LIVE SHUTTLE  vol. 5

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真心ブラザーズ 中野サンプラザ2016.01.23

真心ブラザーズ 中野サンプラザ2016.01.23

真心ブラザーズが毎年この時期に中野サンプラザで行っている新春ライブ、今年は1月23日土曜日に開催。これで11年目、つまり昨年は10回目だったわけだが、だからといって特別な何かが催されることもなく……というか、スタッフも含めて誰もそのことに気づいておらず、唯一気づいていた桜井秀俊が本番前の楽屋で「あの、今年で10回目だよね?」と言ったら一同「あ……」という空気になった末に、「じゃあ桜井、MCでそのことを言ってね」というひとことで終わったという。以上、この11回目の後半における、桜井のMCより。

2015年下半期は、夏フェス出演も、カバーアルバム『PACK TO THE FUTURE』のレコーディングも、そのリリースツアーも、あと『KING OF ROCK』再現ツアーも、伊藤大地(ドラム)&岡部晴彦(ベース)のLow Down Roulettesと共に行った真心ブラザーズだが、この新春ライブは例年どおり、20年近く連れ添ってきたMB’sと共にオンステージ(ドラムのビバさんこと須貝直人はデビューからなので26年になる)。

文 / 兵庫慎司 撮影 / ERI SHIBATA


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1曲目「拝啓、ジョン・レノン」、2曲目「愛」、3曲目「BABY BABY BABY」と、本編後半もしくはアンコールのような選曲でライブはスタート。当然、オーディエンス大喜び。ただ、うれしいのはオーディエンスだけではないようで、その3曲が終わったところでYO-KINGが「MB’s、絶好調じゃない?」と口にするなど、このメンバーで、この場所でライブをやれること自体を、序盤から心底楽しんでいる様子。
YO-KING、いつものように、MCのたびに桜井の衣裳や立ちふるまいや顔をいじりながら(突然「桜井ってぶさいくだよね」と言いだし、桜井が「ぶさいくじゃない、独特なんだよ!」と返していたのには笑いました)、「消えない絵」「Rolling」桜井が歌う「メトロノーム」「突風」と続けたあとは、『PACK TO THE FUTURE』収録のカバー2曲、「グッド・バイ・マイ・ラブ」(アン・ルイス)と「ゆ・れ・て湘南」(石川秀美)をプレイ。いずれも『PACK TO THE FUTURE』においてはギター&ベース&ドラムによるロックバンド・バージョンにリアレンジされているが、「『グッド・バイ・マイ・ラブ』は、今日はMB’sでオリジナルどおりのアレンジでやります」と分厚いR&B風味の演奏で聴かせる。

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「ザ・バンドの曲なんだけど、英詞が覚えられないので日本語詞を書き下ろしてきました」(YO-KING)と「Ophelia」を歌い、続いてめったにやらない初期の名曲「旅の夢」を聴かせ、さらにYO-KINGと桜井のふたりになってファーストアルバム『ねじれの位置』収録の「のり弁女」と! という、とてもレアな時間もあり。桜井、『PACK TO THE FUTURE』のレコーディングでYO-KINGに要請されて必死で練習し、弾けるようになったラップスチールを披露。
ただ、「旅の夢」と「のり弁女」の間のMCで、

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YO-KING「これは『善意の第三者』ってアルバムの曲で……ほら、あれ、『勝訴』(セカンド)の次のアルバム」
桜井「いや、『あさっての方向』(サード)の次」
YO-KING「あ、そうか。(桜井に)間違いない? 『善意の第三者』で。91年だっけ」
桜井「ていうか、数字の話、やめない? ふたりとも覚えてないんだから」
YO-KING「いや、俺、数字オタクだからさ──」

と、記憶のグダグダさをさらすおふたりでした。なお、4枚目のアルバム『善意の第三者』収録の曲である、というのは合っていますが、リリースは92年です。
ついでに書くと、このやりとりのあと、YO-KING、桜井のシャツのソデを指して「それ何分ソデ?」と質問。「いや、7.5分くらい」と答える桜井にかぶせて「そのソデ、犬神が投げる時に目の錯覚で腕が伸びたように見えるやつ?」と、ものすごくストライクゾーンの狭いギャグを投げつけ、「えらいとこから持ってきましたね!」と桜井をあきれさせていました。
『ドカベン』に出てくる土佐丸高校の犬神というピッチャーが、服の中でアンダーシャツの左右ソデをつないでいて、左腕でボールを投げる瞬間に右腕でアンダーシャツをひっぱると左腕のアンダーシャツが短くなり、その分急に左腕が伸びたように見えてバッターが混乱する、という作戦を使っていて、そのことをYO-KINGは言ったのです。以上、会場の大半もポカーンという空気だったので、知っていた者の義務として解説させていただきました。しなくてよかった気がしないでもありません。

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「のり弁女」に続いては、2人にリズム隊が加わって4人編成になり、桜井が歌う「Son of the Sun」、さらにふたり加わって6人で「FLY」──と、だんだん人数が増えて、途中から10人編成のMB’sフルメンバーになりつつ、華やかに、にぎやかに、そしてひたすら楽しく後半の曲たちをプレイ。18曲目「EVERYBODY SINGIN’ LOVE SONG」から本編ラストの「新しい夜明け」にかけては、MOUNTAIN HORNS(ホーン隊4人)も前に出てきて、オーディエンスをあおったり、ホーンに付いたワイヤレスマイクを使って歌ったりして盛り上げる。

アンコールでは、「予定になかったんですが、真心の今年1年の活躍と、みなさんのご健勝をお祈りして」と「どか~ん」を歌い、オーディエンスを大喜びさせる(本当に予定外だったようで、取材陣に配布されたセットリストにも入っていませんでした)。
続く「COSMOS」では途中でメンバー紹介、それぞれがソロをとり、キーボード奥野真哉はショルキー持って客席を練り歩く。 ラストはおなじみ「RELAX~OPEN~ENJOY」で、中野サンプラザの隅々にまで多幸感を行き渡らせ、終了。

途中のMCで、桜井、今年上半期の真心の予定を発表。
以前にふたりで弾き語りツアー「真心道中歌栗毛」を行ったことはあるが、今年は4月から、「YO-ING vs桜井秀俊」で、対バンで、弾き語りツアーをやるそうです。「真心道中歌栗毛」の時に、通常のライブ会場じゃないところを回ったらとても楽しかったので、今回もそのつもりで、全国各地の会場を物色中のこと。
「YO-KING×桜井秀俊対マンツアー、『サシ食いねぇ!』」と、ツアータイトルも発表し、客席の反応を見て「……ややウケでしたね……」とひとりごちる桜井さんでした。

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2016.1.23「今年も中野で会いましょう2016」セットリスト

M1.拝啓、ジョン・レノン
M2.愛
M3.BABY BABY BABY
M4.消えない絵
M5.Rolling
M6.メトロノーム
M7.突風
M8.グッド・バイ・マイ・ラブ
M9.ゆ・れ・て湘南
M10.Ophelia(the Band替え歌)
M11.旅の夢
M12.のり弁女
M13.Son of the Sun
M14.FLY
M15.All I want to say to you
M16.うきうき
M17.ENDLESS SUMMER NUDE
M18.EVERYBODY SINGIN’ LOVE SONG
M.19新しい夜明け

<アンコール>
EN1.どか~ん
EN2.COSMOS
EN3.RELAX~OPEN~ENJOY

真心ブラザーズ

89年大学在学中、音楽サークルの先輩YO-KINGと後輩桜井秀俊で結成。バラエティ番組内“フォークソング合戦”にて見事10週連続を勝ち抜き、同年9月にメジャー・デビュー。「どか~ん」「サマー・ヌード」、「拝啓、ジョン・レノン」など数々の名曲を世に送り出す。
1昨年デビュー25周年を迎え、自身のレーベルDo Thing Recordingsを設立、11月にはレーベル第1弾作品となるオリジナル・アルバム「Do Sing」をリリースした。
2016年10月には、昭和女性アイドルの楽曲をテーマにした、初のカバー・アルバム『PACK TO THE FUTURE』をリリース、そのアルバムを携えての全国ツアー『PACK TO THE FUTURE』を開催。また、名盤と誉れの高い「KING OF ROCK」の発売20周年を記念したライブ・ツアー『MORE KING OF ROCK 20th』を同時開催した。

オフィシャルサイト http://www.magokorobros.com

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