2018年春アニメ主題歌特集  vol. 5

Interview

【インタビュー】『カードキャプターさくら』主題歌アーティストに大抜擢! 声優・安野希世乃、キャラクターを通さない“自分らしい歌”に挑む

【インタビュー】『カードキャプターさくら』主題歌アーティストに大抜擢! 声優・安野希世乃、キャラクターを通さない“自分らしい歌”に挑む

昨年7月にミニアルバム『涙。』でソロデビューを果たし、アニメ『マクロスΔ』の戦術音楽ユニット、ワルキューレの一員としても活躍する声優・安野希世乃。この4月には、TVアニメ『カードキャプターさくら クリアカード編』の新オープニング主題歌「ロケットビート」を1stシングルとしてリリースする彼女が、そこでの収録を通じて見つけていく「自分らしさ」は、数々の人気キャラクターソングを生み出し、アーティストとしての方向性を探っている彼女自身とはからずも重なる部分がありそうだ。何者にもなれる声優だからこそ、自分らしさを模索する彼女の今の思いを聞いた。

取材・文 / 日詰明嘉


世代を代表するアニメ『カードキャプターさくら』の主題歌決定に「ホントに私の世界線の話?」

昨年11月にはソロとしての歌手活動における初ワンマンライブ(安野希世乃 1st LIVE「ねぇ、一緒に歌おう。そして、“泣け”!」)を開催されましたね。

安野希世乃 去年は怒涛の一年で、ソロデビューからリリースイベントまで、すごく自分の血肉になったと思える経験をさせていただきまして、安野希世乃をこれまで応援してくださり、ソロデビューも喜んでくださった皆さんにまずは恩返しをしたいというコンセプトで臨みました。セットリストもミニアルバムの曲に限らず、これまで歌わせていただいた様々な作品のキャラクターソングもたくさん盛り込んだ、サービス精神いっぱいの内容でお届けしました。

ファンの皆さんに「まずは恩返し」という言葉が真っ先に来るんですね。

安野 声優って、作品を通してとてもたくさんの人と出会わせていただいているお仕事だと思うんです。ありがたいことに、「待ってました」と言ってくださる方が本当に多くいらっしゃいました。これまで何度もイベントに駆けつけてくださって、顔が思い浮かぶ方たちもたくさんいて、その方たちが喜ぶ顔が思い浮かぶんです。「ライブでこの曲を聴きたいです」という声をいただいて、キャラクターを通して私のうたう歌を待っていてくださる方の期待にまずは応えたいなという気持ちがスタート地点としてありました。

さて、そんな安野さんの1stシングルとして舞い込んだのがアニメ『カードキャプターさくら クリアカード編』の主題歌「ロケットビート」です。前作は約20年前の作品ですが、ご覧になっていましたか?

安野 もちろんです! その頃、魔法少女作品はあまり多くなかったので、『さくら』は私たちの世代を代表する作品なんです。だから、そんな作品の主題歌を担当できるなんて、「これは本当に私の生きている世界線の話だろうか」と思いました(笑)。そのくらい信じられない思いでした。

しかも楽曲を書いてくださったのも、ワルキューレの頃からお世話になっている北川勝利さんで。ポップだけどストリングスに厚みがあって、魔法みたいにキラキラした音がいろんな楽器によって紡がれていて。曲を聴いたときにすごく『さくら』らしいなと思いました。これはレコーディングのときに北川さんから出たキーワードなのですが、「シュワシュワした感じに歌ってみて」と言われて、それがすぐに腑に落ちたんです。

レコーディングのディレクションで歌の解釈も歌い方も180度変わって

作詞は岩里祐穂さんが担当。ここにももちろん『さくら』らしさがありつつ、安野さんの1stシングルである点や歌手活動1年目というところと重なる部分があるように感じられたのですが、いかがでしょうか?

安野 最初は私自身とは結びついていなくて、この歌詞に登場する思春期真っ只中の女の子に対して、それを乗り越えてきた大人の女性からの温かい歌にしようと思っていたんです。

でもレコーディングのときにプロデューサーの福田(正夫)さんから、「俯瞰したところからではなく、あなた自身がこの曲の登場人物になってください」とか「もうちょっとあなた自身が挑んでほしい」、「ガムシャラに突き進んでぶつかってきてほしい」というディレクションをいただいて、歌の解釈も歌い方も180度変わりました。歌詞を読むと、まだアイデンティティが固まっておらずに自分探しをしているような子が、たくさんの大好きなものと出会って発見をしていく様子が描かれていて。“ひとつあればいいと気づいた”という歌詞が私にとってすごく印象的でしたね。

大好きなものから取捨選択をしたり、化学反応をさせて「これが自分だ」と見極めることがオンリーワンの個性になると思っていて。それって無限の可能性なんですよね。「ロケットビート」の歌に出てくる少女は、さくらちゃんに重ねても成り立つし、岩里さんはシンプルで分かりやすい歌詞の中から「あなたの可能性は無限だよ」ということを伝えてくれているのかなと感じます。私も勝手に歌手1年生の自分にくれたエールだと解釈して、自分を重ねて歌えたらいいなと思いました。

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