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日本映画の新しい才能はどこに? ネクストブレイクの見つけ方

日本映画の新しい才能はどこに? ネクストブレイクの見つけ方

毎年、数多くの映画が公開され、ヒットしたり、完成度は高いのに評価を得られずに数年後に改めて発見されたりするが、多くの才能あふれる映画人が残念ながらこの世を去る一方、次世代を担う俳優やフィルムメイカーが登場して映画ファンを楽しませてくる。

ところで、明日の映画界を担う才能は一体、どこに潜んでいるのだろうか? 映画ファンであれば、定番の人気作で楽しみつつ、まだ誰も注目していない新しい映画や才能を発見したいはず。

ネクストブレイクはホラー映画に潜んでいる!?

少し前まで、日本ではホラー映画が多く製作され、のちにブレイクする女優がたくさん出演している。例えば、

『リング』(1998年) 竹内結子
『リング2』(1999年) 深田恭子
『リング0 バースデイ』(2000年)仲間由紀恵
『着信アリ』(2004年)柴咲コウ
『オトシモノ』(2006年)沢尻エリカ
『シロメ』(2010年)ももいろクローバー(後に”ももいろクローバーZ”に)
『劇場版 零』(2014年)中条あやみ、森川 葵
『神様の言うとおり』(2014年)福士蒼汰、山崎紘菜、村上虹郎
『貞子vs伽椰子』(2016年)山本美月、玉城ティナ 

©2016「貞子vs伽倻子」製作委員会

とにかく豪華で現在の主演級のキャストがホラー映画に出演していた。近年は一時期ほどはホラー映画が製作されなくなったが、現在も続いている「人狼ゲーム」シリーズには、桜庭ななみ、太賀、岡山天音、土屋太鳳、佐久間由衣、浅川梨奈、武田玲奈など男女問わず気になる若手俳優が続々と出演中。ホラー映画が苦手な人も定期的に足を運べば、若い才能を見つけられるかも。

なぜ? ホラー映画に“新世代スター”が集まる理由

ホラー映画に若い才能が集まる傾向は海外も同様で、アメリカであればホラー映画を手がけた後に、順調にステップアップして超大作映画を手がけるようになる監督や俳優は多い。なぜか? 理由はまずホラー映画の多くが”低予算”で作られていることだ。巨大なセットや大掛かりなCGを必要としないホラー映画は”アイデア勝負”の部分が大きく低予算で製作されるため、キャストも出演料が高いスター俳優ではなく、これから映画界で活躍しようとしている若手が起用されることが多い。

また、ホラー映画は、怖いものが苦手な人には敬遠されるが、ジャンル映画として定番になっているため、資金を出す側から見てもある程度は収入が見込めるジャンルになっており、定期的に限られた予算で新作が作られ、若い才能が大量投入。その中から限られた資金と状況をバネに光る作品を送り出した人がステップアップしていく。

アメリカでは『スパイダーマン』のサム・ライミ監督も『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督も、『ワイルド・スピード SKY MISSION』のジェイムズ・ワン監督も低予算ホラー出身だ。

画面の隅々まで見ることで映画界の“明日”が見えてくる!?

テレビの世界では「仮面ライダー」シリーズやヒーロー戦隊などの特撮シリーズから、人気キャストが次々に誕生しており”若手の登竜門”的な存在になっているが、映画の世界ではそこまで定番のシリーズは現在のところ存在していない。しかし、人気の青春映画や恋愛ドラマの”メインキャスト”ではない役で出ていたキャストが数年後には、主演作を連発するブレイクを果たすのはよくある話。少し振り返るだけでも、小栗 旬が当時まだ新人だった長澤まさみ主演の『ロボコン』に出ていたり、綾野 剛が『NANA』に出ていたり、山田裕貴が『私の優しくない先輩』に少しだけ出ていたりする。多くの観客はメインキャストばかりを気にしているが、主人公の友達や、兄弟役、画面の隅に出ている若手キャストに注目しておくと、今後の映画鑑賞も楽しくなるし、自分だけの楽しみも広がるかも。

今年の連休あたりでも木梨憲武と佐藤 健が共演する『いぬやしき』や、菅田将暉、土屋太鳳ダブル主演の『となりの怪物くん』、桜井日奈子と吉沢亮が主演の『ママレード・ボーイ』、東野圭吾原作の『ラプラスの魔女』など話題作が続々と封切られている。もちろん、どの映画も人気原作がどのように映画化されるのか気になるし、メインキャストの演技にも目を奪われるところ。しかし、画面を隅々まで見ると、ブレイク寸前の、ブレイク予備軍のキャストが多く出演しているはずだ。まだ誰も見つけていない”才能の原石”を見つけて、そっと見守るのも、映画を観る際の楽しみのひとつではないだろうか?

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