2018年春アニメ主題歌特集  vol. 5

Interview

【インタビュー】『カードキャプターさくら』主題歌アーティストに大抜擢! 声優・安野希世乃、キャラクターを通さない“自分らしい歌”に挑む

【インタビュー】『カードキャプターさくら』主題歌アーティストに大抜擢! 声優・安野希世乃、キャラクターを通さない“自分らしい歌”に挑む

「この歌で安野さんらしさを見つけてほしい」と言われた

安野さんは歌手としてのアイデンティティをどのように考えていますか?

安野 私は「これが安野節です」という歌い方はまだ決めていなくて、「この歌に出てくるのはどんな人物で、どんなシチュエーションか」を考えて、歌声を作っています。私には基本、透明でありたいという自分の歌い手像があって、その歌詞の世界観やサウンドに対して素直に変化できる自分でいたいとずっと思っていたし、これからもまだそうありたいと思っているんです。

自分の良いところを知り尽くして、それをベストな方法で表現する方がアーティストだと思うのですが、私の場合は固まりたくないともがいていて。分かりやすい特徴とか強い個性や尖ったものを自分が持てているかというと、決してそうは思っていないんです。なので、いろんな人を歌の中で演じられる表現力をもっと磨いて、「この人は歌の中でいろんな人物を演じていながら、でもそこにはいつもこの人らしさがあるね」と言ってもらえるようになるのが理想だし目標ですね。その目標に向かって、これから一歩ずつ進んでいくのかなと思いました。

「ロケットビート」の収録でも福田さんから「この歌で安野さんらしさを見つけてほしい」と言われ、それに挑んだのですが、爪痕を残すというのは本当に難しいことだなと改めて思いました。岩里さんからは「もっとハミ出していいんだよ」という言葉もいただきました。きれいだったりていねいに歌えているけれども、大きくハミ出したと言えるほどの自信はなくて、その檻はまだまだ分厚いのかもしれないと思いました。

既成概念を壊すというか。

安野 そうですね。それで言うと、ロックなんかはまさにそうですよね。私は別の作品でロックシンガーのキャラを演じて歌ったりもするのですが、それまであまりロックを聴いたことがなかったんです。音楽のなかにはメロディとか旋律では語れないものを歌うジャンルもあって、そういった「ここまでハミ出しても音楽なんだ」という力強いものを知らなかったし、そういう個性を持っているアーティストさんはたくさんいらっしゃると思うので、ジャンルを問わずもっと色々聞いて大胆さを学んでいけたらいいなと思います。

それは構えるのではなく、どこかで偶然巡り合うのかもしれませんね。

安野 そうかもしれません。本当に私はご縁に恵まれて、『マクロスΔ』をはじめたくさんの素敵な作品や良いキャラクターに出会えて、そういうきっかけがあって成長できる人生を歩んできたので、また思い切ったギアチェンジができる楽曲との出会いが偶然訪れるかもしれないし、そうなったら良いなと未来に希望を託します。

自分の個性を見つけて自分なりのカラーで表現していくのがこれからのミッション

来たる7月29日のバースデーイベントはソロ活動1周年のタイミングにもなります。

安野 私はアーティストデビューをするまでバースデーイベントを開催したことがなかったので、去年、初めてのバースデーイベント「安野希世乃1stミニアルバム『涙。』~誕生日記念 特別先行試聴会~」を開催したときは、作品でもない私が主体のイベントに果たして人が集まってくれるのか、すごくハラハラしていたんです。

でも、ファンレターやTwitterなどで作品の垣根を越えて応援してくださる方がいるのにそう思うのは、却って失礼にあたることだと思ったんです。1stライブ(安野希世乃 1st LIVE「ねぇ、一緒に歌おう。そして、“泣け”!」)のときも本当にたくさんの方が来てくださって。「チケットを欲しくても買えなかった」という方もいたと聞いて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。今回のバースデーイベントも、自信を持って私らしく、会いに来てくださる皆さんに楽しんでもらえるイベントにしたいと思っています。

今までは、役者は役になりきって立ち居振る舞うべきで、それを超えるのは度が過ぎた所業だと思っていた部分があったし、アイドルさんみたいに自分の個性で勝負することなんてできないと思っていたのですが、自分の歌をうたう声優アーティストとしての第一歩をスタートしたからには、それを見つけて自分なりのカラーで表現していくのがこれからの大事なミッションだと感じています。

安野希世乃

7月9日、宮城県生まれ。2016年、TVアニメ『マクロスΔ(デルタ)』のカナメ・バッカニア役に選ばれ、戦術音楽ユニット・ワルキューレのリーダーとして活動する。ワルキューレの1stアルバム『Walkure Attack!』は、日本ゴールドディスク大賞“アニメーション・アルバム・オブ・ザ・イヤー”を獲得。2017年7月、TVアニメ『異世界食堂』EDテーマ「ちいさなひとつぶ」を含む1stミニアルバム『涙。』をリリース、歌手としてソロデビューを果たす。声優としても、『アイドルマスター シンデレラガールズ』木村夏樹役、『あんハピ♪』久米川牡丹役、『冴えない彼女の育てかた♭』加藤恵役など、作品多数。

関連リンク
安野希世乃 オフィシャルサイト
安野希世乃 公式Twitter

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