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現代の育児をシュールなギャグで笑い飛ばす!「バブバブスナック バブンスキー ~ぼんこママがのぞく赤ちゃんの世界~」

現代の育児をシュールなギャグで笑い飛ばす!「バブバブスナック バブンスキー ~ぼんこママがのぞく赤ちゃんの世界~」

「育児の大変さ」とひとくちに言っても、現代では実にさまざまな種類のものがある。しかし、こと赤ちゃん期に限っていえば、やはり「言葉が通じない=意思疎通がとれない」ことはリアルに大きいのではないだろうか?
ミルクをあげても、オムツを替えても、部屋の温度を下げても、必死でいないいないばぁしても…。何をやっても一向に泣き止んでくれない赤ちゃんを前に「せめて、泣いてる理由を教えてくれたら対処のしようもあるのに…」と途方にくれてしまったことは育児経験のある人なら、きっと一度や二度ではないだろう。
『バブバブスナック バブンスキー ~ぼんこママがのぞく赤ちゃんの世界~』は、二児の父である上田優作(ルノアール兄弟の作画担当、ちなみに原作担当は左近洋一郎)の経験をもとに描いた育児ギャグ漫画。もともとナンセンスなギャグ作品で知られる彼らだけに、育児マンガといえどシュールでくだらないネタのオンパレード。それが育児に忙殺されてフリーズした脳をいい具合になごませてくれるのだ。

主人公の鎌倉盆子は夫と赤ん坊と3人で暮らす27歳の主婦。今日も日課である「母乳出てこいや体操」に励むも、旦那からは引かれる一方でストレスばかりが溜まってゆく日々。そんなある日、ひょんなことから異次元にある「バブバブスナック バブンスキー」に迷い込む。そこは言葉こそ喋れないが、実はいろんな思いを抱えている赤ちゃんが夜ごと本音を吐き出しにくる店だったーー。
のっけから日本の母乳信仰とそれに翻弄されるママさんたちをおちょくった不謹慎すぎるネタに、女性としてはイラッとしつつも失笑せずにいられない! 店の常連である息子の牧人が、母乳体操に疲れきって最終的にお乳をあげずに寝てしまうママへの不満を漏らしながらも「オレは母乳じゃなくたってママの愛情は感じてるし、何とかそのことをママに伝えられればって思ってるんだけど…」と話す姿に、自分ばっかり大変な気がしていたけど赤ちゃんも大変なんだよね…とホッコリさせられる。

異次元にある「バブバブスナック バブンスキー」で、いろんな思いを抱えている赤ちゃんが夜ごと本音を… ©ルノアール兄弟/講談社

ネットでの育児情報収集やイクメン仲間との交流ばかりに熱心で肝心なときに何もしてくれない非イクメンの夫・光樹のエピソードでは「オレの家、悪霊が出るんだよね…。夜になるとどこからともなく現れて、家の中を好き放題に移動して」と光樹が牧人に父親とすら認識されていないことが発覚。これまた女性ならば盆子と一緒に「ざまあぁぁぁぁぁーッ!!」叫びたくなる。
盆子が風邪で寝込んだため光樹がわざわざ郷里から母親を呼び寄せる、ありがた迷惑エピソードもあるある感ハンパなく。
本編はフィクションだが、各話の最後にあるオマケの1コマ「実録バブンスキー外伝」は上田の実体験。「娘が貴花田親方の顔になるとき、ウンチの合図なんだよなあ」といったユル~いあるあるネタの後に「レディスクリニックのメンズルームに長居しすぎるのは気まずいんだヨナー」なんて、よくよく考えればシリアスなネタをぶっこんでくる緩急具合も最高。

読み終わった後には、不思議といろいろあるけどがんばろう!と前向きになれる一冊だ。

文 / 井口啓子

漫画『バブバブスナック バブンスキー ~ぼんこママがのぞく赤ちゃんの世界~』

ルノアール兄弟(著)

モーニング
講談社

新世代ママ&パパのための、ハイパー育児ギャグ漫画!これさえ読めば、育児と家庭についての問題は大体マスターできる!? 平成を代表するギャグ漫画家が、育児鉄板ネタをイジリ倒す! 二児の父親である作者の経験をもとに描いた、苦労も悩みも笑い飛ばす育児ギャグ決定版! 赤ちゃんたちが何を考えているのかが、ちょこっとわかる…かも?

©ルノアール兄弟/講談社