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『戦場のヴァルキュリア4』感動の物語と、人気イラストレーターが描くキャラクターたち

『戦場のヴァルキュリア4』感動の物語と、人気イラストレーターが描くキャラクターたち

セガゲームスからPlayStation®4用ソフトとして発売された『戦場のヴァルキュリア4』(以下、『戦ヴァル4』)。新作が7年ぶりの登場となった本シリーズは、高い戦略が必要になる硬派なシミュレーションRPGなのだが、独自の戦闘システムである“BLiTZ(ブリッツ)”や表現方法の“CANVAS(キャンバス)”、そして深い物語性と個性的で魅力あるキャラクターたちのおかげで、幅広い層に人気を博し、ファンであるほど熱烈な支持を得ている。 BLiTZと CANVASについては、前回の記事で紹介しているので、今回は、物語の舞台となっている大戦や世界設定、物語を彩る登場人物たちの魅力について説明していく。

文 / ドロシー伊藤


架空の戦争を舞台にした物語

本作は1930年代のヨーロッパをイメージした世界が舞台。帝国と呼ばれる勢力の侵攻作戦により戦争が始まっている。プレイヤーは帝国に対抗すべく結成された連邦側の部隊となって戦うことになる。シリーズ1作目と3作目では、連邦と帝国に挟まれた小国“ガリア”を守るため、同国の義勇軍や懲罰部隊として戦っていたが、今回は連邦のエディンバラ軍ガリア人部隊として大戦に参加。戦争の終結を目指すべく大きな作戦へと投じられていくことになる。過去作と時間軸がいっしょなので、過去作の“ガリア戦役”の影響を感じながらも、同大戦を体験することができる。

▲全18章のメインストーリーと、”断章”と呼ばれるサブエピソードで綴られる『戦ヴァル4』の物語。クリアしたイベントや戦闘のエピソードは、いつでも再閲覧や再戦が可能になっている。いま一度、大事なエピソードに触れたい場合にも便利だ

▲『戦ヴァル2』もガリア公国が舞台だが、第二次ヨーロッパ大戦終結の2年後が舞台。内戦状態となっているガリア領土内で、反乱軍とそれを鎮圧する士官学校の生徒たちとの戦いを描いている

史実的には第二次世界大戦の勃発時期に近く、陸上は歩兵による戦闘が主になり、補助として戦車が投入される形となっている。兵器水準も同時期に近いのだが、“ラグナイト”と呼ばれる鉱物やヴァルキュリアといったファンタジー要素が登場するため、現実とは若干違う文明が描かれる。ラグナイト鉱石はエネルギー資源として利用され、戦車などの動力や回復器具として使用されており、青白い光を発光するのが特徴。ヴァルキュリアは、数千年前に北方から現れた侵略者からヨーロッパを守った伝説の民族だが、現在はその姿を見ることがなく伝説として語り継がれている。これらの設定は作中のイベントでは語られないことも多いが、ゲーム内の自室にある博物総覧などで確認することが可能だ。

▲ファンタジーな世界ではあるが、兵器関連のデザインはリアル指向。戦車などは鉄の塊を思わせる無骨なデザインなので、リアリティがドラマを盛り立てる

▲本作で新登場する“雪上巡洋艦”。センチュリオン防衛戦のエピソードでは、クレバス内部に納まったその姿を確認できる。その巨大さは圧巻!

シリーズタイトルにも記されている“ヴルキュリア”。すでに消え去ったと思われていた民族だが、その血を受け継ぐ末裔が存在する。その強大な力ゆえ、兵士ではなく兵器として利用されることが多い。おもに帝国側の敵として登場し、連邦に所属する主人公たちを苦しめるのだが、その美貌ゆえにユーザーからの人気が高い。

▲ヴァルキュリア人は銀髪で真紅の瞳を持つ。シリーズ1作目に登場したセルベリア・ブレスは本作でも回想シーンで登場。ダウンロードコンテンツ”ふたりのヴァルキュリア”を購入し、クリアすれば、自部隊の一員としても使用できるので、その強さをぜひ体験してほしい

▲本作では敵のヴァルキュリアとして、クライマリア・レヴィンが登場。こちらも4月19日配信のダウンロードコンテンツ“ふたりのヴァルキュリア”を購入・クリアすると、自軍でも利用可能になる。新ヴァルキュリアの強さはいかに!?

絆、出会いと別れが紡がれる感動の物語

本作は、レンジャー部隊E小隊の隊長である主人公のクロードを軸に、同郷の仲間たちとの友情が描かれる。荒っぽい性格ながらじつは仲間思いのラズ、寡黙でそっけない雰囲気を持つカイ、そして、兵士ではないが技術少尉として派遣されてきたレイリィの4人が部隊内で再会。現在は信頼関係で結ばれているが、昔は仲の悪かったクロードとラズや、逆に仲が良かったが現在は疎遠になっていたクロードとレイリィの関係などが徐々に語られていく。また、中盤から後半にかけては、さらなる幼なじみとの再会や仲間との別れなども発生する。4人の友情や故郷への思い、そして昔から抱いていた恋心などが絡み合い、ときに涙する場面もあるのだが、話すとネタバレになってしまうし、簡単な説明で終わらせるのはもったいない。自身の目でその感動の物語を確かめてほしい。

▲ラズの所属する部隊に新隊長として着任したクロード。以前は街の不良と優等生といった関係だったため、信頼関係は皆無であったが、とある出来事を機に友情が芽生えていく

▲狙撃の名手であるカイ。名前などに関して、部隊の仲間全員で共有する秘密を持つようで、途中から部隊に参加したレイリィに不思議に思われている

▲本作のヒロインであるレイリィは、過去の事件が原因でクロードに対して不信感を抱いている。ただ、物語が進むにつれその思いは解消。別の思いへと変化していく

▲幼なじみ以外にも、物語に深く関わるキャラクターたちが登場。第二のヒロインとも呼べるアンジェリカは物語のキーとなる存在。衛生犬のラグナロックは、救助演出で登場することもある

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