Interview

話題作『いぬやしき』で約10年ぶりに父娘役で共演!木梨憲武と三吉彩花が楽しかった撮影現場を語る。

話題作『いぬやしき』で約10年ぶりに父娘役で共演!木梨憲武と三吉彩花が楽しかった撮影現場を語る。

父・犬屋敷が娘・麻理の救出に向かうクライマックスの撮影では、木梨と三吉の”父娘の絆”がより強固なものに!

佐藤信介監督は、役者さんにビデオコンテをお見せすると聞いたことがあります。お2人も現場でご覧になったのでしょうか?

木梨 CGで合成するシーンだったり、アクションのところでは見せてもらいましたけど、家族でのお芝居を撮るところでは、なかったですね。CGのところは「こんなふうになります」っていう画を見せてくれるので、イメージがしやすいんです。あと…佐藤監督との不思議な縁じゃないけど、監督がまだ若かったころ、師匠筋にあたる人が市川準さんなんですよね。それこそ、俺が16年前に出してもらった『龍馬の妻とその夫と愛人』を監督された──。

三吉 えっ、そうだったんですか!?

佐藤監督は、市川準監督の作品でよく脚本を書かれていたんですよね。

木梨 そうなんですよ。だから、俺も市川さんと監督の話を聞いて、ビックリしちゃって。こっちは、それ以来の主演だったから、これもご縁だなぁ、なんて思いましたよ。にしても優しいよね、佐藤監督。

三吉 優しいです。現場で怒っている姿を見たことがないですから。

木梨 スタッフに対しても、絶対声を荒げないからね。疲れている素振りも見せないし。

三吉 佐藤監督の現場は、ほとんどピリピリすることがなくて。それがすごいなと思いました。

主演俳優がケータリングに精を出しても、寛容でいらっしゃって(笑)。

木梨 本当、それですよ。三吉ちゃんも看板娘になってくれたしね。

三吉 そう考えると、『いぬやしき』の撮影期間って、めっちゃ楽しかったですよね。

木梨 でも、時々出番がない日があるわけ、麻理の。「あれ、今日麻理は?」「今日は出番ないので、現場に来ません」って言われると、「なんだ、いないのか…」って。

寂しかったんですね(笑)。

木梨 寂しかったね〜。で…焼き鳥の話ばっかりでアレなんだけど、撮影の最終日に…あれ何キロくらいあったのかな?

三吉 (思い出して)ああ~! 結構な大きさでしたよね。

木梨 ものすごく大きな牛肉の塊を、ドサッと買い込んできて。50キロくらいあったのかな? そんな大量の牛肉、いつ誰が食べるんだって思うくらい。でも、焼く職人がいないわけですよ。そうしたら焼くしかないじゃない、俺が。そうこうしていたら、特効のスタッフの人が鉄板を持ってきてくれて。時々、ほかの現場でもバーベキューみたいなことをしていたんでしょうね。焼くのに慣れているらしくて、「手伝うよ~」なんて言ってくれて。ただ、そうは言っても50キロの肉だから全然さばけなくて。うちの事務所の人間も動員して、切ったり焼いたりしているうちに、昼の休憩時間になっちゃって。みんな、並び始めるもんだから、最後まで焼き場を仕切り通したっていう。だから、次にどこかの現場に入った時の俺は、もう完璧に整えますよ。『いぬやしき』での経験がかなり役に立ったので。

整えるというのは、炭焼きのことですよね?

木梨 もちろん(笑)。

三吉 方向性が間違っている気がしますけど(笑)。

木梨 まぁ、そっち(芝居)は監督の指示に委ねれば大丈夫っていう信頼感があったから。カメラがまわっていないところで、いかに現場を充実させるかが裏のテーマだったわけで。何か甘いもの食べたいねっていう声があったら、友達のところにケーキを70個ほど発注したり。一応、発注かける前にその日に来る人来ない人をちゃんと確認して余らせないようにしたりっていう、段取りが我々裏方は大変でしたっていうね。

三吉 裏方さんじゃないですって。主演ですって(笑)。

木梨 主役は「犬屋敷さん、お願いしま~す」って呼ばれた時、ちょっと現場に行くんだけど、声が掛かるタイミングがね、炭火の状態がいい時に呼ばれると「え~、今? 嘘でしょ…」ってボヤきながらスタジオの中に行くっていう(笑)。いや、こんなに炊き出しの話ばっかりで大丈夫?

©2018映画「いぬやしき」製作委員会

そ、そうですね。できればクライマックスの…犬屋敷さんが麻理ちゃんを助けに行く一連のシーンの話もしていただければ、と。

木梨 よしっ、後半の話をしよう。

三吉 セットとグリーンバックを使い分けて撮ったんですけど、それだけで非日常感があって。

木梨 麻理が危ない目に遭うシーンでは、俺も近くにいて。反対に、俺がやられそうになるシーンを撮っている時も、三吉ちゃんがいてくれて。佐藤健にボコボコにされながら、「何だよ、かっこいいな〜コイツ」なんて思いながらね。何せ、カメラよりも近くで彼の顔を見ていたから。でも、健くんが容赦なくやってくれたのは、ありがたかったですね。ただ、下が砂利なもんだから、結構こっちのカラダに傷がつくわけですよ。で、オッサンだから治りが遅いの(笑)。

三吉 切ない〜。

木梨 あのシーンは日数かかったよね。

三吉 そうですね、結構な時間をかけて撮っていましたよね。

木梨 監督が大事に、ていねいに撮っていたから。

三吉 4~5日かけて撮っていって。

©2018映画「いぬやしき」製作委員会

木梨 カット数を絵コンテにしてあって、撮り終わるごとに斜線を引いてチェックしていくんですよ。あらかじめ、「今日はカット○○まで頑張って撮りましょう」っていう話を監督がするんですけど、エライ数なんですよ。

三吉 本当にいけるのかなって。

木梨 何秒か撮って、20分待ちみたいなローテーションで。そうやって、ていねいに撮っていったんですよ。

三吉 何か、懐かしいですね。

木梨 でも、外が暗くなるくらいまで撮ったら、その日は終わるんだよね。深夜まで撮る、みたいなことが全然なかったんです。

三吉 そうでした、時間がちょっと押すことはあっても、極端に遅くなることがなかったですよね。

木梨 その辺りのスケジュールの切り方も素晴らしくて、佐藤組は最高だなと思って。で、現場が終わったら家に帰ればいいのに、ちょっと一杯だけ寄ってくかと思っちゃうタイプだから…。ほら、犬屋敷壱郎なもんで(笑)。次の日にちょっと顔が少しむくんでいても、犬屋敷だから逆にリアルかな、なんて言って。という、自分のこじつけの元に焼き鳥屋に行ったりしてね。ロケ終わりの日は、三吉ちゃんに「サラッと行っちゃうか?」なんて言って。ノリがいいからね、彼女。

三吉 ちょっと、もうやめてください〜。一応、イメージがあるんですから〜(笑)。「お酒はたしなむ程度です」って、言うことにしているんです。

木梨 そうなんだ(笑)。けどさ、ホントこんな脱線した話ばかりで大丈夫?

お気遣いありがとうございます! では、最後に読者に向けて『いぬやしき』のアピールをお願いします。

木梨 三吉ちゃん、先に言っていいよ。

三吉 そうですね…映像の迫力は若い世代の方々にも楽しんでいただけると思いますし、ヒューマンストーリーもしっかり描かれているので、家族のことだったり、周りの人のことを思い出しながら観ていただける作品になっていると思います。ぜひ、劇場へいらしてください。

木梨 そう、我々の年代があまり映画館に行ってないっていう話を耳にしたもので。確かにDVDを借りて済ましちゃったりしていたなというところもあったから、オッサンたちで散歩をしながら「なぁ、『いぬやしき』でも観に行くか」なんて言って、「お〜、なるほど、いいね〜」って日比谷の新しい映画館に来てもらって、その後に新橋でカーッと飲んで帰るっていうのが、いいんじゃないかって。

三吉 わ、それいい〜!

木梨 でしょ? でね、「いやいや、俺たち機械の身体になんてなれないでしょ〜!」とか語りながら、グイッといってもらえたら、最高かなって。なので、我々世代に映画館で観てもらいたいなっていうのと、三吉ちゃんたちの若い世代にも楽しんでもらって。

三吉 この映像は本当に映画館で体感していただかないと、本当のよさが伝わらないですからね。

木梨 そうそう、お父さんと娘で観に来てもらえたら、映画的にも理想じゃないかな、と。

映画『いぬやしき』

大ヒット公開中

キャスト
木梨憲武 佐藤 健
本郷奏多 二階堂ふみ 三吉彩花
生瀬勝久 / 濱田マリ 斉藤由貴 伊勢谷友介

原作:奥 浩哉『いぬやしき』(講談社「イブニング」所載)
監督:佐藤信介
脚本:橋本裕志
音楽:やまだ 豊
主題歌:MAN WITH A MISSION 「Take Me Under」(Sony Music Labels)

製作:映画「いぬやしき」製作委員会
制作プロダクション:シネバザール
配給:東宝
オフィシャルサイトhttp://inuyashiki-movie.com/

©2018映画「いぬやしき」製作委員会
©奥浩哉/講談社

木梨憲武(犬屋敷壱郎役)

1962年3月9日生まれ。東京出身。O型。 石橋貴明とのお笑いコンビ・とんねるずとして活躍するほか、俳優やアーティストとしても活躍。6/20より「木梨憲武展」をロンドンで開催、その後、全国巡回展を開催する。
【主な出演映画】
『竜馬の妻とその夫と愛人』(02)『ファインディング・ニモ』(03・日本語吹替版声の出演)『矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~』(10)『ウォーキング with ダイナソー』(13・日本語吹替版声の出演)『ファインディング・ドリー』(16・日本語吹替版声の出演)

三吉彩花(犬屋敷麻理役)

1996年6月18日生まれ。埼玉県出身。 B型。 2010年、『ミスセブンティーン2010』に合格し、以降、2017年に卒業するまで雑誌『Seventeen』の専属モデルとして活躍。女優としても話題作に出演し続ける。
【近年の主な出演映画】
『女の子ものがたり』(09)『告白』(10)『グッモーエビアン!』(12)『旅立ちの島唄~十五の春~』(13)『ONE PIECE FILM GOLD』(16・声の出演)

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原作本 いぬやしき

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