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浦井健治&長澤まさみ、尾上松也&大原櫻子、橋本さとし&濱田めぐみらが集結。シャウトしまくりの新感線☆RS『メタルマクベス』製作発表会見の全貌公開

浦井健治&長澤まさみ、尾上松也&大原櫻子、橋本さとし&濱田めぐみらが集結。シャウトしまくりの新感線☆RS『メタルマクベス』製作発表会見の全貌公開

客席が360°回転するIHIステージアラウンド東京(豊洲)にて、7月23日(月)に初日を迎える“disc1”を皮切りに、“disc2”、“disc3”と、キャスト&演出を変えて3作連続で上演される、ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』Produced by TBS。その製作発表記者会見が5月10日(木)に東京・チームスマイル豊洲ピットにて開催された。3,000名の応募から選ばれた1,000人の観客が見守るなか、“disc1”から橋本さとし&濱田めぐみ、“disc2”より尾上松也&大原櫻子、“disc3”から浦井健治&長澤まさみ、3組の“マクベス夫妻”が一堂に介し、大いに盛り上がった会見の全貌をレポートする。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 中原幸

「きれいは汚い、ただしオレ以外!」の歌詞のセンスがすごい

『メタルマクベス』は、IHIステージアラウンド東京(豊洲)で上演される次回作。上演中の『髑髏城の七人』に続く、劇団☆新感線作品となるが、劇団☆新感線作品の中でも音楽、生演奏に特化した “音モノ”=“R(RockのR)”シリーズにシェイクスピアの“S”を付けた“新感線☆RS”と銘打たれている。『メタルマクベス』の初演は2006年。シェイクスピアの四大悲劇のひとつである『マクベス』をもとに宮藤官九郎が脚本を手がけ、キャストに内野聖陽、松たか子らを迎えた、その初演から12年の時を経て、客席回転による場面転換と巨大スクリーンを備える劇場を最大限に活かした音楽劇として復活することになった。

物語は2206年の衰退した世界と、空前のバンドブームに沸いた1980年代の日本という2つの時代を行き来しながら、ハードロックやヘヴィーメタルのサウンドに煽られながら展開していく。近未来では3人の魔女の予言に基づいて王の暗殺を目論む<ランダムスター夫妻>の下剋上が果たされる一方、80年代の世界ではメジャデビューを果たしたヘヴィメタバンド<メタルマクベス>と敏腕女性マネージャーが黒い野望にと取り憑かれ、破滅の道へと突き進んでいくのだが……。

この日の会見はまず、“disc1”と“disc3”に出演する冠 徹弥(THE 冠)が登場し、得意の美シャウトで観客を煽った。そして、橋本さとし&尾上松也&浦井健治の3人による劇中歌「きれいは汚い、ただしオレ以外!」の歌とパフォーマンスから始まった。生バンドによる演奏と女性ダンサーを従えて、3人は舞台を所狭しと暴れ回り、ハイトーンのシャウトを響かせ、会場の熱気を上昇させた。やがて、濱田めぐみ、大原櫻子、長澤まさみの3夫人も加わり、全員でのジャンプで派手にライブパフォーマンスを締め括った。

この後、ライブを終えた6人のキャストに、脚本を手がける宮藤官九郎、演出のいのうえひでのりも加わり、質疑応答がスタートした。

いのうえさんが『髑髏城の七人』に続いて、『メタルマクベス』という演目を選ばれた理由は?

いのうえひでのり IHIステージアラウンド東京での公演のお話をいただいたときに言われたのは「劇団☆新感線でロングランでやって欲しい」ということだったんです。ロングランなんかやったことがなかったし、自分たちの数少ないレパートリーの中でできるものといったら、『髑髏城の七人』か『メタルマクベス』しかないなと思っていて。だから、『髑髏城の七人』で始めて、「次は?」と言ったら、最初に考えていたもう一本の『メタルマクベス』だろうっていう経緯です。

“音楽劇”ということですが、ズバリ見どころは?

いのうえひでのり 生演奏が入るというのが、一番大きいと思いますね。

客席が回転しながらどんな表現をされるのかが楽しみです。初演(2006年)の脚本も担当された宮藤さんは今回オファーを受けたときはどんなお気持ちでしたか?

宮藤官九郎 そのときは“360°”のイメージがまだできていなかったんですよ。「どういうことだろう?」と思いながら、『髑髏城の七人 Seaason花』を観に行って。「そうか、我々が回るのか!」と(笑)。やっているほうではなくて、観ているほうが回るというところでまずびっくりしました。しかも、『髑髏城の七人』は、回を追うごとにいのうえさんの演出がどんどん進化していって。回るだけじゃない演出になっていたので、今回の『メタルマクベス』もどうなるのかがすごく楽しみですね。

脚本は12年前と大幅に変わりますか?

宮藤官九郎 いえ、基本変えないと思います。何しろ、『マクベス』はシェイクスピア先生が400年前に書いた本ですから。それをたかが12年で変えちゃいけないですよね(笑)。さっき、ライブパフォーマンスを聴いて思いましたけど、「きれいは汚い、ただしオレ以外!」の歌詞のセンスがすごいですね。シェイクスピア先生と私の合作で、「きれいは汚い」まではシェイクスピア先生ですけど、「ただしオレ以外」は僕の言葉なんで。「ただしオレ以外」を付けたところにセンスを感じますね(笑)。

続いて、“disc1”でランダムスター/マクベスを演じられる橋本さとしさんは劇団☆新感線に21年ぶりの復帰になります。

橋本さとし そうですね。21年も経ってしまいましたけど。退団してから毎日、いつか劇団☆新感線に立つんだという気合いはずっとあって……いのうえさんのGOさえあればいつでも出ようと思っていたんですけど(笑)、21年、ちょっと長かったですね?

いのうえひでのり 日本のミュージカル界を背負って立つ男になりましたからね。大きくなられて、なかなかハマるところがなかったんですよ、新感線には(笑)。

橋本さとし (待っている間に)体も大きくなっちゃいましたよ(笑)。

(笑)復帰ということで楽しみにしている方も多いと思います。

橋本さとし 待ってくださる方も……数人はいると思うんですけど(笑)。劇団☆新感線は、今や僕でも楽屋に行くと緊張してしまうような劇団になって。21年間で人(劇団員)も多くなりましたし、知らない方も増えて、それだけ新しいお客さんもいっぱいいると思うので、「あのおっさんはなんだ!?」っていう方もいると思いますけどね(笑)。僕の中では、僕が最後に出演した劇団☆新感線の舞台『直撃!ドラゴンロック~轟天~』(1997)のときのままなんですよ。だから、そのときの匂いを、この『メタルマクベス』でまた感じてもらおうという気合いが入っております。

ちなみに初演のランダムスターは、現在、ドラマ『ブラックペアン』(TBS)で共演されている内野聖陽さんですよね。

橋本さとし 現場でめちゃめちゃ話していて、会うたびに「ランダムスターは大変だよ」とビビらされてます(笑)。あと、「痩せなきゃ」とも言われているんですが、ケータリングに美味しそうなお菓子があったら、ついつい手が伸びるじゃないですか。そのたびに、うっちーの目が光っていて、(モノマネで)「さとちゃん、痩せなきゃ!」って怒られています(笑)。でも、楽しみにしてくれて、「陰ながら応援してる」って言ってくれていますし、「なんかあったら話聞くよ」とも言ってくれています。優しいです。

いのうえひでのり ステージアラウンドに出たみんなは必ず痩せます! “ステージアラウンドダイエット”って言われてるくらいですから(笑)。(舞台裏の外周は)だいたい1周200メートルくらいあるのかな。最初の“Season花”をやったときは、(役者の)導線とかをあんまり計算せずに、かっこいいからっていう理由で舞台配置や段取りをつくっていたので、小栗 旬くんはじめ、“Season花”の出演者のみなさんには「ごめんなさいでした!」って謝りたいです(笑)。

そして、“disc1”の夫人役・濱田めぐみさんは、橋本さんとは何度も共演されていますが、濃密な夫婦愛をどう表現されますか?

濱田めぐみ 実際に稽古場でやってみないとわからないことのほうがきっと多くて。普段から、楽屋や稽古場でも普通に喋っているので、そのまんまの感じが出ればいいかなって思ってます。……私、新感線さんが初めてなので、みなさんどうぞよろしくお願いいたします!

濱田さんはミュージカルでいろんな歌を歌われていると思いますが、“メタル”というジャンルについてはどう思われますか?

濱田めぐみ どうしようかなと思いますよね(笑)。とにかく頑張りますので、応援のほどよろしくお願いいたします。

“disc2”のランダムスター役・尾上松也さんは、とにかくずっと前から劇団☆新感線に出たかった、と聞いています。

尾上松也 出たかったですね。歌舞伎の先輩の(十代目松本)幸四郎さん(七代目市川染五郎/『阿修羅城の瞳』『アテルイ』『髑髏城の七人〜アオドクロ』などに出演)もずっと出演されていましたし、友達もたくさん出ていましたので、観に行くたびに「ああ、出たいなあ、出たいな」と思っていました。ついに念願が叶って本当に嬉しいです。ありがとうございます!

また、情報によりますと、「人前でシャウトがしたい」とおっしゃっていたとか?

尾上松也 そうなんですよ。だから、今日は本当に……めちゃくちゃ気持ちよかったあぁぁぁぁ~~♪ (←シャウト)最高ですね(笑)。あと2~3曲やりたかったくらいです。それと、「Say Ho!」もやってみたかったんですけど……ちょっとやってみていいですか?(と言って、観客とコール&スポンス)楽しい! 気持ちいいですね。めったにできないことなので、こんな機会をもらってありがたいです。もう一回、やっていいですか?……嘘です(笑)。

(笑)。では、“disc2”で夫人役の大原櫻子さん。現在、22歳ということで、この中では最年少の夫人役になります。

大原櫻子 「私がマクベス夫人か!」と驚きましたし、今は、不安しかないです。『髑髏城の七人 Season花』も観させていただいて、どれだけ裏で走り回っているんだろうって不安にも思ったのですが、尾上さんに助けていただきながら……。

尾上松也 22歳ですか!?  私、33歳。かなり年の差がありますけど(笑)。夫婦に見えますか?

美男美女の素敵な夫婦に見えますよ。(お客さんからも大きな拍手が湧く)そして、“disc3”の浦井健治さん。初演の『メタルマクベス』をご覧になって、自分も演じたいと思っていたそうですね。

浦井健治 僕、(森山)未來と友達で、そのときは「未來の役(レスポールJr.)がすごいな」って思っていたんですが、まさか内野さんの役を自分がやるとは思っていなかったので、ちょっとびっくりしました。劇団☆新感線作品に出るのは今回3回目なんですけけど、2回とも同じ役(『薔薇とサムライ』(2010)、『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII』(2012)、共にシャルル・ド・ボスコーニュ役)で、アハハハハ〜って笑う金髪の王子だったんですが、3回目で王をやるとは、今、バクバクです。ちょっと怖いですけど、頑張って、この3人で3バージョンとも盛り上げていきたいなと思います。

“disc3”の夫人役は長澤まさみさん。長澤さんも、初演の夫人役・松たか子さんとお話する機会があったそうですね。

長澤まさみ 最近、お会いしたときに「実はあの役をやるんですが」って相談したら、「大丈夫、できるから!」って言っていただいて。勇気をいただきました。

夫人は悪女ですが、ご自身と共感できる部分はありますか?

長澤まさみ うーん、今、七変化をやっているんですけど(ドラマ『コンフィデンスマンJP』(CX))、どこかにはありますよね。だから、一応、持っているのかなと思います。

大原櫻子 悪女って、たぶん、自分では自覚してない人ですよね? 自分で「私、悪女なんです」っていう悪女はいないと思いますけど、女性ならきっと誰でも内面に持っているんじゃないですかね?

濱田めぐみ それは、ちょっとはあるね、きっと。

ここで3名のランダムスター/マクベスが共演し撮り下ろされた「きれいは汚い、ただしオレ以外!」のMVが初公開された。ヘヴィーメタルやハードロックバンドらしく、硬質なムードのスタジオでシャウトする映像かと思いきや、3人はドイツ発祥のスポーツである“ラート”で回転しながら熱唱。時には自転車の車輪になったり、富士山に登ったりと、3人のお面をつけたプロが美技を見せたりと、かなりユニークなつくりりとなっていた。

ランダムスター役のお三方も初めて観たかと思いますが、いかがでしたか?

尾上松也 橋本さん、みんなで大車輪やるの大変でしたよね?

橋本さとし くるくる回るやつね?

尾上松也 健ちゃんと僕が、橋本さんが漕ぐ自転車の車輪になってるとは!!(笑)

橋本さとし あんな格好をして、おネギが飛び出ているママチャリに乗って撮影しながら、「シュール過ぎない?」って思っていたけど、面白いですね(笑)。

MVのコンセプトですが、「回転するラートは、360°のステージアラウンドをイメージしていて、ランダムスターのみなさんが舞台で汗をかき、ぐるぐる回転しながら演じて、日本列島を制覇する」ということだそうです。

橋本さとし え!?  どう解釈したらいいんですかね(苦笑)。俺らはただ夢中で回されていただけですから(笑)。

尾上松也 それぞれのマスクをつけたプロの方がパフォーマンスしてくださっている部分は、スタッフさんから「本当に3人が回っているみたいに見えましたよ」って聞いていたんですけど、明らかに違いますよね?(笑)

では、観客の皆様からの質問です。「櫻子ちゃんへ。メタルっぽい一面はありますか?」

大原櫻子 ありますね。ライブでは「オラー!」ってなります。明るくて前向きなJ-POPを歌っているんですけど、「Ready Go」っていう曲を歌うときだけは、「声出せ!」とか「まだ足りない!」とか、声を張り上げて発散しています。常日頃溜まっている何かを爆発させる瞬間がありますね(笑)。

続いて、「さとしさん。オススメのシーンを教えてください」

橋本さとし 僕がお客さんとして観て残っているシーンは、(橋本)じゅんさんのとめどないゲロかな(笑)。あと、じゅんさんがいっぱい出てるところとか。脳裏に残像が残って、夢にも出てきそうでした。そんなじゅんさんと久しぶりにご一緒できるのも楽しみなので、バカな遊びをいっぱいしたいなって思ってます。

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