モリコメンド 一本釣り  vol. 65

Column

NormCore 個性的なキャリアの3人が生み出す“シンフォニック・ロック”とは?

NormCore 個性的なキャリアの3人が生み出す“シンフォニック・ロック”とは?

クラシックとロックを融合させたサウンドメイク、ドラマティックに展開するメロディライン、ファルセットを効果的に活かしたダイナミックなボーカル。“シンフォニック・ロック”をテーマに掲げた3ピースユニットが注目を集めている。昨年11月にシングル「それでも僕は生きている」(TVアニメ「EVIL OR LIV」)でメジャーデビューを果たした3ピース・ユニット、“NormCore”(ノームコア)だ。

NormCoreの中心は、ボーカリスト/ソングライターのFümi。東京音楽大学卒のシンガーソングライター・UMI☆KUUNとしても活動している彼の個性的なキャリアは、このユニットの独自性に直結している。幼少の頃にジブリ映画「もののけ姫」を観て、久石譲が手がけた音楽に感銘を受けたという彼は、大学で声楽を学んだ後、2014年からYoutube、ニコニコ動画で作品を発表し、話題を集める。2015年7月にフランス・パリで行われたJapan Expo Parisのオフィシャルレポーター&トリビュートソングを手がけ、その後2017年まで3年連続でオフィシャルレポーターを担当。さらに2015年10月に世界各国で放送されたアニメ「ヤングブラック ジャック」のオープニングテーマ「I am Just Feeling Alive」でメジャーデビューを果たし、2016年にはフランス、タイ、台湾、メキシコ、中国などでライブイベントの出演が続いた。ゲーマー、声優としても活動するなど多才ぶりを発揮し、クラシック、ネットミュージック、アニメをつなぎながら世界的な知名度を得た彼が、やはり音大出身のヴァイオリニスト“Tatsu”、ギタリスト“Natsu”とともに立ち上げたのがNormCoreというわけだ。

“シンフォニック・ロック”というテーマが示す通り、現時点におけるNormCoreの音楽性は“クラシックとロックの融合”を軸にしている。1stシングル「それでも僕は生きている」は、美しくも激しいFümiのハイトーンボイスから始まるアッパーチューン。疾走感のあるビート、エッジの効いたギターサウンド、スリリングなストリングスが融合したこの曲からは、NormCoreの独創性を感じてもらえるはずだ。YoutubeでMVが公開されると、「うみくん(UMI☆KUUN)にそっくりな方が歌手デビューしたんやと思ってたらうみくんやった…」などとUMI☆KUUNファンからの強いリアクションを引き起こす一方、フランス、インドネシアなどからもコメントが寄せられ、大きな注目を集めた。

2ndシングル「傷だらけの僕ら」は、TVアニメ「一人之下 羅天大醮篇」オープニングテーマ。壮大なストリングス、エッジの立ったギターサウンドなどを軸にしながら、同時代の海外オルタナティブ・ロックのエッセンスを取り入れたこの曲は、1stシングル以上のクロスオーバー感、ハイブリッド感に満ちている。様々な音楽の要素を巧みに取り入れ、バランスを図りながら、独自のサウンド・イメージを構築していく。このスタイルこそがNormCoreの強味であり、最大の特徴と言えるだろう。広い音域を操りながら、ドラマティックな旋律を描き出すFümiのボーカルも印象的。クラシカルな声楽を下地にしながら、ロック、アニソン、J−POPなど幅広いジャンルに対応できる彼の個性的なボーカル・スタイルは、現在のシーンにおいても完全に際立っている。

「傷だらけの僕ら」は中国語で歌ったMVも公開されている。TVアニメ「一人之下 羅天大醮篇」の原作が中国のWEBコミック(累計102.5億PV越えのモンスター・コンテンツです)であることを受けて制作された中国語ヴァージョンのMVは、中国国内で約600万回再生されるなど大きな成果を挙げているという。4月29日には茅原実里、KOTOKOなどとともに杭州で行われアニソン・イベント「野声季アニメコンサート」に出演。NormCoreの中国における知名度は今後さらに上がることになりそうだ。

NormCoreの次のアクションは、国民的な人気を誇るTVアニメ「名探偵コナン」の新オープニングテーマ「カウントダウン」。“まふまふ”との共作によるこの楽曲についてFümiは「私自身がシンガーとしてもクリエイターとしても尊敬しているまふまふ様にお願い致しました。」「歴史のある国民的アニメに関わるということで大きなプレッシャーもありましたが、現状における最善は尽くせたかなと思っております。」とコメントしている。アニソンとロック、ネットとリアル、日本と海外など、様々なシーンを自由に行き来しながら新たな音楽スタイルを提示しつつある彼ら。枠に捉われないスタンスは、テン年代以降のアーティストの在り方を示唆していると言っても過言ではないだろう。

文 / 森朋之

その他のNormCoreの作品はこちらへ

オフィシャルサイト
http://normcore.beinggiza.com

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