Interview

3年越しの戦いに「最高の決着がつけられた」─『仮面ライダーアマゾンズ』完結編に2人のヒーローがこめた思い。藤田富&谷口賢志インタビュー

3年越しの戦いに「最高の決着がつけられた」─『仮面ライダーアマゾンズ』完結編に2人のヒーローがこめた思い。藤田富&谷口賢志インタビュー

映画『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』が2018年5月19日より公開される。相反する個性を“養殖”と“野生”と例えられた2人の仮面ライダーを軸に描かれてきた物語は、本作で堂々完結。水澤悠と鷹山仁、特撮ドラマ史に残る名キャラクターを演じきった藤田富、谷口賢志への取材をもとに、『アマゾンズ』の奥深い魅力を紹介する。

取材・文 / 柳 雄大 撮影 / 松浦文生


“全てを守りたい”VS“全てを殺したい”の壮絶な戦い

『仮面ライダーアマゾンズ』は、1974年にTV放送された『仮面ライダーアマゾン』の設定やモチーフなどを一部踏襲しつつも、一から世界観を構築したリブート作だ。毎週日曜日の朝にTV放送されている仮面ライダーシリーズとも異なる流れの作品として、Amazonプライム・ビデオでのネット配信を開始した本作。2016年4月スタートの「Season1」、2017年4月スタートの「Season2」、いずれも週1回ベースで計26話がこれまで配信されてきた。普段は人間の姿で息を潜めているが、時として人間を食う恐るべき存在“アマゾン”と人間、そして“アマゾンを狩る者”、“アマゾンを守る者”として異なる立場で登場する仮面ライダーたち。彼らがそれぞれの目的を遂げるため、生き残るために己のすべてを賭けて戦うといったストーリーだ。

藤田富(ふじたとむ) 水澤悠/仮面ライダーアマゾンオメガ 役

谷口賢志(たにぐちまさし) 鷹山仁/仮面ライダーアマゾンアルファ 役

水澤悠(みずさわはるか)を演じた藤田富と、鷹山仁(たかやまじん)を演じた谷口賢志。15歳もの年の差、役者としてのキャリアの差があったふたりだが、これまでの2シーズンではお互いのことをどのように見てきたのか。

藤田 「谷口さんと出会ってからは、お互いの芝居で影響を及ぼしあっていいシーンを作るっていう、共同作業というか……役と役のぶつかり合いでいい演技ができることを教えてもらいました。だからある意味、悩まなくなりましたし。台本を覚えてさんざん悩んで、“何が正しいのか?”とかじゃなくて。実際本番がスタートしてから分かることもあったな、と思います。それが芝居の楽しみになりましたし、そういう衝撃を受けるような芝居、役者としてやっていく楽しさを教えてくださって。本当に感謝しています」

谷口 「どういたしまして(笑)。Season1の最初の頃は、石田(秀範)監督からも、“谷口、行けるところまで行ってくれ。フルスロットルでいいから、やりたいこと全部ぶっ飛ばしてやれ。藤田にどんどん影響を与えてくれ”と言われていて。“ブレーキはこっちでかけるから。白倉(プロデューサー)と俺で”っておっしゃるんですよ。だからもう、やりたかったことは全部やらせてもらいましたし。とにかく(藤田)富に……というか、悠に、影響を与えることだけ考えて臨んでいました」

悠という光があったからこそ、仁という影ができた

さらに谷口は、本作で2人のヒーローが存在したことの意味をこう語った。

谷口 「善いモノと悪いモノの主人公がいた場合、悪いモノ……ダークヒーローの方が、特に男の子にとっては人気が出やすいと思うんですよ。『アマゾンズ』でいうと鷹山仁のほうが、破天荒なことも、カッコいい登場の仕方もしますし、典型的なダークヒーローです。ただ、そのダークヒーローがカッコよく見えるためには、正義のほうの主人公がしっかりと立っていてこそ、“影が色濃くなる”と思っていて。

Season1の最終回、2人の最後の変身シーンがあるんですが、(これまで「アマゾン。」とつぶやいて変身していた)仁があそこで「アァーーマーーゾーーン!!」と初めて雄叫びをあげて変身するんですよ。それを見ていた富が、 “悔しい!”と。“もう鷹山仁に全部持っていかれた、Season1を全部持っていかれた!”と、俺の前で本っ当にムカついた顔をして言っていたのが忘れられなくて。そうしたら、翌年のSeason2、一発目に出てきた富の顔がものすごく成長していて……もう俳優の顔というか、“悠の顔”になっていたんです。

やっぱり『アマゾンズ』って言ってる以上、お互いはライバルだし、お互いに勝ちたいと思って演じてきましたけど。富がそのことを俺の、先輩の目の前で(笑)言えるのって素敵だなと思っていて。この関係性ができたのは藤田富の、悠のおかげだし、“この光がいたから影ができた”と思ってます」

Season1の頃からスタッフ・キャストの悲願だった映画化

『アマゾンズ』は、Amazonプライム・ビデオ配信用のオリジナル作品ということで、「Amazon」と「仮面ライダーアマゾン」を掛けて、それこそ当初は軽いノリで始まった企画だったのかもしれない。しかし2つのシーズンを経て成長を遂げた本作は、続編を渇望するファンの声もあり、完結編で劇場版という形にたどり着く。主演のふたりは、果たしてここまで到達できることを想像していたのだろうか。

藤田 「Season1のTVバージョンのオープニングを撮っているときに(『アマゾンズ』Season1は番組の冒頭にオープニング映像を加えた再編集版がTVでも放送された)、谷口さんと石田監督と僕で、“これが映画まで行けたらいいね”って話をしてたんですよ。スタッフの方から“『アマゾンズ』の映画、やるらしいよ”と初めてウワサを聞いたとき、最初は半信半疑でしたが、もし本当だったら念願の映画だなと思いましたね」

谷口 「石田監督は、“この作品は絶対映画が一番映えるから、映画までみんなで行けたらいいね”と口にしていました。そこからいつの間にか、(スタッフ・キャスト)みんなの夢のようにもなってたので。その形が実現して本当にうれしいなーという気持ちと。富と3年越しの決着がつけられるのはうれしいなという気持ちがありました」

そして、2人の激闘に決着がつけられる完結編が『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』だ。『アマゾンズ』ではこれまでも、犠牲のうえで成り立つ命、“生きていくためには、食べていかないといけない”というテーマを軸としていたが、さらに完結編では人間とアマゾンの繰り広げる“食物連鎖の行き着く先”が描かれる。本作の脚本は、『仮面ライダーエグゼイド』などで知られる高橋悠也によるもの。Season1・2を通じて脚本を手がけてきた小林靖子から引き継ぐかたちで、新たな世界観を示している。

藤田 「誰が、いつ食物連鎖の上にいくかどうかわからないっていうのを、脅威として表現してるのがこの映画だなと感じました。ラストシーンでは“あ、こういう理由で決着がつくんだな”とか、いろんなことを考えましたが。最終的にしっかり決着をつけることができてよかったなと思います」

谷口 「もう3年ぐらい、お互い悠と仁っていう役をやってきてるので。ものすごく正直に言うと、どんな台本が来てもたぶん個人的には納得できないというか……作品の中で、もう僕たちが僕たちとして生きちゃってる部分があるんですよ。そんな中で今回は高橋さんが、客観的に『アマゾンズ』をすごく愛して脚本を書いてくれて。これまでの色んな伏線もしっかり回収してくれていて。すごく大変だったと思うんですが、まずは完結編としてすばらしい脚本だなと。僕としても、変なふうにSeason1・2の思いを汲んでつなげるっていうよりは、また改めて藤田富、悠と向き合って戦うことを大前提にしたいって思いましたし。そういう意味でも、最高の決着がつけられたと思ってます」

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