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吉田鋼太郎&黒木瞳らが目指す日本一の“高級大衆演劇”とは?──大野拓朗と白洲迅も登壇した『シラノ・ド・ベルジュラック』製作発表記者会見

吉田鋼太郎&黒木瞳らが目指す日本一の“高級大衆演劇”とは?──大野拓朗と白洲迅も登壇した『シラノ・ド・ベルジュラック』製作発表記者会見

1897年にフランスのパリで初演され大喝采を浴び、現代でも多くの国で上演されている『シラノ・ド・ベルジュラック』。公演に先立ち、4月11日(水)に東京・第一ホテルにて一般応募で選ばれたファン200人を招いた製作発表記者会見が行われ、シラノ役の吉田鋼太郎、ロクサーヌ役の黒木 瞳、クリスチャン役の大野拓朗と白洲 迅、演出・鈴木裕美、音楽・楽士で出演する清塚信也が登壇した。

取材・文・撮影 / 竹下力

“シラノ”が一番面白かったと言わせたい!

原作はエドモン・ロスタンによる小説『シラノ・ド・ベルジュラック』。剣豪で詩人のシラノの誠実な愛を貫き通す物語である。

舞台は17世紀のパリ。並外れて大きな鼻がトレードマークの近衛騎士シラノ・ド・ベルジュラックは、剣豪でありながら詩の才能があり、権力や虚栄を嫌う熱血漢ではあったが、自身の容姿にコンプレックスを抱いている。彼はいとこのロクサーヌに恋をしていたが、自分の容姿を恥じて淡い恋心を明かせずにいた。

一方、ロクサーヌはシラノと同じガスコン青年隊に属するクリスチャンに一目惚れをし、ラブレターを送る。シラノは好青年のクリスチャンを気に入っており、彼のロクサーヌへの愛も知って複雑な心境になるが、クリスチャンの詩心のなさを知って自分が代わりにロクサーヌへのラブレターの返事をしようと奮闘する……という純粋な愛の切なさや喜びを描いた物語。

会見は、出演者たちによる「愛の詩」の朗読でスタートした。吉田鋼太郎の明朗なひと言だけで、17世紀のフランスの時代感、雰囲気が漂ってくる。清塚によるピアノの美しい旋律、その生演奏に乗せ、シラノがクリスチャンに代わってロクサーヌに愛を語り、ロクサーヌとクリスチャンの想いがリンクする有名なシーンが紡がれる。

しかし、シラノの心情を思うと、ちょっとだけ心悲しくなる。ここでのクリスチャンは少しとぼけた表情を見せるのだが、シラノはそれを丁寧にひとつひとつ突っ込んでいく。このあと、物語はドタバタな様相を呈していくが、果たして、クリスチャンとロクサーヌの運命やいかに……というところで朗読は終わった。

朗読のあと、演出の鈴木裕美、吉田鋼太郎ら登壇者たちがコメントを述べた。

鈴木裕美

演出:鈴木裕美 少し前の日本には“困ったときの忠臣蔵”という言葉がありました。同じようにフランスでも“困ったときのシラノ・ド・ベルジュラック”と言われるほど愛されている作品です。なので、今作の日本版では『忠臣蔵』の要素を取り入れたい。“高級大衆演劇”のように鋼太郎さんの“座長奮闘公演”にするつもりです。ミュージカルではありませんが、その手法も取り入れ、音楽を存分に活かした演出にするつもり。原作では具体的に描かれないシラノの“100人斬り”や生演奏など大衆演劇的な要素をふんだんに盛り込んでいます。

吉田鋼太郎

シラノ・ド・ベルジュラック 役:吉田鋼太郎 お話をいただいたときに、大衆演劇のように幟(のぼり)が上がるような舞台だとすぐに思いました。演出が誰かなんて考えませんでした。なぜなら、そんな舞台には、“困ったときの鈴木裕美”という鉄則があるからです。この舞台には鈴木さんがぴったりだと思っていました。お芝居を観て“なんて素敵な人生があるんだろう”と感じてください。今までで一番、文学的じゃない『シラノ』になっていますから、どなたも存分に楽しめると思います。

黒木 瞳

ロクサーヌ 役:黒木 瞳 出演はクリスチャンのラブレターならぬ、鋼太郎さんの熱いラブコールを受け覚悟を決めました。古典演劇ではありますが、ご覧になられたみなさんに楽しんでいただける、わかりやすいお芝居。稽古も始まり、心臓もドキドキしてまいりましたが、初日を楽しみにお待ちください。

大野拓朗

クリスチャン 役:大野拓朗 クリスチャンは無邪気で口下手ですが、お茶目な部分がたくさんあります。みなさんに笑ってもらいつつ、シラノに“ほっとけないな”って思ってもらえるように真面目に演じたいですね。そして最後にはみなさんに成長したクリスチャンの“愛されキャラ”をお見せできたら。

白洲 迅

クリスチャン 役:白洲 迅 歴史ある日生劇場に立てることが光栄です。また、吉田鋼太郎さん、黒木 瞳さんと同じ舞台に立てることが嬉しく、身の引き締まる想いです。僕も想いを言葉にするのがヘタくそなんですけど(苦笑)。

清塚信也

楽士:清塚信也 一瞬たりともお客様を飽きさせたくないな、と思います。素晴らしい物語で、素晴らしい裕美さんの演出のもと、音楽も素晴らしくしなければ……ちょっとプレッシャーもありますね。セッションのような仕掛けで、即興的でグルーヴのある音楽で、みなさまを楽しませたいです。

最後に吉田が「今、演劇界は本当にホットです。この春も魅力的な作品が目白押しですが、“シラノ”が一番面白かったと言わせたい! とにかく完璧なストーリーで、確実に感動してもらえる。笑って泣けます、ワクワクします、ドキドキします、勇気をもらえます、人を愛したくなります、人から愛されたくなります。そんな普遍的な愛の物語です。劇場でお待ちしています!」と熱く呼びかけ、会見は終了した。

東京公演は、5月15日から5月30日まで日生劇場にて。兵庫公演は、6月8日から6月10日まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて上演予定だ。

『シラノ・ド・ベルジュラック』

東京公演:5月15日(火)~5月30日(水)日生劇場
兵庫公演:6月8日(金)~6月10日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

作:エドモン・ロスタン
上演台本:マキノノゾミ、鈴木哲也
演出:鈴木裕美
翻訳:石野香菜子
音楽:清塚信也

出演:
シラノ・ド・ベルジュラック 役:吉田鋼太郎
ロクサーヌ 役:黒木 瞳
クリスチャン 役:大野拓朗、白洲 迅

ル・ブレ 役:大石継太
ヴァルヴァーニ子爵 役:平野 良、末次美紗緒
ラグノー 役:石川 禅
ド・ギッシュ伯爵 役:六角精児

花王おさむ
若杉宏二

秋元龍太朗
飯田一徳
石井 咲
尾関 陸
小原和彦
齋籐慎平
柴 一平
高橋ひろし
谷畑 聡
新田健太
藤代太一
細川洋平
本多剛幸
村井麻友美
安田カナ

楽士:清塚信也
楽士:朝里奈津美

オフィシャルサイト


関連書籍:小説『シラノ・ド・ベルジュラック』

小説『シラノ・ド・ベルジュラック』

著者:ロスタン
翻訳:渡辺守章
出版社:光文社

ガスコンの青年隊シラノは詩人で軍人、豪快にして心優しい剣士だが、二枚目とは言えない大鼻の持ち主。秘かに想いを寄せる従妹ロクサーヌに恋した美男の同僚クリスチャンのために尽くすのだが……。30歳でレジオン・ドヌール勲章を叙勲し、33歳でアカデミー・フランセーズに選出された天才ロスタンの代表作。1世紀を経た今も世界的に上演される、最も人気の高いフランスの傑作戯曲をキレのいい新訳で。