esゲーム記事執筆陣が総力でおすすめする“こだわり“ランキング  vol. 7

Review

今なら家で遊べるゲーセンの名作 アーケードアーカイブス 5選

今なら家で遊べるゲーセンの名作 アーケードアーカイブス 5選

レトロゲームを遊ぶ方法はいろいろあるが、’80~’90年代のアーケードゲームを現行ハードで手軽に楽しむ方法として挙げられるのが、ハムスター社が展開しているアーケードアーカイブスシリーズだ。往年の名作アーケードゲームを家庭用ゲーム機向けに移植・配信しているサービスで、SNKのNEOGEOシリーズを展開するアケアカNEOGEOシリーズも合わせると2018年4月現在で110本以上配信されており、いまなお毎週増え続けている。1本823円とお手頃価格で買えるものの「どれから遊んだらいいのだろう?」とお悩みの方もいることだろう。そこで筆者が愛してやまない5本を、独断と思い入れだけでセレクトしてみた。どれも当時の名作の名作たる所以を感じることができると思うので、ぜひ遊んでみてほしい。

文 / 松井ムネタツ


アーケードアーカイブス/アケアカNEOGEOとは? 

まずは、このアーケードアーカイブスおよびアケアカNEOGEOについてあらためて説明しよう。

「’80年代、’90年代のアーケードゲームの名作を忠実に再現することを目指して開発し、配信しています」

とハムスター社の公式サイトにあるとおり、往年の名作アーケードゲームを忠実に移植したものとなっている。これらのタイトルがゲームセンターで稼働していたころ、ファミコンなど家庭用ゲーム機へ移植されていたものもあるが、ハードウェア性能の違いもあって忠実に移植するというこは不可能だった。本シリーズは”忠実”を売りにしており、当時のまま遊べるというのが大きなポイントだ。簡単そうに思えて、じつはこれがすごく難しい。アクション性の高いアーケードゲームは、ちょっとした手ごたえが違うだけで違和感を覚えてしまう。そこを細かく調整したうえで展開しているのが、このアーケードアーカイブスおよびアケアカNEOGEOなのである。 

今回のランキング特集企画の締めとなる本稿は、100本以上も展開している膨大な本シリーズを前にして、「名作アーケードゲームを遊んでみたいけど、どれから遊んでいいのやら……?」と悩んでいる人向けに、’80~’90年代を10~20代の世代でゲームセンターに入り浸ってきた筆者が、思い入れと独断と好みだけでベスト5を選んでみた。 

筆者は1978年の『スペースインベーダー』のころからゲームセンターへ行きはじめ、小遣いの半分以上を100円玉にして筐体に注いできた。巡り巡って1994年からゲームセンター専門誌『ゲーメスト』で働き始めるくらい、アーケードゲームにはそれ相応の思い入れを持って接してきたつもりだ。当時の思い出も交えてまとめてみたので、最後までおつきあいいだたきたい。

5位 SNK対戦格闘ゲーム完成形のひとつ『餓狼伝説SPECIAL』

ランキング形式で発表していこう。まずは5位からということで、アケアカNEOGEOから1993年に発売された対戦格闘ゲーム『餓狼伝説SPECIAL』を選んでみた。

『餓狼伝説』シリーズはNEOGEOを牽引した人気対戦格闘ゲームで、2018年4月現在アケアカNEOGEOで配信されている『餓狼伝説』シリーズは8本ある。それだけ毎年のように作られてきたタイトルなのだが、なかでもシリーズ3作目となる『餓狼伝説SPECIAL』が一番好き、というファンは多いだろう。これは筆者もまったく同意見だ。

▲フィールドが手前と奥で2ラインに分かれているのも大きな特徴

じつのところ、筆者はこれより以前の『餓狼伝説 ~宿命の闘い~』と『餓狼伝説2 ~新たなる闘い~』の2作はあまり遊んでいなかった。同じく1993年に発売された『サムライスピリッツ』のタイミングでロムカセットと一緒に家庭用ゲーム機版のNEOGEO本体を買い、その流れで本作も買ったのだが、「何でゲーセンで遊んでいなかったんだろう!」と悔やむほど家で弟と夜な夜なプレイしまくった。家庭用NEOGEOで買ったにもかかわらず、ゲーセンに出向いて多くのプレイヤーと対戦も楽しんだ。

▲ギース(左)はシリーズ屈指の人気キャラ。『鉄拳7』にもコラボダウンロードキャラクターとして登場

連続技の気持ちよさや一発逆転の超必殺技、個性的なキャラクターや世界設定など、筆者のツボを押しまくってくれたおかげで、『サムライスピリッツ』と匹敵するほど好きな1本になった。

ちなみに当時よく使っていたキャラはダック・キング。超必殺技のブレイクスパイラルが、コマンド途中でレバーを上方向に入力する必要があり、成功がなかなかに難しかった。当時、ゲーメストから攻略本が発行されたのだが、これにブレイクスパイラルのコマンド入力法に関する記事が見開き2ページに渡って細かく書かれており、これを何度も何度も読んで特訓することに。まさかその3年後に筆者がゲーメスト編集部で働くことになるとは思っていなかったのだが、ブレイクスパイラルの記事を書いたライターK氏に「あの記事を読んですごく練習しました!」とお礼をできたのも、個人的には良き思い出のひとつ。

4位 我が青春の”ドンケツジャンプ”テク!『エレベーターアクション』 

アーケードアーカイブスから配信されているアクションゲームのなかで、筆者が大好きなゲームを選ぶとしたら……とあれこれ悩んだ末にセレクトした1本は、1983年にタイトーから発売された『エレベーターアクション』だ。スパイとして屋上からビルに潜入し、エレベーターを使って下に降りていきながら、赤いドアの部屋に隠された機密文書をゲットしてビルから脱出する、というゲーム。

▲赤い扉に入ると機密文書をゲット。上段の弾はしゃがみで、下段の弾はジャンプして避ける

いま改めて遊んでみると、これ以前も以降も他に類を見ないほど個性的なゲームであることを思い知らされる。エレベーターを操作してビルを降りていき、各フロアにいる敵に対しては銃で倒したりジャンプして押しつぶしたり、ランプを撃って照明を暗くしたり……といろいろなアクションがあって、あの手この手で敵の攻撃をかいくぐりながら進んでいくのが、じつにスリル満点となっている。

こうした多彩なアクションが本作の魅力なのだが、とくに思い入れの強い攻撃手段がある。当時高校生だった筆者の周りでは”ドンケツジャンプ”と呼ばれていたテクニックで、前進しながら斜めジャンプして敵にぶつかるとその敵を押しつぶして倒すことができるのだが、ジャンプ中にレバーを逆方向に入れるとヒップアタックのような状態になって敵を倒すことができた。”ドーンとケツでぶつかるようにジャンプする”という説明が転じて”ドンケツジャンプ”と我々のあいだでは呼ぶようになるのだが、いま改めて思い出してみると何とも安易なネーミングだな……。

▲これがその”ドンケツジャンプ”中の写真。わかりにくいが、背面で飛んでいるため、敵にお尻をぶつけているように見える

だが、この”ドンケツジャンプ”なるワードを耳にすると、当時のいろいろな思い出が蘇ってくる。『エレベーターアクション』をよく遊んでいたゲーセンは駅前インベーダーという何ともストレートな名前の店だったなあとか、あそこにはM田くんといつも学校帰りに行ってたっけ、とか。

試しにこのアーケードアーカイブス版でドンケツジャンプをやってみたら、ちゃんとできた。「M田くん、できたよ!」と思わず声に出してしまったのだが、彼はいまも元気かなあ。また一緒に『エレベーターアクション』を遊びたくなってきた。

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