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「キセキの世代」が集結! 小野賢章らが熱い心を持って躍動する、舞台「黒子のバスケ」第3弾開幕

「キセキの世代」が集結! 小野賢章らが熱い心を持って躍動する、舞台「黒子のバスケ」第3弾開幕

人気バスケットボール漫画『黒子のバスケ』を原作とした舞台“くろステ”の第3弾、舞台「黒子のバスケ」IGNITE-ZONEが4月6日(金)東京・池袋 サンシャイン劇場にて初日を迎えた。初演は2016年4月。テレビアニメでキャラクターボイスを担当した小野賢章が舞台版でも黒子テツヤを演じることで話題を呼んだ。開幕してからは“バスケ”というスポーツをステージ上で見事に表現した演出家・中屋敷法仁の奇才ぶりと役者たちの熱演が注目を集め、このたび3作目の上演に至っている。試合展開とともに白熱する役者たちの意気込みが伝わってきたゲネプロと囲み取材の模様をレポートする。

取材・文 / 片桐ユウ
写真 / 田中亜紀 引地信彦
©藤巻忠俊/集英社・舞台「黒子のバスケ」IGNITE-ZONE

キャスト全員が体当たりで挑む試合シーンの熱量と演出。劇場でしか味わえない迫力と衝撃

『黒子のバスケ』は、藤巻忠俊による高校バスケのスポーツ青春漫画(集英社 ジャンプ コミックス刊)。創部2年目の誠凛高校バスケットボール部に所属する主人公・黒子テツヤが火神大我と共に、10年にひとりと言われる逸材が揃った中学時代のチームメイト「キセキの世代」の打倒に挑み、日本一を目指す物語だ。 舞台化の第3弾では、開幕したウインターカップで全国制覇に向けて進み始めた誠凛バスケ部の激戦を描く。

今作で大きく描かれる試合は2つ。1つ目はインターハイ東京都予選の際、ダブルスコアで惨敗した相手校・桐皇学園高校とのリターンマッチ。桐皇学園は「キセキの世代」のエース・青峰大輝を擁しており、因縁の対決となる。そしてもう1つは「キセキの世代」のセンター・紫原 敦と、火神の兄貴分・氷室辰也が所属する陽泉高校との試合だ。

主人公の黒子は、自らを「影」とするならばかつての「光」である青峰や、中学時代のチームメイトである紫原と戦うことになり、火神はアメリカ在住時代に兄と慕っていた氷室と敵対する。自然と登場人物たちの“過去”が色濃く出る展開となった。

氷室と再会した火神は動揺を隠せない。そして紫原と再び相まみえたのは、黒子だけではなく、中学時代に彼と対戦した経験のあった誠凛高校バスケ部創設者・木吉鉄平も同様だ。序盤で見せた因縁の出会いが、後半の誠凛VS陽泉戦に活きてくる。

黒子を演じる小野賢章と火神役の安里勇哉は“あ・うん”の呼吸。第1弾・第2弾の舞台を経て、より結束を固くしたコンビ感を見せていた。さらに、誠凛チームからも強い絆が一層伝わってくる。試行錯誤から創り上げてきた“くろステ”演出への絶対的な信頼感が、自信とパワーに変わったのだと感じられた。

初参加となる陽泉チームの勢いも負けていない。紫原を演じる鮎川太陽、氷室 役の斉藤秀翼、共に力強いパフォーマンスで、的確に“ヒール”としての役割を存分にアピールした。

そして主役同様、シリーズをとおして出演してきた桐皇学園チームの存在感もはずせない。青峰大輝 役の小沼将太は、初演で登場したときのただならぬオーラ、強敵として立ちはだかる絶対感に、この第3弾から人間味をプラスしてみせた。帝光中時代を回想するシーンでの飾り気なくバスケを愛する心と、黒子に対して見せる温かみは、本人の持つ味わいがキャラクターの血に流れた成果とも言えるかもしれない。

原作でも屈指の人気を誇り、圧倒的な強さを持つ赤司征十郎 役の糸川耀士郎も堂々とした佇まい。この先の活躍が気になる存在だ。

メインキャラクターの過去に絡む人物が多数登場する今回。長期連載していた漫画を原作とする舞台シリーズの宿命だが、初めて作品を観る観客にも各キャラクターの背景を漏れなく伝えるためには苦心が必要だ。

黒子や火神が過ごした中学時代と仲間たちとの関係性、舞台化第3弾としてここに至るまでの経緯……。“くろステ”は、登場するキャラクターの性格とポジションをうまく使って、各キャラクターが抱える過去と複雑な感情をわかりやすく描き出している。

試合で現れる新技の解説も担う各校のマネージャー陣、相田リコ 役の田野アサミと桃井さつき 役の杉 ありさの絶妙なバランス感覚、観戦に訪れた秀徳高校の緑間真太郎を演じる畠山 遼と高尾和成 役の山田ジェームス武の話技もテンポの良さに一役買っている。

その早いテンポに流されることなく、ドラマにも深みが増したのは、キャスト全員が体当たりで挑む試合シーンの熱量と演出があったからだろう。バスケ競技特有のスピード感とあっと驚くような展開、熱気、すべてが舞台上で再現されている。これはもう、劇場でしか味わえない迫力と衝撃。ぜひ客席で味わって欲しい。

試合展開を固唾をのんで見守り、各キャラクターが抱えてきた感情とその変化に泣かされる。スポーツと青春の喜びがガッツリと盛り込まれた爽快感溢れるステージだ。

ようやく「キセキの世代』が揃います

このあとは、囲み取材の各コメントのレポート。
囲み取材とゲネプロは、初日前日に開催され、黒子テツヤ 役の小野賢章、火神大我 役の安里勇哉、青峰大輝 役の小沼将太、紫原 敦 役の鮎川太陽、氷室辰也 役の斉藤秀翼、赤司征十郎 役の糸川耀士郎、演出の中屋敷法仁が登壇した。

<舞台への意気込み>

黒子テツヤ 役:小野賢章 早いものでもう第3弾。第1弾からやってきたメンバー、今回からのメンバー共に、今までやってきたことを引き継いでお客様に楽しんでいただけるように頑張っていきたいと思っています。

火神大我 役:安里勇哉 前回の第2弾は、第1弾を経てからのパワーを乗せて出来ました。今回は第1弾でボコボコにやられた桐皇学園高校とのリターンマッチ。そして火神大我としては氷室辰也との因縁が描かれます。とにかく早く演じたいです!

青峰大輝 役:小沼将太 シリーズ3回目の出演になります。中学時代、高校時代と演じ分けるのですが、第1弾のときは中学時代のほうが素の自分に近かったのですが、第3弾になると逆になってきてしまっているので……うまく芝居にぶつけていきたいです。

紫原 敦 役:鮎川太陽 初登場のキャラクターを演じます。長い間待っていた気がしますが、始まってみると今日まであっという間でした。たくさん稽古してきたものをステージにぶつけたいと思います。

氷室辰也 役:斉藤秀翼 僕も初参加です。この出会った仲間たちと一公演一公演大事に精一杯やっていきたいと思っています。

赤司征十郎 役:糸川耀士郎 原作ファンの方々、舞台ファンの方々も赤司征十郎の登場を楽しみに待ってくださっていたと思うので、そのプレッシャーすべてに打ち勝てるように稽古してきました! ステージならではの赤司征十郎を楽しみにしていただけたらと思います。

演出:中屋敷法仁 キャスト一同、演劇を愛する心とバスケを愛する心、そして何より『黒子のバスケ』という作品が大好きだという熱い心でガムシャラに作ってきました。『黒子のバスケ』を愛するお客様に早くお届けしたいです。

<今作の見どころ>

黒子テツヤ 役:小野賢章 ようやく「キセキの世代』が揃います。仕掛けがたくさんあって、新技なども舞台ならではのスタイリッシュな表現でお見せできると思いますので、楽しみにしていただければと思います。

火神大我 役:安里勇哉 “ゾーン”に入る舞台演出は見どころです。僕たち誠凛高校チームの一体感、成長も見逃さないで欲しいです。

青峰大輝 役:小沼将太 リアルなボールも使いますし、バンク……舞台のセットを多用している試合シーンが見どころです! 個人的には、中学時代、高校時代の青峰の演じ分けにも注目していただきたいです。

紫原 敦 役:鮎川太陽 陽泉高校は初登場で、僕が演じる紫原も少しひねくれ者ですが、彼らの想いの変化、人が変わる瞬間を見せていきたいです。大好きなモノへの取り組み方を見ていただけたら。そして“この先が気になる!”と思っていただける演じ方をしたいと思っています。

氷室辰也 役:斉藤秀翼 テンポの早いお芝居の中で、氷室と大我、紫原の出会いが丁寧に描かれているので、確執や葛藤、ジレンマなどを見せていけたら。そしてもし今後があるならば、この先の関わりが気になるようにやっていきたいと思っております。

赤司征十郎 役:糸川耀士郎 赤司が登場するところ。めちゃくちゃカッコイイ演出が付いています! 僕の役者人生の中で一番カッコイイ登場シーンになっているので、ぜひ注目していてください! ずっとバスケをやっていたのですが、経験者から見てもすごく泣けるドラマが詰まっています。

演出:中屋敷法仁 試合シーンが過去最高に激しいです! 何しろ今回は敵が強すぎるので。それと、今回はギャグシーンが少ないのですが、そのぶん、ギャグシーンに命を賭けているキャスト陣も見どころです(笑)。

サンシャイン劇場での公演は4月22日まで。その後、大阪公演、東京凱旋公演と続く。5月13日の大千穐楽はライブビューイング開催が決定している。

舞台「黒子のバスケ」IGNITE-ZONE

東京公演:2018年4月6日(金)~4月22日(日)サンシャイン劇場
大阪公演:2018年5月1日(火)〜5月6日(日)森ノ宮ピロティホール
東京凱旋公演:2018年5月11日(金)〜5月13日(日)日本青年館ホール
<ライブビューイング>5月13日(日)17:00開演の回

原作:藤巻忠俊「黒子のバスケ」(集英社 ジャンプ コミックス刊)
演出:中屋敷法仁
脚本:竜崎だいち
振付・ステージング:川崎悦子

出演:
〈誠凛高校〉
黒子テツヤ 役:小野賢章
火神大我 役:安里勇哉
日向順平 役:牧田哲也
伊月 俊 役:松井勇歩
木吉鉄平 役:河合龍之介
土田聡史 役:鍛治本大樹
相田リコ 役:田野アサミ

〈秀徳高校〉
緑間真太郎 役:畠山 遼
高尾和成 役:山田ジェームス武

〈桐皇学園高校〉
青峰大輝 役:小沼将太
今吉翔一 役:林 明寛
若松孝輔 役:和成
桜井 良 役:加藤ひろたか
桃井さつき 役:杉 ありさ

〈陽泉高校〉
紫原 敦 役:鮎川太陽
氷室辰也 役:斉藤秀翼
岡村建一 役:丸川敬之
福井健介 役:倉冨尚人

〈洛山高校〉
赤司征十郎 役:糸川耀士郎

オフィシャルサイト
公式Twitter(@kurobasstage)

©藤巻忠俊/集英社・舞台「黒子のバスケ」IGNITE-ZONE製作委員会


関連書籍:コミック『黒子のバスケ』

コミック『黒子のバスケ』

著者:藤巻忠俊
出版社:集英社 ジャンプ コミックス