音楽界最大のドラマ 【グラミー賞 2016】  vol. 1

Review

世界中の音楽業界における最大の賞の成り立ち

世界中の音楽業界における最大の賞の成り立ち

アメリカのみならず、世界の音楽業界における最大のイヴェントであり、最高の権威と栄誉を持ち続けるグラミー賞。その成り立ち、また選出方法について知ることで、日本時間2月16日の生中継をより楽しめるはずだ。

文/赤尾美香


2万を超えるエントリーから選ばれるのは一握り
その年の音楽を象徴する名作を認定する瞬間

今年で第58回目を迎えるグラミー賞。アメリカの音楽業界最大のイヴェントにして最高の権威とされる同賞は、ひいては世界中の音楽業界における最大の賞と言っても過言ではない。では、そもそもグラミー賞とはどんな賞で、どうやって受賞者が選ばれるのだろうか。

グラミー賞を主催しているのは、ナショナル・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ・アンド・サイエンス(NARAS:ナラス)という団体。NARASは、ミュージシャン、プロデューサー、エンジニアをはじめ、約200人の音楽および音楽マーケットの質と文化的向上に尽力するレコーディングのプロによるアメリカの組織だ。

最初のグラミーは、’59年5月に発表された(対象は’58年度作品)。始まりのきっかけは、“ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム”(星の中に有名人の名前を残している歩道)だったという。有名人を選出する際に音楽業界の候補者も多く上がるが、全員の星を残すことはできないから、映画界のアカデミー賞のような賞を音楽界にも設けようじゃないか、と。当初はグラモフォン(Gramophone=蓄音機、レコード・プレイヤー)・アウォードと呼ばれていたものが短縮されてグラミー賞になり、現在に至っている。受賞者が手にするトロフィーが蓄音機型なのは、そういうわけである。

’16年2月15日(日本は16日)に授賞式が開催される第58回グラミー賞の対象は、’14年10月1日から’15年9月30日の間に、アメリカ国内で発表された作品。毎年20,000以上の作品がエントリーされるというが、近年エントリー(音源提出も含め)は全てインターネットを通じてできるようになっている。エントリー作品からノミネート作品を選ぶのは、レコーディング・アカデミーのヴォーティング・メンバーだ。メンバーは、ヴォーカリスト、ミュージシャン、指揮者、作詞家、作曲家、編曲者、プロデューサー、エンジニア、アート・ディレクター、ライナーノーツ執筆者、ミュージック・ビデオ・アーティストやビデオ技術士などから構成されている。

grammy-44awards

投票は、作品のクオリティ(質)のみを基準にするよう決められている。個人的な思い入れや交友関係、オンエア回数、セールスやチャートの動向などは一切考慮に入れてはいけない。贈答品のやりとりも厳禁だ。そんなの当然だろうと思うかもしれないが、アメリカの映画賞には規定金額内での贈答が許されているものもある。

現在グラミー賞のジャンル(ポップス、ロック、ジャズ、カントリーなど)は30項目あり、その中に合計83項目のカテゴリーが存在している。ただし、このジャンルとカテゴリーは毎年見直しがされるので、毎年同じ数ではなく、カテゴリーが100を超える年もあった。これらの中でも毎年最も高い注目を集めるのが、年間最優秀アルバム、年間最優秀レコード(パフォーマーおよびプロデューサー、ミキサー、エンジニアらに贈られる)、年間最優秀楽曲(作詞作曲者に贈られる)、そして最優秀新人賞の主要4部門と呼ばれる賞で、とりわけ授賞式のクライマックスを飾る年間最優秀アルバムは、予想合戦も白熱する。

20,000を超えるエントリーから、最終的には各カテゴリーにつき5~6のノミネートが決まるわけだが、その中に入るだけでも至難のワザであることは間違いない。ゆえに、授賞式当日会場に集うノミニーたちは、「ここにいられるだけでも光栄だ」と口を揃えるのだ。そして、ステージ上で繰り広げられる華やかなパフォーマンスの数々に観客同様拍手をし、歓声を送り、年に一度のお祭りをお祝いする、そんな気分なのだろう。

今年も、間もなく、グラミー賞の幕が開く。

58th Annual
GRAMMY Awards Nominees

RECORD OF THE YEAR

ALBUM OF THE YEAR

Really Love
D’Angelo & The Vanguard

Sound & Color
Alabama Shakes

Uptown Funk
Mark Ronson featt. Bruno Mars

To Pimp a Butterfly
Kendrick Lamar

Thinking Out Loud
Ed Sheeran

Traveller
Chris Stapleton

Blank Space
Taylor Swift

1989 Taylor Swift

Can’t Feel My Face
The Weeknd

Beauty Behind the Madness
The Weeknd


SONG OF THE YEAR

BEST NEW ARTIST

Alright
Kendrick Lamar

Courtney Barnett

Blank Space
Taylor Swift

James Bay

Girl Crush
Little Big Town

Sam Hunt

See You Again
Wiz Khalifa feat. Charlie Puth

Tori Kelly

Thinking Out Loud
Ed Sheeran

Meghan Trainor

BEST POP SOLO PERFORMANCE

BEST POP DUO / GROUP PERFORMANCE

Heartbeat Song
Kelly Clarkson

Ship To Wreck
Florence + The Machine

Love Me Like You Do
Ellie Goulding

Sugar
Maroon 5

Thinking Out Loud
Ed Sheeran

Uptown Funk
Mark Ronson featt. Bruno Mars

Blank Space
Taylor Swift

Bad Blood
Taylor Swift ft. Kendrick Lamar

Can’t Feel My Face
The Weeknd

See You Again
Wiz Khalifa feat. Charlie Puth

58th Annual
GRAMMY Awards Nominees

BEST POP VOCAL ALBUM

BEST ROCK PERFORMANCE

king-grammy

Piece By Piece
Kelly Clarkson

king-grammy

Don’t Wanna Fightr
Alabama Shakes

How Big, How Blue, How Beautiful
Florence + The Machine

What Kind Of Man
Florence + The Machine

Uptown Speciald

Mark Ronson

Something From Nothing
Foo Fighters

1989

Taylor Swift

Ex’s & Oh’s
Elle King

Before This World
James Taylor

Moaning Lisa Smile
Wolf Alice


BEST ROCK ALBUM

BEST ALTERNATIVE MUSIC ALBUM

king-grammy

Chaos And The Calm
James Bay

king-grammy

Sound & Color
Alabama Shakes

Kintsugi
Death Cab For Cutie

Vulnicura
Bjork

Mister Asylum
Highly Suspect

The Waterfall
My Morning Jacket

Drones
Muse

Currents
Tame Impala

.5: The Gray Chapter
Gray Chapter

Star Wars
Wilco


BEST RAP ALBUM

BEST RAP / SUNG
COLLABORATION

king-grammy

2014 Forest Hills Drive
J. Cole

king-grammy

One Man Can Change The World
Big Sean feat. Kanye West & John Legend

Compton
Dr. Dre

Glory
Common & John Legend

If Youre Reading This Its Too Late
Drake

Classic Man
Jidenna ft. Roman GianArthur

To Pimp A Butterfly
Kendrick Lamar

These Walls
Kendrick Lamar feat. Bilal & Anna Wise & Thundercat

The Pinkprint
Nicki Minaj

Only
Nicki Minaj feat. Drake & Lil Wayne & Chris Brown


grammy-nominees-2016

Various Artists

『2016 GRAMMYRノミニーズ』

ユニバーサル インターナショナル
2500円+税
1.29 on Sale

01
マーク・ロンソン
『アップタウン・ファンク feat. ブルーノ・マーズ』

年間最優秀レコード
最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)

08
ディアンジェロ・アンド・ザ・ヴァンガード
『リアリー・ラヴ』

年間最優秀レコード

15
サム・ハント
『テイク・ユア・タイム』

最優秀新人賞

02
テイラー・スウィフト
『ブランク・スペース』

年間最優秀レコード
年間最優秀アルバム
年間最優秀楽曲

09
ケンドリック・ラマー
『オールライト』

年間最優秀アルバム
年間最優秀楽曲

16
ジェイムス・ベイ
『ホールド・バック・ザ・リヴァー 』

最優秀新人賞

03
ザ・ウィークエンド
『キャント・フィール・マイ・フェイス』

年間最優秀レコード
年間最優秀アルバム

10
クリス・ステイプルトン
『トラヴェラー』

年間最優秀アルバム
最優秀カントリー・パフォーマンス(ソロ)

17
コートニー・バーネット
『ペデストリアン・アット・ベスト』

最優秀新人賞

04
エド・シーラン
『シンキング・アウト・ラウド』

年間最優秀レコード
年間最優秀楽曲

11
リトル・ビッグ・タウン
『ガール・クラッシュ』

年間最優秀楽曲

18
キャリー・アンダーウッド
『リトル・トイ・ガンズ』

最優秀カントリー・パフォーマンス(ソロ)

05
マルーン5
『シュガー』

最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)

12
ウィズ・カリファ
『シー・ユー・アゲイン feat. チャーリー・プース』

年間最優秀楽曲
最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)

19
キャム
『バーニング・ハウス』

最優秀カントリー・パフォーマンス(ソロ)

06
フローレンス・アンド・ザ・マシーン
『シップ・トゥ・レック』

最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)

13
メーガン・トレイナー
『リップス・アー・ムーヴィン』

最優秀新人賞

20
リー・アン・ウーマック
『チャンシズ・アー』

最優秀カントリー・パフォーマンス(ソロ)

07
アラバマ・シェイクス
『ドント・ワナ・ファイト』

年間最優秀アルバム

14
トリー・ケリー
『シュドヴ・ビーン・アス』

最優秀新人賞

21
キース・アーバン
『ジョン・クーガー、ジョン・ディア、ヨハネ3:16』

最優秀カントリー・パフォーマンス(ソロ)

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