2018年春アニメ主題歌特集  vol. 3

Interview

【インタビュー】女王蜂、初のアニメ楽曲で運命的出会いを果たす。“人間と喰種のハーフ”と自身を重ねた「HALF」とアヴちゃんの不敵な笑み

【インタビュー】女王蜂、初のアニメ楽曲で運命的出会いを果たす。“人間と喰種のハーフ”と自身を重ねた「HALF」とアヴちゃんの不敵な笑み

女王蜂がニューシングル「HALF」をリリースする。TVアニメ『東京喰種トーキョーグール:re』EDテーマに起用されたこの曲は、ロック、ヒップホップ、ダンスミュージックを融合した濃密かつ刺激的なナンバー。「HALF」を軸にしながら、現在の女王蜂のモードについてアヴちゃんに語ってもらった

取材・文 / 森 朋之


「何をやっても、“これも女王蜂らしい”と言われるようになる」というチケットを手にした

まずは昨年リリースされたアルバム『Q』以降の女王蜂について聞かせてください。少年性をテーマにした『Q』は歌詞の世界観、ダンスミュージックをドラスティックに取り入れたサウンドを含め、女王蜂の新たな代表作だと思いますが、その後のバンドのビジョンはどう描いてますか?

『Q』を出したことで、「何をやっても、何か月後かには“これも女王蜂らしい”と言われるようになる」というチケットをもらった気がしていて。もちろんライブではバンドサウンドに落とし込むんですが、音源にはバンド以外の音が入っていてもよくて。自分たちがカッコいいと信じていることをやれば、絶対にズレることはないというのかな。

より自由な創造性を手に入れた?

そうですね。バンドを組んだ頃は、楽器を始めてから1~2年の私たちが、どうやったら人を感動させられるか?と知恵を絞って死ぬ気でやってたんだけど、いまはもっといろんな武器を持っているので。

よく言ってるんですけど、1stアルバム(『魔女狩り』/2011年)のときは色鉛筆だけでガッと描いたような作品だったと思うんです。2ndアルバム(『孔雀』/2011年)は水彩画、3rdアルバム(『蛇姫様』/2012年)は油絵。その後、活動休止を挟んで、“伝えたいことを形にするためには、しっかりデザインすることも必要”と思えるようになったんです。衝動、熱量さえ込めていれば、どんなにデザインしても、冷たいものにはならないんだなって。ちょっとかわいくない話ですけど、曲はたくさんあるし、やりたいことも溢れてるんです。あとはどういう形態でリリースしていくか、ということですよね。

「HALF」なところは私自身とも重なっているし、今回のお話は運命だったんだなと思います

次の新たな一手が、ニューシングル「HALF」ということですね。この曲はTVアニメ『東京喰種;re』EDテーマ。これはアニメサイドからオファーを受けてから制作された楽曲なんですか?

じつはEDテーマのお話をいただく前から、思い付いていた楽曲なんです。たとえば中島みゆきさんの『生きていてもいいですか』というアルバムタイトルだったり、Perfumeの「弾けるような 恋をしようよ」という歌詞(「Spring of Life」)もそうなんですけど、「誰が何を言うか」ってすごく大事だと思うんですよ。

そう考えると、このタイミングで私が「HALF」という言葉を発するのはすごくいいんじゃないかなって。メンバーやスタッフとも「この曲をいい形で届けたいね」と話しているときに、『東京喰種トーキョーグール』のお話をいただいたんです。

なるほど。鋭利で華麗なギターサウンドとヒップホップ的なビートのバランスも刺激的でした。

女王蜂に白羽の矢を立てていただいたのであれば、アニメのイメージだけに寄せていくのは失礼なんじゃないかと思って。今の自分たちが欲している音、心からカッコいいと感じている音を出すべきだと思ったし、そういう気合いで作った曲が(アニメサイドから)一発OKだったのはすごく嬉しいですね。

誰が聴いても“ヤバッ!”と感じてもらえる曲にしたかったんです。(アニメのエンディングとして)90秒聴いてもらえれば「カッコいい、明るい、イケてる」と思うだろうし、全体を聴けば「この人たち、やるしかないからやってるんだな」とわかってもらえるんじゃないかなって。

「HALF」をリリースすることは、女王蜂にとっても大きな意義がありそうですね。

そうですね。私は小さい頃から「どことどこのハーフなの?」と聞かれてきて。混血を“半分”という意味の言葉で呼ばれるのは何なの?と思ったし、自分のアイデンティティを見つめ直す機会が多かったんですよね。それはイヤな経験ではなかったけど、自分で自分のことをハーフとは言ってなかったんです。

『東京喰種トーキョーグール』の主人公たちも、自分では望んでいないのに、人間を食べないと生きていけないじゃないですか。そこで葛藤を抱えてしまうっていう。

人間と喰種のハーフですからね。

そこは私自身とも重なっているし、今回のお話は運命だったんだなと思います。

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