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シャーロキアンも夢中になる! 小澤征悦、ジェンダーを超えたドラマ『ミス・シャーロック』の魅力を解説

シャーロキアンも夢中になる! 小澤征悦、ジェンダーを超えたドラマ『ミス・シャーロック』の魅力を解説

TVドラマ『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』で天才外科医を演じて記憶にも新しい俳優の小澤征悦が、4月27日(金)からHuluにて配信、世界19か国で同日放送される、連続ドラマ『ミス・シャーロック/Miss Sherlock』(全8話)に出演する。竹内結子扮するシャーロックの兄・双葉建人役で、心を閉ざした妹のことを内心心配しながら、妹が挑む難事件の紐解きに、さりげなく手を貸す重要なキャラクターをダンディーに演じている。

本作は、Huluと『セックス・アンド・シティ』『ゲーム・オブ・スローンズ』などを手掛けたHBOのアジア部門が共同製作した連続ドラマ。シャーロック・ホームズとジョン・ワトソンの二人を、女性に置き換えて描いた全く新しいミステリー・ドラマで、アーサー・コナン・ドイルの原作から物語の舞台を現代の東京に置き換えて、大胆にアレンジ。カプセル爆弾や新型殺人ウイルスなどの現代的な犯罪を取り扱いながら、日本有数のシャーロキアン・北原尚彦が小ネタを散りばめ、王道の謎解きが楽しめるドラマとなっている。演じていて「ゾクゾクした」と話す小澤に、自身が演じた役柄やドラマの面白さなどについて語ってもらった。

取材・文 / 上村恭子 撮影 / 増永彩子

妹に負けないくらいの頭の良さで、“20分しか時間がない”が口癖。「天才同士のひねくれた兄妹愛も楽しんで欲しい。

まずはオファーがきたときの感想をお伺いします。

日本から海外発信を前提に製作されたドラマに、俳優として参加できることが率直に嬉しかったです。子どもの頃、ホームズの本が家にズラリとあって、読むのが大好きでした。その世界を演じられると思うと、まずワクワクしました。

子どもの頃にお読みになった作品の印象や、シャーロック・ホームズを描いた過去作など、シャーロックの兄を演じる上で影響したことや参考にしたことなどはありましたか?

台本を読みながら並行してベネディクト・カンバーバッチ主演のドラマ『SHERLOCK/シャーロック』(BBC)を観ました。そのドラマでは、僕が演じる役柄がとてもミステリアスに描かれていました。でも、今回の作品は、舞台も現代の日本で主人公も女性に置き換えていますので、オリジナルと捉えて、原作や既存の作品を参考にすることはあまりありませんでした。たとえば時代ものを演じるときなどに言えるのですが、研究してしまうことが芝居の足かせになってしまうこともあります。なので、今回も現場で(キャラクターを)つくっていくことを大事にしました。

原作の兄マイクロフトと同様、本作の兄・健人も役人で、内閣情報調査室の内閣情報分析官という堅い職業。スッと登場して妹がピンチのときに手助けしてくれるスマートな兄でしたが、役をどう捉えながら演じましたか?

監督と話して構築した部分というのが、まず、妹シャーロックに負けないくらいの頭の良さで、それゆえに、小憎らしいところがあるというか(笑)、機転が利くというところです。頭の回転が速いゆえに、言葉を発するまでの「間」をあえて半間くらい遅めにし、その「間」に人間的な魅力が出せたらいいなと思いながら演じました。妹のことを助けるといっても、表立って助けるのではなく、そっと手を差し伸べる形です。妹との人間関係を大事しながら役柄に投影していきました。

登場のたびに「20分しか時間がない」と言いつつも妹を手助けします。ドラマの面白さであるスピード感を、なおも煽ってくるような人物にも映りました。

そういう意味合いもあるかと思います。台本上では、単に健人が職業柄忙しくて、それしか本当に時間がないのかもしれません。でも、僕としては、これは兄なりの妹へのひねくれた愛情の表し方だとしたら、面白いのではないかなと思いながら演じていました。妹にはこれしか時間が割けないんだ、と片意地張っているような感じで。

シャーロックとのシーンでは、ある種の緊張感もありますね。特に印象深かったシーンはどこですか?

4話目、事件が解決した後のシーンです。貫地谷(しほり)さんが演じる和都が、京都・勘兵衛の「テリーヌ・オ・ショコラ」を持って来る。高級菓子を前にして、シャーロックと二人でテンションが上がるんです。あれで芝居のあり方が決まったというか。竹内さんと兄妹感を出すために、現場で工夫しながらつくっていったシーンなんです。和都に向かって、「緑茶がいい」とか「浅見茶がいい」とか言って、彼女を困らせる。台本ではひと言ずつで終わっていたのですが、兄妹で「緑茶だ」「浅見茶だ」と軽い口ゲンカのように、偉そうに言い張って、和都のリアクションを引き出し、とても楽しいシーンになりました。

難しい事件や謎解きの緊張感が解けて、兄妹が育ってきた環境みたいなものが垣間見られるような、ほのぼのしたシーンでした。その後、最終話に向かって、兄としての存在感がどんどん増していき、関係性もよく見えていきますが、どこに注目してほしいですか?

二人の根底にある愛情と信頼を見て欲しいです。後半、シャーロックが追われる身となったとき、助けになるような道具を渡しながら「逃亡犯の兄みたいだろ」と言うセリフが好きです。家族とか長時間一緒にいる人間関係では、愛情を素直に優しく伝えられない部分もあるじゃないですか。それも、自分の方が頭も良くて上だと思っている兄と妹なので、なおさら素直になれない。頭脳明晰な者同士が、角度を変えて助け合う姿に、兄らしい愛情が感じられると思います。

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