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【放送は終了したけど…】今からでも観るべきおすすめ&隠れた良作アニメ3選(2018年1~3月編)

【放送は終了したけど…】今からでも観るべきおすすめ&隠れた良作アニメ3選(2018年1~3月編)

サンリオ男子(全12話)

2018年冬アニメの中で、最も“いい意味で”期待を裏切られたのが『サンリオ男子』だ。そもそも『サンリオ男子』は、2015年11月に突如、公式Twitterアカウントが作られたところからスタートしたメディアミックスプロジェクト。サンリオキャラクター好きなイケメン男子高校生キャラクターを登場させることによって、今までサンリオに興味のなかった層にも、サンリオキャラの魅力を伝えようというものだ。その後も、サンリオ男子のボイスに若手人気声優を起用し、コミックや恋愛アプリゲーム、キャラクターCDなどへと発展。満を持してのアニメ化だった。じつにイマドキの展開である。

『サンリオ男子』アニメ化に際しては、2次元女子へのサンリオキャラクター販売促進のために、イケメン男子とイケボ声優をマッチさせるコンセプトがハッキリしていた上に、恋愛ゲームが先に存在していたため、「うん、これはアニメ版もイケメン男子とヒロインとの恋愛ストーリーなんだろうな」と安直に考えていた筆者だった。だが、1話、2話と見続けるうち、この物語にはヒロインどころか恋愛要素がカケラもない上、社会の性差別の構造に抗う話だったことにまず驚かされた。

高2の主人公・長谷川康太は、幼い頃、祖母からもらたポムポムプリンのぬいぐるみが好きな子だったが、大きくなってからは、男のくせにポムポムプリンが好きな自分を恥じ、それを隠して生きてきた。だがある日、康太は同学年のマイメロディ好きのチャラ男・水野祐と、ハローキティを敬愛するサッカー男子・吉野俊介と出会い、彼らが周囲に内心バカにされながらも、堂々とサンリオキャラクター好きを公言していることにショックを受ける。さらに、女の子のような容姿を持つがゆえに、康太以上に自分のリトルツインスターズ好きを強いコンプレックスとして否定する高1の西宮諒、シナモンロールが好きな高3の生徒会長・源誠一郎らと交流を深めるうちに、いつしか康太は、「好きなものを好きと言える自分」を取り戻していくのだった――。

サンリオの宣伝番組であるはずの『サンリオ男子』が、可愛いもの好き男子の生きづらさ(実際、劇中では周囲の生徒に「キモい」と迫害される!)を描いたことにも驚いたが、問題はその後だ。5人がサンリオキャラを通じて深めた友情が、康太のさらなるコンプレックス――他の4人はやりたいことがあってキラキラ輝く高校生活を送っているのに、僕はやりたいことが見つけられていない、僕もキラキラ輝きたいんだ!――によって亀裂を起こし、康太が激しく苦悩するという急展開! 自己実現感が持てず、承認欲求を求める思春期男子のドロドロした感情に、正面からガッツリ向き合わされることになるとは、観る前は予想だにしなかった。『サンリオ男子』って、ふわふわした癒やし系の話じゃなかったんかーい!

そういう2段階のネガティブエピソードの中に、サンリオキャラクターの新製品情報や、サンリオピューロランドの楽しさを伝える回が挟まってくるのも、この作品ならではのユニークさ。男子のエゴがぶつかり合う「ザ・青春!」なストーリーをドキドキハラハラ楽しみながら、「ピューロランド、1回行ってみたいなぁ」とも思わせてくれる本作。社会問題に一歩も二歩も踏み込んだ『サンリオ男子』、一見の価値ありです。

TVアニメ『サンリオ男子』オフィシャルサイト

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