Interview

「自分も働くけど、お金にも出稼ぎに行ってもらう!」30代からのお金との付き合い方を知る『オトナ女子のそろそろお金の話』

「自分も働くけど、お金にも出稼ぎに行ってもらう!」30代からのお金との付き合い方を知る『オトナ女子のそろそろお金の話』

FPの勉強を始めたのは40歳のとき。
お金の未来の仕事、だから面白い!

そんな芳川さんも、実はお金で苦労なさったことがあるのだとか。

泣いてましたからね、お金がなさすぎて(笑)。41歳のときに離婚しようと思ったんです。でも、社会的に自立をしていないと離婚すらできないってことを、その時初めて知りました。子供3人を連れて家を出るために、アパートを借りようとしたんです。家賃7万円だったんですよ。それが借りられなかった。収入が少ないことと、保証人がいないことがネックでした。不動産屋さんで、ちゃんとした企業に勤めている“男の人”が保証人になってくれればいい、と言われたんです。なんで男なんだ! と。まずそれが気に入らなかった(笑)。

それが第一のスイッチですね。

だって、大手新聞社と大手電機メーカーにそれぞれ勤めているいとこたちが、保証人になってもいいよと言ってくれたのに、二人とも女性だからダメだって言われたんですよ。何それ!?  って思いますよね。でも、しょうがないから、実家の登記簿謄本を持って、それを担保にやっとアパートを借りられたんです。あの時は本当に、お金がない、信用がないということの不自由さを痛いほど味わいましたね。お金がないといろんな選択肢が狭まってしまうことも知りました。

ファイナンシャルプランナーになろうと思ったのはその頃ですか?

そのちょっと前から勉強を始めていました。税理士事務所でパートをしていて、そこの奥さんから「税理士試験を受けたら?」と提案されたんだけど、興味が持てなかったんですよね。だって、税金って過去のことなんですよ。過去のお金の後片付け。それはヤダなぁって。そんな時たまたまファイナンシャルプランナーになるための説明会みたいなのがあって、何の気なしに出かけてみたら、これだ! と思って。FPってお金の未来の仕事だから面白いし、きっと今後ニーズが高まるに違いないと思って、勉強を始めたのが40歳のとき。

勉強している間は、もちろん無職なわけですよね?

そうです。どんどん減っていく通帳を見ながら、仕事しなきゃ! っていうプレッシャーで、ちょっと参っていた時期がありましたよね。なんの予定もないカレンダーを見つめながら、どうやってこの子たちを食べさせていけばいいんだと、まぁ、泣いた夜もありました。

©芳川幸子/パルコ出版

©芳川幸子/パルコ出版

それでも芳川さんは守りに入らず、新しいことにチャレンジしたんですよね。

根拠のない自信でここまで来たというのはあるんですけど、当時は働きたくても働かせてくれる場所がなかったんです。離婚するなら仕事が必要だと思って、新聞の求人広告を見ても、40歳じゃまず面接もしてもらえない。だから独立してやっていくしかない、と。もちろんFPの試験に受かったからといってすぐに仕事があるわけじゃないから、試験のために通っていた専門学校で時給1,000円でしばらく働かせてもらいました。当時、唯一の楽しみだったのが、近所の安売りスーパーで売っていた“しあわせバナナクレープ”というお菓子を買って食べること。130円だったかな。

そのお菓子のネーミングが泣けます(笑)。

今日はお金が入るから“しあわせバナナクレープ”買おう! って、子供たちと盛り上がって(笑)。果物さえ買えなかったですからね。そんな状況の頃、いちばん下の子が学校の上履きを失くしたか隠されたかして、新しいのを買うお金をちょうだいって言うわけです。580円だったかな。その時、通帳3冊合わせて8,000円しかなかったんです。月末に1万円引き落とされる予定があって、どうしようかと思っていたところでした。それで580円くれと言われた瞬間に私、思わず大激怒してしまったんです。「見つけるまで帰ってくるな!」って怒鳴っちゃったのよ。そしたら子供は泣きながら走って出て行って、その後ろ姿を見た時に、ふと我に返ったのね。「580円でこんなに怒っちゃった」って。すぐ追いかけてごめんねって謝って、一緒に探しましたけど。

FPはお客さまの未来にスポットライトを当てる仕事。
お客さまのお金を増やして幸せを感じてもらいたい。

ああ、それが第二のスイッチになりましたか。

そうですね、その時に腹を決めましたから。この子たちにお金の苦労は二度とさせないって。お金がないって言わない、お金で怒りに駆られたりしない。子供の傷ついた心は取り返しがつかないからこそ、心に誓いましたよね。それからはもう必死で仕事をしました。365日のうち362日は働いていたかな(笑)。

生活が成り立つようになったのは、それからどのぐらい後のことですか?

CFP(サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー=日本FP協会が認定する上級資格)を取って3年目ぐらいでようやく仕事が入ってきて、お客さんも来てくれるようになりましたね。もちろんその後もいろいろ大変なことはありましたけど(笑)

本書を読んでも、今日の芳川さんのお話を聞いても、お金は未来のためにあるということがよくわかりました。

FPって、お客さまの未来にスポットライトを当てる仕事だと思っているんです。例えば、「今この家を買うと、あなたの10年後はきっとこんな風だよ」って。お客様それぞれがどう生きていきたいのか、その未来の映像を見るためのお手伝いですよね。私はこのFPという仕事が大好きなんです。お客さまのお金を増やして幸せを感じてもらいたくてこの仕事をやっているのだけど、何よりお金を「知る」ことが楽しかった。知るは宝です。情報は宝。その宝が増えていくことが、本当に楽しいんですよ。

では、最後にこの本を手にとる方にむけて、メッセージをお願いします。

まずはご自身が興味のあることにチャレンジをすべきだと思います。私のLINEには、「no rain no rainbow」って書いてあるんだけど、人生はそういうものじゃないですか。雨が降らないと虹は出ないし、チャレンジしないと新しいものは手に入らないですよ。それに、誰もが社会の役に立つために存在していて、人それぞれにミッションがあるはずです。それはお金に換えられないことです。この本を読まれる方には、自分の可能性に気づいて一歩踏み出していただけたらいいなと思います。

芳川幸子(よしかわ・さちこ)

1962年東京生まれ。資産形成コンサルタント、ファイナンシャル・プランナーCFP。ゼットアップ・リサーチ株式会社取締役。金融機関に属さない独立系CFPとして活動し、今年で15年目を迎える。得意分野は資産運用。美味しい情報を鵜呑みにせず、「ホントかぁ?」と、実態を確かめるため、国内外を飛び回っている。2016年4月より、既存のお客様を中心に、会員制クラブ【CLUB Z-UP】を立ち上げ、運営を開始。
Z-UP株式会社http://wincome.z-up.jp/

書籍情報

『オトナ女子のそろそろお金の話
婚活から老後までのお金シミュレーション』
みんな、お金どうしてるの?

芳川幸子(監修)
野田節美(絵)
パルコ出版

女性にとって「30歳」を迎えることは、ひとつの節目。大人としての責任がより強く芽生え、仕事はますます面白くなり、結婚・出産というイベントも増えます。 これからの人生をシミュレーションできるよう、婚活から老後までのお金の使い道を、項目別に具体的な金額や数値を提示し、わかりやすく解説します。イラストや図解で何にいくらかかるか一目でわかる!お金本の新定番!! 詳細はこちら⇒

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『30歳からの人生設計 女の後半戦』
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