Interview

wacci ツアー直前に最新作「wallflower」を配信でリリース。タイトル、歌詞に込めた意味を語ってもらった。 

wacci ツアー直前に最新作「wallflower」を配信でリリース。タイトル、歌詞に込めた意味を語ってもらった。 

wacciの2018年最初のリリースとなる配信シングル「wallflower」(ウォールフラワー)はエモーショナルなロックバラードとなっている。「最高傑作で自信作」と胸を張った2ndアルバム『感情百景』のリリースから約8ヶ月。キャリア史上最長となる35カ所40公演のツアーを経て、この4月から新たなツアーに出る直前に届けられた心境に込めた思いをヴォーカル&ギターの橋口洋平に語ってもらった。

 取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 大庭元

細部までこだわってる部分を聴いてもらうためには、シングル盤やアルバムとして出すよりも、この形が一番いいのかなと思って

自他共に認める名盤をリリースした後の心境から聞かせてください。

前回のアルバムを最高傑作と言ってもらえて、周りからは「次はどうすんだ?」って散々言われたんですけど(笑)、僕ら的には、『感情百景』を良いアルバムって言ってくれるのであれば、もっといいたまをいっぱい持ってるし、これからも書けるだろうしっていうことで、逆にすごく自信がついたんですよね。もっといいアルバムを作ろうって純粋に思えたんです。だから、『もっといいアルバムを作れるのに、周りは次どうするんだって心配してるな〜』っていうくらいのことを思ってましたし、実際に前作を超えるものを作れるように頑張りたいなと思っていました。

アルバム後、初のリリースが配信シングル「wallflower」になるわけですが、wacciとしては珍しいですよね。配信でリリースするっていうこと自体が。

そうですね。繰り返しになっちゃうけど、2ndフルアルバム『感情百景』は、1曲1曲が本当に力を持ったアルバムだと自画自賛していて。でも、やっぱり、アルバムを買ってもらわないと、曲が皆さんの耳まで届かないっていうジレンマがあって。メンバー手作りのMVを1曲ずつ作っていくとか、いろいろやったんですけど、もっと届いても良かったなって思っていて。だから、今回、配信シングルという手法を選んだのは、シングルを盤としてリリースするよりも、もっとフットワーク軽くして、1曲ずつフィーチャーして聴いてもらえるようにっていう思いからですね。この1曲で、こうしてお話しする機会もいただけますし、細部までこだわってる部分を聴いてもらうためには、シングル盤やアルバムとして出すよりも、この形が一番いいのかなと思って。

では、この1曲について詳しくお話をお伺いしたいと思いますが、元々はいつくらいにできた曲だったんですか?

メロディ自体は1年くらい前くらいからありまして。いい曲だし、メロディ的にも僕ららしいなとずっと思っていて。うちのドラムの横やんが元SEなんですけど、実はデモサイトを作ってくれて。HPに行ったら、これまでのデモがmp3とwavで揃ってて、すぐに聴けるようになってるんですよ。全部で70曲くらいあるんですけど、アップ、ミドル、スローで分けられてて、随時更新されていくし、メンバーはもちろん、スタッフのみんなも見れるっていうHPがあって。その中から、春にリリースするにふさわしいメロディだねってことで選ばれた曲ですね。

分かりやすい言葉で、普遍的なテーマを広く歌って届けるっていうのも立派な作詞なんだっていうのを学んだんですね

歌詞はメロディと一緒に浮かんでました?

いえ、最初のメロディの時は全然違った歌詞でしたね。春の歌ではあったんですけど、上から下までまるっと変えました。僕としては、今までで一番普遍的なテーマに挑戦したというか。誰もが書いてきてる“花に人をだぶらせる”内容の歌を、分かりやすい言葉で、まっすぐに届けるっていうことに僕も挑戦したくなって。それは、メジャーデビュー後に培ってきたことの1つで、分かりやすい言葉を使って、普遍的で広いテーマの歌を届けるっていうのも立派な作詞なんだっていうのを学んだんですね。いわゆる、突飛な言葉を使ったり、抽象的にぼかして見たり、ちょっとうまいこと言ってみるっていうのではなく、ポップ・ミュージックの先輩方のように、まっすぐ届けるっていうことをこの曲ではやりました。その分、アレンジは今までとかなり違ったものにしたいなっていうのがあって。ブリッジのメロディーを持っていったときに、ギターの村中にアイデアが浮かんだようで、上から下まで村中慧慈がアレンジを作って。

ストリングスのアレンジも? これまではキーボードの因幡始さんがやってましたよね。

そうですね。これはギターの村中が作ってます。ロックバラードなんですけど、エレピの音が入ったり、パーカッションが入ったりしてて。ちょっと今風なところも掬い上げられてたらいいなっていうアレンジになってますね。始ちゃんにとっても新鮮だったみたいですし、ストリングスと一緒にエモさを出してる感じが新しいなと思ったので、いいなと思いました。

普遍的なテーマの歌詞に話を戻すと、花にどんな自分を重ねて書きました?

「wallflower」っていう英語のタイトルも今までの僕らにはない感じなんですけど、直訳すると「壁の花」で、ダンスパーティーとかで、相手を見つけられず端っこに独りぼっちでいる人っていう意味があって。歌詞では道端に咲く花を描写しているんですけど、そのことわざ的な意味が面白いなと思ったんですよね。誰にも相手をされずに、見向きもされずに、それでも自分らしく咲こうとする花っていう部分に自分を重ねられるんじゃないかなって思っていて。特別な存在にはなれないし、華やかでもない。別に誰に気に留めてもらってるわけでもなくても、たくさんの人の中で自分という人生を頑張って生きようとしている自分、みたいな。そういうところに花を重ねて歌った1曲かなと思います。

「僕らしい色で/たくましく生きる」と歌ってます。橋口さんの色というのは?

これまでやってきたことを貫いていくことかな~とは思いますね。周りを見ればきりがないから。自分がいいと思うもの、もしくは目指したいと思う歌を、これからも作っていくっていうところなのかなと思います。

月並みですけど、日々に寄り添える歌になってくるのかなと思います

その目指したい歌というのは?

月並みですけど、日々に寄り添える歌になってくるのかなと思います。日常生活の中で思ったこと、感じたことを歌にする。みんなもそれぞれ自分の日々を生きていて。それが特別じゃなくても、すごくドラマがあって、いいものなんだっていうところを、歌を通して伝えていけたらいいなって思うし、僕たちの歌があることで、聴いてくれた人の日々がちょっとでも彩られたり、明日からもちょっと頑張ろうって思えたりするものであって欲しいなっていうところは、変わらないのかなと思いますね。

昨年の12月4日にバンド結成からまる8年、9年目に突入しましたが、「聴き手の日常に寄り添う歌」という軸は変わってないですよね。

変わらずにこれて、ここまで続けさせてもらえたっていうことは本当に感謝ですよね。

レコーディングはどんなアプローチで臨みました?

アレンジがしっかり決まっていたので、プリプロをちゃんと積み上げた上で、レコーディングではそれを丁寧に弾いてくだけみたいな感じで。比較的スムーズだったんじゃないかなと思いますね。ただ、歌は意外と難しかったです。まっすぐに歌う部分が多かったので、歌い初めや語尾の癖でごまかせないというか。ちゃんとまっすぐに大きな声で歌う方が合う部分が多いので、素直な分、レコーディングは大変だったなって思います。でも、ライブはもうちょっと理想に近い形で歌えるんじゃないかなって感じてますね。

それはどうしてですか?

レコーディングほどピッチだなんだっていうのを気にせずに歌えるし、バンドの生演奏の音の中でやると、より大事なものが見えてくる歌なのかなって思うんですよね。最後の方に向けて、たくましく生きていく感じというか。ドラマチックなオケ、劇的な感じに歌も連れていってもらってる、いい相乗効果があって。ライブだとよりそれが自分的にも感じられて。すごく、いい歌を歌えそうな予感がしてますね。

この4月からスタートの8度目の全国ツアー「あっち、こっち、そっち、わっちツアー2018〜Wonderful Moments〜」が始まってますが、ツアータイトルも英語になってますね。

今までダジャレ使ったりしてたんですけど、「もう良くない? いい大人だし」っていうことになって(笑)。改めて、エンターテインメントな部分はもちろんだけど、楽曲もいいものを書いてきたし、感動できるものを作ってきた自負があるので、今回は本当に、シンプルに最高のひと時をみんなと一緒に過ごせるようにっていう願いを込めて、このタイトルにしました。とはいえ、シャレもこもってて。犬バンドとしては、戌年なので、ワンだふるな瞬間を与えられるようなライブにしたいなと思ってます。あと、前回は40公演だったんですけど、今回は23公演と数を減らした分、一本一本を濃密なものにしたいなって思っているし、前回はリリースツアーみたいなところもあったのですが、今回は今までの歴史を振り返って、リリースしてきたもののいいとこどりというか、集大成みたいなツアーにできたらと。曲を選ぶのも大変だったりするんですけど、これだけリリースやツアーを経てきたからこそできるものをしっかり伝えていきたいと思います。なんか、いい意味で、今までよりもシンプルにいいものにしたいんですけどね。

いい曲をいい歌といい演奏で届けることに焦点をあてるっていうこと?

それくらいの気持ちでいきたいですね。アフターパーテイーも数カ所に限定していて。あとは本編のみなので、毎回、燃え尽きられるようにしたい。本当に楽しかったなって、心から思ってもらえるようにしたいし、僕らだけじゃなく、お客さんも達成感を感じられるようなライブにしたいなと思ってますね。

この新曲がどういう風に育っていくかが楽しみですね

ツアーでは「wallflower」も聞けますか。

はい、やります。この新曲がどういう風に育っていくかが楽しみですね。ライブでやると、本当に曲って変わっていくんですよ。それこそ、受け手のみんなの表情やリアクションで変わるし、僕らも何回も歌うことで新しい発見があったりもする。そういうところは楽しみだなって思います。ミディアムバラードではあるけど、聴かせるっていう感じよりも、ぶつけるっていう感じなので、ライブの中でも大事な役割を果たすと思います。あとは、ファイナルが今までの倍のキャパなので、ちょっとやべ〜な、なんとか成功させたいと思ってるところですね(笑)。

じゃあ、最後にツアーに足を運ぶお客さんにメッセージをお願いします。

本当に後悔させないライブをやっていると思ってて。ツアーをこんだけコンスタントにやっていて、会場もちゃんと大きくなっているので、その分、前回の内容を軽々と超えていく、皆さんの期待をも超えていくライブを用意して持っているので、ぜひ、遊びに来て欲しいなと思います。また、「wallflower」は皆さんの日常を当てはめられる余白を残した歌だと思うんですよ。狭くないというか。すごく広い歌なので、いろんなところで聞いて、曲を育てて欲しいし、自分の歌にして言って欲しいなと思います。

その他のwacciの作品はこちらへ

ライブ情報

「あっち、こっち、そっち、わっちツアー2018 ~Wonderful Moments~」
《全国19カ所:23公演》
4月14日(土) 【東京】EX THEATER ROPPONGI よりスタート
詳細はオフィシャルサイトで。

wacci

橋口洋平(Vo&Gt)、小野裕基(Ba)、村中慧慈(Gt)、因幡始(Key)、横山祐介(Dr) 。
「泣きっ面にワッチ」。
聞く人全ての「暮らし」の中にそっと入り込んでいけるようなPopsを作るべく結成したバンド、wacci。
泣いたあとにちょっと笑えるような、笑ったあとはもっと笑えるような歌を届けます。
5枚目のシングル「大丈夫」は、YouTubeで500万再生を突破。また、1stフルアルバム「日常ドラマチック」はオリコンデイリーチャート2位を記録。
2017年5月24日にシングル「Ah!Oh!」を、8月16日に2ndアルバム「感情百景」をリリース。
4月14日(土)【東京】EX THEATER ROPPONGI より、全国19カ所:23公演となる「あっち、こっち、そっち、わっちツアー2018 ~Wonderful Moments~」がスタート!

オフィシャルサイト
http://wacci.jp/index.php