヤーを経てリリースされたニューアルバム『BIG YELL』に込めた思いを訊く

2018.04.11


同じ考えじゃ ない2人の人間がつくってるからこそのアンバランスさが、ゆずを続けていられる理由のひとつだと思います(岩沢)

この曲の特徴といいますが、この共作だからこその聴きどころはありますか?

岩沢 いい意味での違和感…いい意味での王道感が、GReeeeNのメロディには惜しげもなくあって。それは、あえて避ける傾向があるような言葉だったりフレーズだったりを、あえて使ってくるGReeeeN感と言いますか。ゆずが歌っても、そこはしっかり残るんだなと、歌っていてすごく感じました。それがさすがだなと。

北川 サビの中のいくつかのフレーズにGReeeeNらしさが詰め込まれていたし、それを消さず、でもなんかGReeeeNではなく、ゆずでもない。新しい感覚みたいなものは融合できたと思っています。

新たな間隔という意味では、「恋、弾けました。」で初タッグを組んだ音楽コンポーザー・TeddyLoid氏との制作はいかがでしたか?アルバム曲でも「聞こエール」「通りゃんせ」にも参加しています。

北川 今回のアルバムの中で一番大きな出会いはTeddyくんですね。たまたまつくりかけていた「恋、弾けました。」と映画「斉木楠雄のΨ難」のタイアップのお話を、良い意味で混ぜて楽しみたいなと思って。映画も、普段より若い年齢層の方に聴いてもらえるチャンスだったので、自分だったら普段やらないことを、詞や曲の中でもあえて乗っかっちゃうことで、新しいものができるんじゃないかと。その過程でTeddyくんに出会ったんですけど、最初にもらった恋ハジのデモ音源が素晴らしくて。そこからラリーをしながら曲をつくっていったのがすごく楽しかったですね。

昔からずっと決めているのが、アルバムの中に必ず毒みたいなスパイスを盛りたいなと思っていて、「通りゃんせ」はその位置付けの曲ですね(北川)

アルバムの後半に差し掛かるアクセントとして機能していると思います。そこからの「通りゃんせ」への導入がスムーズで。

北川 昔からずっと決めているのが、アルバムの中に必ず毒みたいなスパイスを盛りたいなと思っていて、「通りゃんせ」はその位置付けの曲ですね。僕はストレートなメッセージや前向きな言葉の中にたくさんの想いを込めて、それをシェイプアップしていったものがシングルの表題曲になることが多いんですが、普段思う葛藤だったり、腑に落ちないことを歌にしたいこともちろんあって。今回はシングル曲で全体を支える曲がたくさんできたので、ほかになにかスパイスを込めたものをつくりたくて。去年のFNS歌謡祭のリハーサルが終わって、ホテルの部屋でつくってました(笑)

どのような着眼点から曲ができていったんでしょうか?

北川 「かごめかごめ」もそうなんですけど、昔の童謡って、その当時はかわいいと思っていたのに、実は怖いメッセージがあったりとか、そういうのがすごく好きで。そこにロックやヒップホップのテイストを混ぜたら面白いんじゃないかと思って。デモをつくったときに、これはTeddyくんとやったらすごくいいなと思って、デモを渡したら思い切ってやってくれました。ほぼ同じ構成がないものになって。

「ガイコクジンノトモダチ」は、軽快なアコギサウンドの上に風刺めいたメッセージが乗っかっています。

北川 アルバムの全体像を見ていたときに、弾き語り曲を入れたいなとは思っていて。ただ、それがなんとなくゆずのほのぼのソングではなく、少しスパイスもあり、柔らかいけどなにかメッセージのあるものが良いなと思っていて。「通りゃんせ」が、どちらかというと吐き出すイメージなんですけど、これは日頃感じている矛盾というか、そういうものをなるべく聴いている人にわかりやすく届けたいと思ってつくりました。

この辺りは北川さん岩沢さんそれぞれのアルバム曲が交互に収録されています。岩沢さんは「風のイタズラ」「存在の証明」です。

岩沢 さっき言っていたEP盤の曲だったり、「うたエール」ありきで考えたときに、全体のバランスを見て、ちょっとバラードみたいな曲があるといいなと思って「風のイタズラ」を選曲しました。「存在の証明」も似たような理由なんだけど、シングルチューンが並んでいたので、構えずに聴ける曲として、書き下ろしました。

岩沢さんのなかで、いま楽曲作りをしていくなかでのテーマやコンセプトはありましたか?

岩沢 ノーテーマですかね。良い意味で、出てきたものをそのまま歌にしようということがコンセプトというか。なにかに縛られずに曲をつくったらどうなるんだろうと、そうやって出てきた最たるものが「存在の証明」なんですね。それは既発のEP の曲たちがあったからこそ自由に自分でつくれた部分もあります。「風のイタズラ」もそうなんですが、アルバムが4月4日に出るのはわかってたけれど、あえて冬の曲を選んでいるところは、なんだろう…春なんだけど、冬の忘れ物をひとつだけ入れておくみたいな。そういう、こういう大きなアルバムだからこその曲があったら楽しいかなという感じです。

お互いの個性が色濃く出ている後半だと思います。

 

岩沢 そこは全然気にしてないですね。今までにもいろいろな曲をやってきたし、いまさら驚かないです。「こういうのが今やりたいモードなのね」というのがあれば、「(北川) ぽいね」という曲もある。でも、どれもいずれはゆずの曲として自分も参加するわけだから。(北川の) 曲の個性は自分では出せないものだし、リーダーも同じことが言えるんじゃないかな。同じ考えじゃ ない2人の人間がつくってるからこそのアンバランスさが、ゆずを続けていられる理由のひとつだと思います。

北川 アルバムの前半は、ゆずの新たな扉を開けることに特化した曲たちだし、後半はゆずの原点の形というか、そういう精神が表現されているなと思っていますね。

そしてアルバムを締めくくるのは「うたエール」。新メンバーを募って企画されたゆず2018プロジェクトから生まれた曲であり、『BIG YELL』を表現する最も大きな曲でもあります。

岩沢 もちろん今回のプロジェクトがあったからこそできた曲ではあるんですけど、きっとこのプロジェクトがなくても、こういったような曲はできたと思うんです。ただ、後押しというか、例えば「新メンバー2018人がこの部分を歌うんだ」という想像しながらの曲作りって、書き手側からするとすごく楽しいんですよ。誰かと共にやるための曲というのは、一見安売りしている言葉にも聞こえちゃうけど、それは違くて。みんなで歌うためのメロディというのをすごく尊重してつくられているし、実際、ゆずだけじゃないコーラスが入ったことによってすごく人間味が出たというか、ひとりひとりの声の強さが加わって今までにない曲になったんじゃないですかね。

北川 「うたエール」はやっぱりすごいんじゃないですか。今回、こういったプロジェクトの中で制作するにあたって、歌詞をどこに落としこんでいくのかが悩みましたね。テーマやコンセプトをどういうふうに歌い、どういうふうにみんなで繋がっていくのかというのが難しくて。実は歌詞で一番苦しんだのは「うたエール」だったりしましたね。

悩んでつくった最終形のサビの歌詞が「LA LA LA」というのも、清々しさといいますか、みんなで歌う究極の歌詞だと思いました。

北川 俺としては良い意味で誤算だったというか。日本生命さんのCMで、先行してLA LA LAだけの曲が流れてたんですね。実はその裏で、完成に向けてサビにも歌詞をつけていたんです。でも、サビのLA LA LAの感じが思いのほか良くて。あれを残しつつ、歌詞が混ざる感じをつくれないかと思い、その難題にトライしました。結果、良いかたちにすることができたんじゃないかな。

全13曲の、個性あふれる楽曲が集まった、21年目にふさわしいアルバ ムになっていると思います。

北川 すごく満足しています。デビュー20周年の中でも、新しい曲を聴いてほしいという情熱は消えなかったし、その情熱があったからこそ、いたるところで曲を書いていて。とにかく届けたいと思う一心で、書いた曲たちがアルバムという形で皆に届けられるというのは、すごく嬉しいです。

このアルバムの作品をまず放流して、みなさんのもとに届いて、成長して、それがいずれ鮭のように戻ってくる(岩沢)

そしてこのアルバムを引っさげてのアリーナツアーが決定しています。

北川 なにげにひとつのコンセプトで長くアリーナツアーをまわるのは久しぶりなんですよね。アリーナならではのことをやろうと思っています。自分はプレイヤーでもあり、そして半分以上は演出にも関わっているんですが、いまはいろんな若いクリエイターが集まってくれて、すごく面白いアイディアがどんどん浮かんでいて刺激をもらっています。また新しいものができるんじゃないかなというワクワク感があるので、とにかく楽しみですね。

岩沢 アルバムテーマがすごく前向きなので、どんと暗くなるライブではないなという気はしているし、みんな楽しかったと思って帰ってもらうツアーになるんじゃないかと。またアルバムの曲が、このツアーできっと成長するんだろうなとも思います。このアルバムの作品をまず放流して、みなさんのもとに届いて、成長して、それがいずれ鮭のように戻ってくる。そのときのために、このツアーでとりあえず、放流しに行きます。

文 / ゆず NEW ALBUM『BIG YELL』OFFICIAL INTERVIEWより

http://yuzu-official.com/pages/bigyell

その他のゆずの作品はこちらへ

ライブ情報

YUZU ARENA TOUR 2018 BIG YELL

4月29日(日)【埼玉】さいたまスーパーアリーナ
4月30日(月・祝)【埼玉】さいたまスーパーアリーナ
5月15日(火)【愛知】日本ガイシホール
5月16日(水)【愛知】日本ガイシホール
5月19日(土)【福岡】マリンメッセ福岡
5月20日(日)【福岡】マリンメッセ福岡
5月30日(水)【大阪】大阪城ホール
5月31日(木)【大阪】大阪城ホール
6月9日(土)【北海道】北海きたえーる
6月10日(日)【北海道】北海きたえーる
6月16日(土)【福井】サンドーム福井
6月17日(日)【福井】サンドーム福井
6月23日(土)【埼玉】さいたまスーパーアリーナ
6月24日(日)【埼玉】さいたまスーパーアリーナ
6月30日(土)【新潟】朱鷺メッセ
7月1日(日)【新潟】朱鷺メッセ
7月7日(土)【広島】広島グリーンアリーナ
7月8日(日)【広島】広島グリーンアリーナ
7月14日(土)【静岡】エコパアリーナ
7月15日(日)【静岡】エコパアリーナ
7月18日(水)【大阪】大阪城ホール
7月19日(木)【大阪】大阪城ホール
7月24日(火)【神奈川】横浜アリーナ
7月25日(水)【神奈川】横浜アリーナ
7月28日(土)【宮城】セキスイハイムスーパーアリーナ
7月29日(日)【宮城】セキスイハイムスーパーアリーナ

ゆず

北川悠仁、岩沢厚治により1996年3月結成。横浜・伊勢佐木町で路上ライブを行うようになる。1997年10月、1st Mini Album『ゆずの素』でCDデビュー。その後、代表曲「夏色」「栄光の架橋」をはじめ、「虹」「雨のち晴レルヤ」などヒット曲を多数世に送り出し、ドーム・スタジアムクラスのライブも大盛況。2017年にデビュー20周年を迎え、4月26日にALL TIME BEST ALBUM『ゆずイロハ』のリリース、その後、約30万人を動員した自身初の4大ドームツアーを開催。6月21日(水)と同28日(水)には、自身初の新作EPとして「謳おう」EPと「4LOVE」EPの2週連続リリース。2018年4月4日にはニューアルバム『BIG YELL』をリリースし、4月29日から、“YUZU ARENA TOUR 2018 BIG YELL”がスタートする。

オフィシャルサイトhttp://yuzu-official.com/