2018年春アニメ主題歌特集  vol. 2

Interview

『銀英伝』新TVアニメ主題歌、実物大ユニコーンガンダム立像テーマ曲も。新たなサウンドアプローチを拓く一作 SawanoHiroyuki[nZk]インタビュー

『銀英伝』新TVアニメ主題歌、実物大ユニコーンガンダム立像テーマ曲も。新たなサウンドアプローチを拓く一作 SawanoHiroyuki[nZk]インタビュー

『進撃の巨人』や『七つの大罪』など、数々の話題作でサウンドトラックを担当する人気劇伴作家・澤野弘之。彼が率いるボーカルプロジェクト・SawanoHiroyuki[nZk]の6thシングルは、『銀河英雄伝説 Die Neue These』と『機動戦士ガンダムUC』という大型タイトルのテーマソングが並んだ両A面盤となる。注目のボーカリスト・Uruを加えて、新たなサウンドアプローチをひらいた一枚について話を聞いた。

取材 / 澄川龍一(リスアニ!) 文 / 寺田龍太


大作シリーズ新作の主題歌は壮大なロックバラード

澤野弘之

4月25日に6thシングル「Binary Star/Cage」がリリースされます。『銀河英雄伝説 Die Neue These』OPテーマとなる「Binary Star」は、nZkには珍しいバラード調の楽曲です。

いちばん最初にいただいたオーダーから、「アップテンポではなくバラードで、弦楽器の音も入れて欲しい」というご依頼でした。歌詞に関しても日本語ではなく英語詞でお願いされ、普段とは少し異なる一曲に仕上がったと思います。僕もOP楽曲でバラードを作ったのは初めてで、すごく貴重な機会でした。

がっつりとオーケストレーションをはめるのではなく、バンド・サウンドの要素も取り入れられた楽曲ですね。

過去の『銀河英雄伝説』アニメシリーズのオープニングはミュージカル風ですし、宇宙というテーマを含めて壮大感のあるニュアンスを第一に意識しましたが、nZkプロジェクトの楽曲としてはバンド・サウンドも入れていきたい。『アルマゲドン』のエアロスミスのような、ロック・ミュージシャンが歌う壮大なロック・バラード的な楽曲が作れれば面白そうだな、というイメージで取り掛かりましたね。

ソロシンガーとして活動されているUruさんをあらたにボーカリストに迎えられましたが、最初の印象はいかがでしたか?

曲を先行で作った後にボーカリストの方を探して、スタッフの方と相談する中でUruさんの資料を聴かせていただきました。ネット上のいろいろな楽曲をカバーされている動画の中に、「この歌い方なら「Binary Star」にハマるかもしれない」という一曲があったので、お願いすることに決めたんです。YouTubeの動画では顔の片側しか映っていないので、ミステリアスな印象はありましたね。

nZkプロジェクトが迎え入れた新たなボーカリスト・Uru

Uruさんのレコーディングではどのような歌唱指導を?

Aメロ・Bメロの歌い方は事前になんとなく想像できたので、強く声を張るサビの部分をどう歌ってくれるのかが楽しみな部分でした。仮歌も送っていただきましたが、レコーディング現場であらためて「今までにないぐらいに声を張って叫ぶように歌ってもらっていいですか」とお願いしましたね。普段のご本人の歌い方とは異なるオーダーになってしまったと思いますが(笑)。僕自身のサウンドアプローチも生楽器主体という事で前回のアルバムから方向性が変わりましたが、それ以上にボーカリストの方の声で印象の変わる部分が大きいということを実感しました。

『銀河英雄伝説 Die Neue These』での楽曲提供はOPテーマのみとなります。作品の劇伴を担当しない例は、澤野さんには珍しいですよね。

そうなんです。今までは僕が劇伴を担当する流れでnZkプロジェクトにも主題歌をやらせてもらえているような部分がありましたし、いずれはnZk単体でのお話もいただけるようになればと思っていたので、今回の機会をいただけたのはすごく嬉しかったですね。

作品の音楽全体を司っていたこれまでの活動とは異なるわけですが、楽曲制作の面では何か変化がありましたか?

劇伴も同時にやっていると、nZkの楽曲で作ったメロディを劇伴にも取り入れるといったシンクロも可能でしたが、今回はそういった作品との関係の仕方が変わって新鮮な感覚がありました。そうした気持ちのうえでの変化はありましたが、制作のうえではあまり変わらず、普段のnZkの楽曲を作る時と同様に進めていきましたね。

1 2 >
vol.1
vol.2
vol.3